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-Re:ika-警視庁 恩寵刑事部 特殊捜査課 通称 「零課」  作者: 灯火 由夢葉
第一幕 第二章 夫丈高校二学期
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27 不穏な学期末

 このストーリーはフィクションです。登場する人物や団体と関係はありません。又、一部性的な描写がございますのでご注意ください。そして、この作品は日本の歴史や神話を基にした構成があり、一部の方々に怒られそうな内容が記載される場合がございますので、先に謝ります。申し訳ありません。

一位のインターン生だった各面は、大きな怪我をした者はいなく、急遽中止になったため生徒は通学を再開することになった。

「皆さん、特に一位組の方々は御無事でなによりでした」

 真田がそう言うと、皆表情が暗かった。

 「本来インターンでの行動や報告書を学期末の課題としていましたが、それができない今、予定を変更することにしました」

 真田は淡々と話を続ける。

 「先生」

 夢は挙手をした。

 「どうしましたか?」

 「私たちはこのままでいいのでしょうか?」

 夢の発言に真田は首を傾げた。

 「私たちが関わると何か不吉なことが起きるのではないでしょうか」

 夢が言い終えると、真田は一拍置き、口を開いた。

 「運が悪かった。私はこの言葉が嫌いです。自分の責任を環境のせいにする。なんだか逃げている気がします。ですが、それが全て逃げの理由とは限らない。一学期のときも言いましたが、この学校は時間が少ないです。そもそも時間は私たちを待っててくれない。だったらわざわざ止まる必要がありますか?」

 真田は眼鏡を外すと、眼鏡を見ながら話を続けた。

 「かつて私には太陽の存在の友人がいました。彼は皆から尊敬され、憧れていた。しかし、彼はもうこの世にいません。彼はもう戻らない。でも私は止まれなかった。彼の歩みを止めたくなかったから。私が今も生き続けているのは、彼との約束があるからです。……だから、私も貴方たちに約束します。歩み続けてください」

 真田はそう言うと、眼鏡を付け、話を続けた。

 「今回はかなり異例ではありますが、期末試験では実技として、我々教員と戦ってもらいます」


 試験日当日。午前中筆記試験を終えた生徒たちは、先日見繕った公務鎧に身を包んだ。生徒たちの反対側には、十人の教員が立っていた。


 一試合二十五分。人災者に見立てた教員を拘束又は、再起不能にするか、逃げ切ることが生徒側の勝利条件である。審査員は白龍院に豪炎寺、堀田である。組み合わせは以下の通りだった。

①真田真vs瞬木&炎司 ②水田寺宗介vs土田&雨水 ③白銀vs雅羅&裏表 ④猫又vs吉良&夢 ⑤強木vs筒井&花 ⑥鳴上vsジョン&鳶鷹 ⑦膏田vs酸欠&塔ノ上 ⑧肉丸vs寒田&波場 ⑨操園vs切田&熱熱 ⑩臥龍岡vs國咲&茂

 真田戦では、初の共闘で最初はたじろいでいたが、瞬木の恩寵との連携で真田を追い詰める。しかし、真田が全力を出し、二人を追い詰めるが、時間切れで生徒側の勝利。水田寺戦では、雨水は相性が不利で土田頼みだったが、水田寺が水の含んだ泥をも操り、生徒側が敗北。白銀戦では、即席の集光レンズと鏡を使ったソーラービームを作ったが、白銀のタングステンを破れず敗北。猫又戦では、吉良の運や猫又の黒影猫に夢が振り回されたが、最終的に吉良の幸運で猫又を撃破し、生徒側の勝利。強木戦では、建物さえ調教する技に翻弄され、生徒側が敗北。鳴上戦では、 鳴上のフルスロットルに翻弄され、ジョンは気絶したが、更にそれを上回るスピードで鳶鷹が勝ち、生徒側の勝利。膏田戦では、膏田のコンクリートに成す術なく敗北。肉丸戦では、寒田の拘束、波場の攻撃により肉丸を撃破し、生徒側の勝利。操園戦では、遠距離戦に持ち込まれ、成す術なく生徒側の敗北。臤龍岡戦では、圧倒的な力の差の前に、生徒側の敗北。という結果だった。

 しかし、教員に敗けたからといって停学であったり、不合格だったりというわけではなく、的確なアドバイスがあって終了となった。

 炎司が帰ろうとしたときだった。茂に話しかけられた。

 「炎司。冬休み前に工業科の文化祭みたいなやつあるらしい。鳶鷹も誘って回るか?」

 茂にそう言われ、炎司は頷いた。


 『こんばぁーす。どうもTOP1(トップワン)ですッ!今回は「横領の疑いのある店の金を正しく使おう~」だ!』

 彼は動画配信サービス『ムービス』で一部の界隈を賑わせているMovier(ムーバー) TOP1は、現代の義賊として活動している。褌一丁に顔は白塗り、おまけにちょんまげという奇抜なファッションに身を包んでいる。トップワンは堂々と店に入っていった。あまりにも奇抜な格好に、店員は身構えている。トップワンは両手を口元に置いた。

 『ありったけの金をここに出せー』

 トップワンがそう言うが、店員は相手にすることはなかった。

 『“()(ばん)”!』

 トップワンがそう言うと、店員が爆発した。爆竹程度の爆発だったため、大事には至らなかったが、店員は突然の出来事に尻餅をついた。

 『もう同じことは言わないぞ?次は“(ちゅう)”だ!さぁ!さぁ!!』

 トップワンがそう言うと、店員は袋に金を詰めだした。ある程度お金が入ると、トップワンは袋を強引に奪い、店を後にした。店前には何人もの警官が拳銃を構えている。トップワンはわざとらしく両手を挙げた。次の瞬間、トップワンは大声を出した。画面が乱れ、映像が暗転した。数秒後、配信画面にトップワンが映ると、ニヤニヤしながら言う。

 『いやー、また加減をミスったわ!お金もお店も全部吹き飛んだわ!ってなわけで、次回!俺、某有名高校で暴れる!次回もよろしく!』

 配信画面はそこで停止した。

 トップワン(本名:牛猫華忍(ぎゅうびょうがしのぶ))は自宅に着くと、顔の白塗りを落とした。ふと携帯を見ると着信が来ていた。そこには女性からの連絡が来ていた。トップワンは電話を掛けると、女性は直ぐに出た。

 「あー、悪かったわ。……うん、まとまった金はもう少し先延ばしになってもうた。ああ、気にせんでええ!また直ぐに集まるから!なあ、今度外出許可出たら、美味いもん食わせてやるけ!だから……。いや、何でもない。手術、頑張ってぇな」

 トップワンは電話を切ると、布団に携帯を投げつけた。トップワンは煙草に火をつけるとパソコンの前に座った。男は夫丈高校のホームページを眺めている。

 夫丈工祭では大きな金額が動くこともある。噂では今回とんでもないものがあるらしい。

 (これを手に入れて裏で、高値で売れば……)

 トップワンはパソコンを消し、煙草を吹いた。


 関西にある大手公務鎧の会社『丸防(まるぼう)』。社長室では大きな声が轟いている。

 「きらら!」

 『丸防』の社長である(きり)森大奈(もりだいな)は実娘である切森きららを呼びつけた。

 「お前のライバルである数手襷来が今度夫丈工祭で日本、世界初の新エネルギーを発表するという噂を手に入れたぞ!きらら!お前はそれを手にし、お前が最強の作り手となるのだ!」

 大奈がそう言うと、きららは笑顔で返事をした。

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