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-Re:ika-警視庁 恩寵刑事部 特殊捜査課 通称 「零課」  作者: 灯火 由夢葉
第一幕 第二章 夫丈高校二学期
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25 インターン 三上芯編

 このストーリーはフィクションです。登場する人物や団体と関係はありません。又、一部性的な描写がございますのでご注意ください。そして、この作品は日本の歴史や神話を基にした構成があり、一部の方々に怒られそうな内容が記載される場合がございますので、先に謝ります。申し訳ありません。

 鳶鷹は巨大な空母の上にいた。鳶鷹は自衛隊ランキング一位の三上(みかみ)(しん)の元にインターンとして向かっていた。帽子を深々と被り、襟と相まって顔は一切見えない。他のメンバーとして、波場激昂とジョン・ジェスターがいた。

 「初めまして。三上です。先ずは説明をしたいと思います……。自衛隊では、最大五十名一組でこのような空母に乗り組む部隊が存在します。一昔前までは、陸軍、海軍、空軍と分かれていましたが、この空母ができたお陰で、陸海空全てに対応できてしまったので、現在は自衛官としてのランキングしか存在しません。まあ一応、得意不得意で別れているんですけどね……。私の階級も特別で、所謂自衛隊のトップである統合(とうごう)幕僚(ばくりょう)(ちょう)は、一応存在します。……私がそうなんですが、私は自分自身で領域の警備を行っているので、その意味合いを含めた“総隊長(そうたいちょう)”という特別な階級に私は位置します。……脱線しましたね、話が。私の部隊は、私一人しかいません。理由分かる人います?」

 唐突な質問に一同は困惑したが、ジョンが挙手をして答えた。

 「人付き合いが苦手だからです」

 「……正解です。私は心から許した友人にしか基本的には心を開かない!でも、インターンを何かの手違いで申請してしまった!不覚です!」

 三上は拳を握りしめ、悔しそうに震えた。

 「面白い人なんだな、三上さんって」

 波場がそう言うと、鳶鷹は苦笑いで応えた。

 「まあ、落ち着いてください。日本の領域に侵入するような愚か者は絶対に来ませんから。……暇潰しに少し歴史の話をしましょうか。自衛隊が誕生したのはいつだと思います?」

 再びジョンが挙手をして答えた。

 「一九五四年です」

 「……詳しいですね。この年には意味があるですよ。その前の年に憲法が改正されましたからね。では、一九五五年には何があったと思いますか?」

 「近隣国に日本不可侵条約を調印させた」

 ジョンは遂には、手も上げずに言い放った。

 「凄いですね……。そうですね、ここでさっきの話に戻ります。この条約があるので、日本に侵入する国は存在しないということです。来るとすれば、国外ではなく国内でしょうね」

 そう言うと、何秒もの沈黙が訪れた。

 「……中でトランプでもします?」

 三上がそう言ったので、三人は仕方なく空母内へ向かった。


 二日目も昨日同様、海も空も静かだった。三上と鳶鷹と波場は武器の手入れを行っていた。一方でジョンはレーダーの確認を行っていた。

 「(しん)足手(そくしゅ)(三上の公務員コード)は、ずっとこんな感じなんですか?」

 手入れに痺れを切らした波場は、三上に問い掛けた。

 「まあ、そうですね。まあ、一人でいるのは苦ではないので……」

 「神足手はどうして自衛隊に入ろうとしたんですか?」

 波場の質問に、三上は思い出すようにゆっくりと口を開いた。

 「私の友人に勧められたんです。芯の恩寵なら自衛隊でトップになれる!って、私は根暗で高校時代は友達出来ないだろうなって思ってたんですけどね。話しかけてくれたのが、私の親友になった一人です。彼は太陽みたいな人でした。彼がいるだけで場が和むというか、落ち着くというか。まあ、彼らのお陰で色々なことに巻き込まれたこともあったんですけどね……」

 「素敵な友人さんですね」

 波場がそう言うと、三上は照れくさそうに会話を続けた。

 「その友人は、皆で公務員ランキングのトップになろう!って言い出したんですよ。滅茶苦茶ですよね。でも今思えば、叶っていたかもしれないですね……」

 「どういうことですか?」

 波場は問い返した。

 「実際そうなんですよ。私の友人は五人いたんですよ。私は自衛隊トップ、太陽は消防士トップですからね」

 「え!?消防士ランキング一位の人と友達なんですか!?」

 「そうですよ。なんなら、波場君と鳶鷹君の担任って真田真っていう人ですよね?彼もその友人の一人ですよ?」

 「えええ!?!?!?」

 波場は、大きなリアクションで、飛び上がった。

 「驚き過ぎですよ」

 「だって、真田先生。そんなこと一言も言わないから!」

 「まあ、真は色々ありましたからね。彼は教員ランキング何位か聞いていますか?」

 「たしか圏外って言っていたような……」

 鳶鷹が会話に入ろうと、口を開いた。

 「やっぱり。もう一人の友人に神楽(かぐら)大輝(だいき)っていうんですけど、次期一位と言われていた警官なんですが。不慮の事故で亡くなっているんです。それを真は自分の責任だと思い込んでいるんですよ」

 そのとき、交代だったのでジョンが鳶鷹に交代を告げに来た。入れ替わったところで、三上は会話を続けた。

 「どうです?波場君にも太陽みたいな存在の友人はいますか?」

 「そうですね……。あ!炎司っていう人がいるんですけど!アイツがいると、なんか落ち着くんですよね」

 「お、それ俺も思った」

 ジョンが話に入ってきた。

 「合宿のとき、アイツのお陰で上手くいったと思っているんだ。何だろうな、アイツ」

 「友人は大切にしてあげて下さいね。いつ失ってしまうか分からないので……。そう言えば、ジョン君って、あのトムクス・ジェスターの息子さんですよね?どうしてうちのインターンを?」

 「貴方は知ってるかもしれないが、父上は貴方と対象的だ。部下を何人も連れて歩いている。それでも、貴方には勝てなかった。父上はそれが許せないらしい。俺はそんな父上の欲望から生まれた子どもだ。俺はそんな父上を見返したい。だから、ここに来た。ここに来れば、貴方が父上よりも上だということがはっきりと分かるからな」

 「……良いことです。子どもは親を超えることが人生の一つの目標でもある。でもジョン君。一つだけ言っておきます……」

 三上が言いかけたとき、鳶鷹が勢いよく現れた。

 「大変です!レーダーに得体のしれないものが移りました。物凄い勢いで来てます!」

 そう言い終えたとき、轟音が空母に響き渡った。そこには、まるでロボットのような姿形の巨漢……いや、巨大な女性が立っており、胸には大砲や機関銃が見えていた。見た目はホワイトキラーだった。

 「自衛隊ランキング一位ノ三上ハオ前カ?」

 謎のホワイトキラーは、ぎこちなく三上に話しかけた。

 「これが、上層部が言っていた人災者ですか……。皆さん下がっていてください。出来れば、応援を呼んで下さい」

 「駄目だ三上さん!奴は強すぎます!」

 鳶鷹が必死に叫ぶ。

 「良くご存じですね。大丈夫ですよ。私、強いんで!」

 三上が片手を前に出すと、ホワイトキラーの四方八方に小型ミサイルが構えられた。三上が指を動かすと、ミサイルは操られているようにホワイトキラーに着弾した。途轍もない爆風が辺りを襲う。

 「凄い……!」

 波場が、そう言うと

 「見てる場合じゃないですよ!直ぐに行動を!……やはり一筋縄ではいかないか」

 ホワイトキラーは黒煙の中、余裕そうに首を鳴らし、近寄ってきた。

 「マア、待テ。律義ニ自己紹介ヲシヨウジャナイカ。私ノ名ハ、ホワイト=エレクトロ。貴様ラヲトップカラ引キ下ロシニ来タ」

 ホワイト=エレクトロがそう言うと、胸の大砲が発射された。しかし、その大砲は三上たちに向かわず、海に向かっていった。

 「ヤハリ、面白イ恩寵ダ」

 「私の恩寵を知っていて、その恩寵を使うとは、馬鹿なのか?質問に答えろ。目的はなんだ!」

 「……答エナイト、ドウナル?」

 ホワイト=エレクトロはそう言うと、腕が機関銃に変わった。三上は落ち着いた様子で、上を指さした。それを見て上を見たホワイト=エレクトロは爆発した。

 「す、凄い。さっきの奴の砲弾を落としたと見せて、死角に移動させて攻撃してる。顔色一つ変えずに」

 ジョンがそう言うと、三上は再び言い放った。

 「解説してないで応援を呼びなさい!!」

 「駄目なんです。無線が反応しません!!恐らく奴の恩寵に電波を妨害する力が……」

 鳶鷹がそう言うと、三上が溜め息交じりに口を開いた。

 「だったらそれを直ぐに言ってください!報連相ですよ!大事!」

 刹那、三上の正面にホワイト=エレクトロが立っていた。

 「流石私ノ恩寵、良イ攻撃ダ。ダガ、甘イ」

 ホワイト=エレクトロの胸の砲台が無数の大砲に変容した。

 「コノ数ハドウカナ?」

 無数の砲撃が宙を舞った。

 (私の恩寵だと十筋の軌道しか動かせない!……まあ、慌てる必要はないか)

 三上は一つの砲弾に懐に忍ばせておいた拳銃を構えた。拳銃を放つと、その弾丸は暴れ回る蜂のように動き回った。

 「“暴れる(レイジビー)”」

 やがて弾丸は放たれた砲弾を全て破壊した。そして、弾丸はホワイト=エレクトロの心臓を貫通した。ホワイト=エレクトロは血が噴き出し、倒れた。

 (凄い……!相手は恩寵を六つ持っている化け物だぞ!?それなのに、三上さん。無血で倒したぞ?)

 鳶鷹がそう思っている内に、三上が近寄ってきた。

 「今なら無線が使えるかも知れません。何が起きるか分かりませんからね。連絡しましょう」

 そう言ったときだった。三上は頭上を見た。

 「なんだ……?」

 三上は少し異変を見つめた後、突然叫びだした。

 「私から離れろ!」

 三上がそう言った数秒後、三人は誰かに引っ張られるかのように三上の元を離れた。更にその数秒後、大爆発が何発も起きたのだった。

 三上は爆風の中、反省していた。

 (クソ。空爆だと思っていたら、曲射だったから着弾時間、ミスっちまった。しかも、この爆撃、※クラスターじゃないか。私もまだまだだな……。駄目だ。頭が回らない)

 ※爆弾の中に爆弾が入っていて、空中で飛散する爆弾。

 三上は状況を把握しようと、起き上がろうとした。しかし、左半身の感覚がなく起き上がれなかった。三上は頭だけを動かし、左半身を見た。見ると、左肘から先がなく、また、左膝から先がなくなっていた。その瞬間、三上の耳の爆音が鳴り響く。三上の呼吸が荒くなる。漸く環境音が聞こえ始めた三上は、自分自身を落ち着かせ、呼吸を整えた。三上は“朱雀”で起き上がると、辺りの様子を見て絶望した。空母の上は、炎が揺らめき、黒煙を上げていた。

 「三上さん!」

 三人は、三上の元へ駆け寄る。

 「皆さん……。海に投げ飛ばしたはずですが?」

 「俺ら全員飛べますから!」

 鳶鷹がそう言うと、ホワイト=エレクトロがいた場所を見た。炎で見えにくいが、ホワイト=エレクトロの姿はなかった。

 「さっきの時間で、応援は呼びました。傷が傷です」

 ジョンがそう言うと、肘のジェットが火を吹いた。

 「……焼きます。死ぬときよりも辛いかも知れませんが、我慢してください」

 ジョンは有無も言わさず炎を三上に当てた。

 「激昂、俺らで守るぞ!」

 鳶鷹がそう言うと、波場は頷いた。鳶鷹が全ての羽を羽ばたかせた。

 「先ずは状況確認。奴を確認でき次第、叩くぞ」

 そのとき、再び頭上にミサイルが降ってきた。

 「激昂!いけるか!?」

 「もち!」

 波場は大きく息を吸い上げ、上に向かって叫んだ。声には“玄武”が纏っている。

 「“(くろ)()()()”!」

 途轍もない声の衝撃波がミサイルに触れると、大きな爆発を起こした。誘爆し、ほぼ全ての爆弾が爆発したが、まだ残りはあった。しかし、そのミサイルは爆発した。爆発させたのは、三上だった。

 「動かないでください!」

 ジョンが叫ぶと、三上は微笑んだ。

 「全く、君たちは凄いですね。強敵にも臆せず、立ち向かう。君たちは生き残り、未来にバトンを繋ぐべきです……」

 そのときだった。三上のすぐ近くに、ホワイト=エレクトロがいた。ホワイト=エレクトロが機関銃を三上に構えたときだった。機関銃は宙を向いた。

 「全く、三上さん。もっと早く連絡下さいよ。これじゃあ、俺の速さが活かされない」

 そこにいたのは、全身赤い格好をした機械だった。その機械がヘルメットを外すと、中から炎丈鉄郎の顔が現れた。炎丈は三上の元へ近寄り、ジョンを見ると

 「ジョンだったか?早く堀田先生の元へお願いする。これを使え」

 と言った。炎丈が指差すと、そこには謎のロボットがいた。

 「雫の試作護衛ロボットだ。そいつが高速で飛んでいく。じゃあ、頼んだぞ」

 そのロボットは、機械的な声を発していた。

 「ま、待って下さい!奴らは恩寵を複数持っています。そして、見た感じ、六つ所持している!」

 鳶鷹の発言を遮るように炎丈は言った。

 「分かってる。まあ、俺の敵じゃないだろうな」

 炎丈はそう言うと、周りを急かしてロボットの方へ移動させた。

 「俺も俺とて、暇じゃないんだ。さっさと終わらせよう」

 そう言って炎丈は、ヘルメットを被ったのだった。

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