14 聖戦 前編
このストーリーはフィクションです。登場する人物や団体と関係はありません。又、一部性的な描写がございますのでご注意ください。そして、この作品は日本の歴史や神話を基にした構成があり、一部の方々に怒られそうな内容が記載される場合がございますので、先に謝ります。申し訳ありません。
高校も二学期が始まり、本格的に一年生は学校に関わるようになる。その一つとして、生徒会の参加がそうだった。昨年度の生徒会では、三人組の生徒が運営していたのだったが、あまりにも完璧な運営だったため、校内では「夫丈の賢者たち」と呼ばれていた。しかし、インターンの際に、大怪我を負い、正式な引継ぎが行われずに生徒会が発足したため、立候補した生徒たちに構成されてしまった。
新生徒会 会長の神門美香恵と新生徒会 副会長神谷堕を筆頭に、計七名の生徒会役員で構成された「大聖徒会」が夫丈高校の生徒たちを過剰に支配していた。と言うのも、自由という校風が売りの夫丈高校では、制服や髪型は基本的には自由である。しかし、「大聖徒会」は、髪型は男女同じ黒髪で統一し、制服の第一ボタンは閉め、膝下のスカートの丈が強制された。
「大聖徒会」の行き過ぎた行動に痺れを切らした全学年が反乱を起こした。それを見た戦い好きの校長の白龍院が、場所を設けて内乱をする機会を設けたのだった。
そして今、第一グラウンドで夫丈高校二、三年生対「大聖徒会」の戦いが始まろうとしていた。
夫丈高校の全校生徒の百五十名に対して、生徒会に賛同した生徒が約五十名。それに加えて、生徒会の七名で計五十七名。対するは、反対派の九十三名。「大聖徒会」の圧倒的不利な状況から始まったこの戦いのはずだった。
会場には、大樹がそびえたっていた。この大樹は、「大聖徒会」の“第七天使”と呼ばれる幹部的存在の、アリエルと呼ばれる女性が発生させたものだった。彼女の恩寵は“大樹”。大きな樹を生やし、それを自在に操る。大きな根の間には、入口のような隙間があった。反対勢力の主将は、三年生の成績トップツーの二人だった。一人は、恩寵を消すことができる特別な帯を発現することができる恩寵を持つ帯田巻斗と、熱を音によって冷却させることができる恩寵を持つ冷熱替が筆頭に指揮を執っていた。
帯田は、大きな眉毛と坊主が特徴である。帯田は体育祭の映像を見て、今年の一年生を見定めていて、炎司や茂に目を付けていた。そこでこの二人は大樹の中の七名の生徒の相手を頼むことにしていた。
「私たち二、三年生は外の生徒の抑止を行わせる。君たちは中で戦ってくれ!」
帯田は大樹に向かって指をさした。
「炎司君!君は私たちと一緒に来て!」
冷熱が炎司を手招きした。三人は空下の元へとやって来た。
「ん?私?」
「塔ノ下さん。俺たちをあの大樹のあそこにぶつけてくれ」
帯田はそう言って、大樹の上の方を指さした。
「え……、思いっきり投げていいの?」
帯田は大きく頷いた。空下は巨大化した。そして、三人を優しく握ると、大樹に目掛けて大きく振りかぶった。投げられた三人は、お互いを抱き合って身を寄せている。
「炎司君!!炎を!!」
冷熱にそう言われ、炎司は三人まとめて紫色の炎で燃やした。その炎を冷熱が右手で吸収していく。そして、左手で三人に氷を纏わせた。大きな氷の弾丸になった三人は、大樹を貫いた。そして、事前に出していた帯田の手から、帯が氷に巻き付いて氷を消滅させた。三人は、散りながら各々着地をとった。そこには、二人の男女が立っていた。
「やはり、最上階には君たちがいたか。神門君、神谷君」
帯田がそう言うと、ミカエは手で三人を制止した。
「止めてください。私たちの名前は、ミカエにルシファーです」
「何ですかその名前」
炎司の質問に冷熱は冷静に答えた。
「海外の天使の名前です。海外ではとても有名な天使です」
「了解です」
炎司は頷きながら答えた。
「炎司君、気を付けて。神谷君は前々から気にかけていた子なんだが、俺より実力は多分上だ。恩寵はさっき教えた通りだ」
「大丈夫です。自分、相当な場数踏んでいるので」
そう言うと、炎司は両手を燃やした。
「頼もしいね」
「巻斗、プラン通りに」
冷熱は左手に氷を纏わせた。
「応」
帯田は腕から出した帯を巻き付け構えた。
残るメンバーは、入口へ入っていた。入口に入ると、そこには瘦せている男性が立っていた。
「帯田先輩の言った通りなら、奴は魂使う一暗衣だ!」
茂が叫ぶと、冷太が言った。
「ここは俺に任せて」
茂は静かに頷いて、先へ進んだ。
「私は、第七天使アズライール……。ここから先は行かせませんよ……?」
男は魂のような火の玉を投げつけた。しかし、氷の壁がそれを防いだ。
「よそ見とは、余裕そうですね」
寒田とアズライールは睨み合っていた。
(奴の恩寵は、生物を殺すことで生物と同じ大きさの魂を得ることができる“ウォスプ”。だけど、奴は小心者だからアリぐらいしか殺さず、小さな魂しか扱わないって言っていたけど、明らかに大きくない?)
アズライールが持っていた魂は、人並みの大きさをしていた。しかも、何個も持っている。アズライールは魂を投げつける。冷太は氷を用いて避けるが、速さが異常だった。
「どんな肩してるんですか」
冷太は空中に小さな氷の槍を何個か生成し、放った。アズライールは魂を使って防御した。凍った魂は粉々に砕けた。
「なんか、申し訳なくなりますね。お前が殺った命だけど、俺が殺しているみたいで」
「だったら、降参しますか?」
「それは結構!」
冷太は掌と脚に薄い氷を纏った。
「“氷帝神器 人魚の遊泳”」
冷太は氷上を軽やかに滑った。冷太は徐々に速さを増していく。死角に滑り込んだ冷太は、背中に足蹴りをいれた。しかし、手応えが感じられなかった。
「アンタ、見た目の割に丈夫だね」
「そうですか……。フフフ」
冷太はアズライールの不気味な微笑みに、一旦距離を取った。
「バンっ」
アズライールがそう言うと、寒田の左肩が爆発した。
(何?急に爆発した?)
冷太は受け身を取りながらも、思考を巡らせていた。
「おっと、掠りましたね。本当は顔面を狙おうとしたんですけどね。……ん?薬の効果が切れてしまいましたね」
するとアズライールは、懐から謎の液体が入った注射器を手に取った。首にその注射器を刺すと、声にもならない声で唸りだしたと思えば、何もなかったかのように立っていた。
「それって何ですか」
冷太は恐る恐る聞いてみた。
「数年前、裏の世界で「ディアブロ」と呼ばれる薬が流通しました。それが恩寵を増強する薬です。この薬は、政府によって違法物として扱われましたが、現在でも一部の人間によって流通されているんですよ」
「だから、アンタの魂も大きかったんだな。それで、その薬アンタ個人で買っているのか?」
アズライールは首を横に振った。
「副会長から何個か頂きましたよ。素晴らしいですよ。自分が神になった気分です」
アズライールは掌から大きな魂を何個も出した。
「始めて爆発させてみましたが、快感でしたね……!!」
「……変態ですね」
冷太は掌から巨大な氷を発生させた。その氷は辺り一面を凍らせた。しかし、アズライールは魂の爆発で氷を抉り、冷太に襲い掛かる。その狂気っぷりに一瞬たじろいだ冷太であったが、手持無沙汰な手から再び氷を出した。鋭利な氷ではなく、表面が平らな氷であるため、叩きつけられたようにアズライールは吹き飛んだ。しかし、アズライールは何事もなかったかのように、起き上がりあろうことか懐に忍ばせておいた残りの注射器を全て刺したのであった。
すると、アズライールは地面に転がるように苦しみだした。敵である冷太も心配するほど苦しそうであったアズライールは、やがて頭髪が白くなっていく。しかし、その半面で体が二回りほど大きくなっていく。
「これは……!」
冷太は身の危険を感じ、氷の盾を作り防御に徹した。アズライールは大きな叫び声と共に、衝撃波を発した。その所撃破は大樹を揺らし、氷を砕いた。吹き飛ばされた冷太は、壁に強打する。床に倒れた冷太は目の前に立っているアズライールを見上げた。その顔はまるで悪魔であった。アズライールは両手で体よりも大きな魂を形成していた。冷太は殺される思い、ゆっくりと目を閉じた。そのときだった。
「喧嘩は許容していたが、殺しは許されないな……」
冷太が目を開けると、そこには倒れているアズライールと、優雅に立っている白龍院の姿があった。
「校長、先生……?」
冷太がそう言うと、白龍院は冷太の方を見て優しく微笑んだ。
「申し訳ないね、寒田君。きっかけは私だったが、これは革命ではなく、虐殺だ。外の生徒は他の教員に止めさせている。君も外へ逃げなさい」
白龍院は優しい顔で言った。
「でも、こいつは「大聖徒会」の中でも弱いらしいですが、強過ぎました。他の生徒もあのドーピングをしていたら……」
「大丈夫。伊達に教員ランキングナンバーワンをしていないよ。さあ、いきなさい」
冷太は促されるままに、外へ行った。
「さあ、“授業”を始めるか……」
そう言って、白龍院は上の階へ歩んでいった。
夫丈高校が一望できるほどの高台に一人、男が立っていた。男は望遠鏡を使って聖戦の様子を見ていた。
「けっ、“古龍”が現れたら、面白くねえな……。まあ、今回は「ディアブロ」の横流しができただけまだマシか」
フードにサングラス、マスクをした男は溜め息をつくと、手首から糸を放出し、その場を去っていった。
二階へ上がった一行は、辺りを見渡した。しかし、そこには誰もいなかった。それを確認した一行は、階段で上の階へ向かった。一足遅れてやって来た吉良良嬉がやって来た。
「もう皆足速すぎ……。私の恩寵はそういう系統じゃないんだからもう少し考えてほしいなあ」
顔を上げると、一人の女性が天を仰ぎながら手を組んで立っていた。
「ああ、何ということでしょう。我がサリエルの祈りは先程の殿方には届かず、見るのはただ貴女一人……。ああ、ミカエ様……」
そう言うと、懐からディアブロを取り出し、首元に刺した。サリエルは微動だにしなかったが、顔は苦しそうだった。吉良はそのサリエルの肩を叩き、こちらの存在を気づかせた。
「貴方はたしか、二雅さんですよね?他の皆さんは?」
吉良は尋ねると、サリエルは指を上に指した。
「あ、ありがとうございます!」
吉良は律儀にお辞儀をして、階段を目指した。そのとき、目の前に謎の物体が飛んできた。それは何かの液体だった。吉良はふとサリエルを見ると、涙を流していた。
「貴方の恩寵って“神涙”ですよね?涙で回復ができるだけの恩寵ですよね……?」
吉良は後退る。サリエルは徐々に吉良に寄っていく。
「貴方の恩寵は使い方によっては、とても厄介です。ここで潰しておくのが先決です」
そう言うと、サリエルの目元の涙が蛇のように蠢きだした。まるで意思を持ったような涙は、吉良の真横に刺さった。
「あら?確実に貴方の心臓を狙ったはずだけど?……使ったのね。“恩寵”を」
吉良良嬉の恩寵“運”。自分や周りの運を操ることができるが、反動も大きく、例えば、幸運なことを起こせば不運なことが起きる。また、反動で起こる出来事は、幸運よりも不運の反動が大きいため、無暗に幸運に使えないのが現状である。
「貴方にとって良いことを起こしたということは、もう一度同じことを起こせば……!」
サリエルは再び心臓目掛けて涙を刺そうとしたが、今度は左肩を貫いただけだった。彼女の右手には、数本の髪の毛があった。
「髪を抜くことで帳消しにしようなんて、哀れなお人」
(でも何故か不思議ね。もう少し大きな反動を期待していたけど、こんなものなのね)
このとき、サリエルは大きな勘違いを起こしていた。
吉良良嬉の恩寵“運”には二つの大きな特徴がある。一つは“貯蓄”と呼ばれ、自身にのみ自身に起きた無意識の不運や幸運を貯め、反発で二倍以上の逆運を行使できる技である。二つ目は物に運を貯め与えることができる“贈与”は、生物以外のものに自身の運を与えることができ、自身の意思で効果を発揮することができる。
また、“運”には明確な発動条件があり、生活においての運というものは、数字で表すと、最高が100であり、最低が100である。平均が50と均一に流れており、心拍のように山や谷が発生する。運はできるだけ真ん中の50に戻ろうとする。吉良が心臓に刺さるはずだった涙を避けるために自分の運を70程度に上げた。サリエルは反発した運が30程度になった吉良だと思い、そして次の攻撃の際に吉良は髪の毛を抜いたのは、自身に不幸を起こさせ攻撃を避けようとさせたものだと思っていた。
しかし、吉良の髪の毛には、運を溜め込む力が存在し、その髪の毛を抜くという行為は、強制的に業運を引くという能力がある。
サリエルは突然後頭部を強打した。サリエルはよろめきながら、後ろを振り向いた。そこには朽ちた大樹の端くれが転がっていた。更に足に枝が巻き付いたり、地面が揺れ、当たり所が悪い場所に頭をぶつけたり、散々だった。
「ありがとうございます。運の神様」
吉良は目に見えないその人物にお礼をする。
「ありえないわ!私のような使徒が選ばれず、貴方のようなみすぼらしい女が選ばれるなんて!!」
彼女は懐から何本もの注射器を取り出した。その数本の注射器を首元に刺し始めた。吉良はその様子をただ茫然と眺めていた。すると、彼女は目から鯨のような涙が現れた。吉良はあまりの巨大さに尻餅をつくと、後退った。鯨のような涙が大きく口を開けたときだった。涙が突然炎に変わり、瞬く間に消失したのだった。吉良の前には白龍院が立っていた。
「校長……?」
サリエルがそう言うと、白龍院はサリエルの元に歩み寄っていく。サリエルは幾つもの巨大な涙を放つが、白龍院は難無く対応した。白龍院がサリエルの首に手を添えると、サリエルは気絶したのだった。白龍院は吉良の元へ歩み寄った。
「どうやら間に合ったようだね」
「……ありがとうございます」
そう言うと吉良は、地面に倒れた。吉良は運が100や0を超えると、体力を大きく消耗してしまい、暫く動けないのだった。白龍院は吉良の安否を確認すると、上の層へと向かうのだった。。
大樹の三層目に着いた一行は、辺りを見渡した。そこには、赤毛の男が座っていた。
「あの髪色……、気を付けろ。彼が神谷強志。生徒会トップツーの実力者だぞ」
茂がそう言うと、男は立ち上がった。
「やあーっと来た。待ちくたびれたぜ全く。俺様の名前はカマエル。誰が相手だ?」
カマエルは目を一杯に使い、一行を見た。
「ここは俺らがやる」
名乗り出たのは、A組の國咲悟空と波場であった。
「この中で脳筋なのはこの二人だからな。頼んだぜ、激昂」
茂がそう言うと、残りのメンバーは上の層へ向かった。
「先輩の俺が、たった二人の相手をするなんて……、舐められたもんだねェ。せっかくの戦闘だ。これを使わせてもらうぜ」
そう言うと、カマエルは懐からディアブロを取り出した。
「ん?あれは何だ?」
波場は國咲に問う。
「あれはドーピング剤だな。一時期流行ったが、効果が強すぎて禁断症状が出てしまって、取りしまうことになったんだが。どうしてそんなものを持っているんだ」
國咲が説明している間に、カマエルは首元にディアブロを刺していた。
「あァ?これは兄貴から貰っただけだぜ。ああ、なんだか力が漲ってきたぜ!やるか!!」
カマエルは、國咲の顔面を掴んで地面に擦り付けた。
「ん!速い!」
波場は咄嗟に距離を取ったが、その瞬間に、謎の球体によって吹き飛ばされた。
「おいおい。これでお終いか!!?」
「國咲君。奴の恩寵は“エネルギーシールド”のはずだが……、あれはエネルギー玉だぞ?」
「明らかに強化されているな……。俺も手加減って訳にいかないな」
國咲がそう言うと、カマエルは両腕から獣のような爪を、エネルギーで形成したと思われた瞬間、波場は吹き飛んだ。しかし、國咲は微動だにしなかった。
「お前……?」
國咲には無言の圧があった。國咲がワイシャツを脱ぐと、そこには、高校生とは思えないほどの筋肉で溢れていた。更に、体中に傷があった。
「相当な場数踏んでいるな。面白ェ!」
カマエルがそう言うと、國咲に襲い掛かった。それを國咲は冷静に対処していく。
(恐るべき動体視力に反射神経、そして対応力……。やはり只者ではないな!)
波場は思わず二人の戦闘を見入ってしまう。
「波場!見てないで応戦してくれ!」
國咲の一瞬の隙を突いたカマエルは、足蹴りで國咲を吹き飛ばした。
「國咲君!!」
「余所見ィすんなや!!」
カマエルのエネルギーを纏ったボディブローを喰らった。波場は吹き飛んだ。更に波場の脚を掴んだカマエルは、波場を振り回す。そして、壁に目掛けて投げつける。國咲は助けようと、カマエルに背を向けた。カマエルは國咲の死角に入り込み、刀のようなエネルギーを纏い、國崎の頭に刺そうとした。しかし、國崎はそれを見ずに躱した。
(何!?俺様は確実に気配を殺して攻撃したはずだぞ?なのにどうしてだ!)
國咲は“神域”を使うことができる。白虎に玄武、彼は類稀なる才能を持っていた。
國咲はカマエルに足蹴りをする。カマエルは反対側の壁まで吹っ飛んだ。更に國咲は瞳孔を大きく開いた。國咲の体は黒く光る。國咲は全身に玄武を身に纏っていた。そのまま國咲は地面に落ちている大樹の枝を拾い上げると、一つの球体にしていく。枝が唸るように縮んでいく。國咲が球体を作り上げると、それを思い切りカマエルに投げつけた。その球体に触れた瞬間、カマエルはとんでもない勢いで吹き飛んだ。
(んだこれ!?卓球玉ぐらいしかねェのに、経験したことないぐらい重てェ!)
國咲が付きりだした球体は、壁で跳ね返り、再びカマエルに直撃した。更に球体は跳ね返る度に勢いが増していた。カマエルは恩寵で防ぐが、あまりの威力に貫通してしまう。カマエルは直撃しては吹き飛ぶことを繰り返していた。まさに地獄の様であった。
数分後、球体は朽ちると、カマエルは倒れ込んだ。全身に丸い痣が大量にあった。カマエルが顔を上げると、國咲の顔面があった。思わずカマエルは地面に顔をうずめた。
「……俺いらないやん」
波場がそう言うと、國咲は服を着ていた。カマエルは隙を見て起き上がり、背を向けた走り出した。
「“点苦”!」
その隙を見逃さなかった波場は、点苦を放ち、カマエルに被弾させた。そのままカマエルは気絶したのだった。
二人は微笑みながら、ハイタッチした。
「どうやら私の出番は無いようだね」
二人の元に白龍院が訪れた。
「「白龍院校長!?」」
二人は同時に声を上げた。
「どうしてこんなところにいるんですか?」
國咲がそう言うと、白龍院は口を開いた。
「どうやらこの生徒会内には違法な物が流通しているようなんだ。流石の私でも見逃すことはできないからね。会長に直接問いただしに行くのさ。君たちは外へ行きなさい」
白龍院はそう言うと、直ぐにその場を後にしたのだった。




