スラムのボス
すっかりおとなしくなったガキについていくととある裏路地に着いた
「こっここの奥にいくとスラム街につくんだ」
なんの変哲のない裏路地言われなきゃわならない
裏路地を抜けるとそこはまさにスラム街って感じの場所につく、崩れた家々にぐでっと倒れてる人間、人が腐ってる匂い
「綺麗な街の裏の顔か…」
だがこんなに廃れてるが襲ってくる人間がいねぇボスってのは少々厄介なやつかもな
「ここだよ、俺達のアジトは」
同じく廃れているが回りの家と比べると少々立派な家がある、門がありそこに当たり前のように門番がたっている
「俺だ通してくれ」
アレクが門番らしき人間に話をつける
「アレクさん、そいつは」
「手を出すなよ、お前らじゃ勝てない」
アレクの言葉を聞いて門番達はおとなしく引いていく、明らかにアレク達より年上だが少し不思議な光景だな
建物に入り奥にある大きな扉の前で止まる
「ボス、アレクです、ボスに話がある奴が来ていますどうしますか」
「通せ」
扉があくとそこにはボスにしては若い男が立っていた二十代後半って感じかな
「君かい?僕に話があるって奴は、見ない顔だね…市場に出てくる奴はだいたいしってるし、君みたいに素敵なオーラを放ってるやつを忘れるわけないんだが…」
芯から凍えるような声に見たものを怯えさせる鋭い眼異様なオーラを放つ男が悪魔のような笑みで俺に問いかけた
「今日この都市に来たんだ、逆に知ってたらそれこそほんとの悪魔だぜ」
「それもそうだね、僕の名前はバールこの街のスラムをしきってる、君は?」
「海道仁だ」
ここがスラムのど真ん中とは思えない会話が続いた
「で?この街に今日来たばかりの海道君がなぜこのスラムに、お友達でもいたかな?」
その瞬間とてつもない圧力が部屋全体にかかる
気の弱い奴ならここでお寝んねだな
「いや、お友達どころか知り合いもいねぇ」
俺も負けじと奴に殺気をぶつける、その時点で奴の顔が少し歪む
「だが、ガキにあんなつまんねぇ事さしてる奴がいるってのが気に入らねぇってだけさ」
「ふっふっ…ハッァハッハ」
バールは壊れたように笑い始める
「いいでしょう、あの商売からは手を引きましょう」
素直だな、まぁ面倒臭くなくていいか
「ボッボスいいんですか?!」
アレクが叫ぶ
「えぇ、あの商売で手に入る金なぞたたが知れてますからね、そんなはした金よりもあなたを敵に回すほうが怖い」
「いい判断だ、俺もあんたとはなるべく仲良くしたいね」
俺はバールに近づき手をだす
「よろしくお願いしますね、海道君」
ニコッとバールは笑い俺の手を握る
「なんでですか?!ボス!あんたならこいつを潰してくれると思ったのに!」
あぁそういうことかやけに素直だとおもったぜ
「もういい、あんたがやらないなら俺がここでやる!火よ我アレクの声に応じて今我の手に宿れ! 」
アレクが拳に火を纏わせこっちに走ってくる
こんなガキでも使えるのか魔法ってのは、こんな危険な物を子供が使えるのとはこの世界の親も大変だな
「水よ我バールの声に応じ、凍てつき、すべてを止める吹雪となれ、「氷竜の息吹き」」
後ろからとてつもない冷気を感じすぐさま横に飛ぶ、するとさっきまで俺がいた場所に吹雪の渦が通る、その渦はアレクに当たりアレクの足と火を纏っていた手を凍らせた
「ボッボスなにを?!」
「アレク…君はまだすぐに感情的になる癖を直していないのか?そして君はまだ相手の力量が図れないのか?君が勝てる相手ではないよ」
諭すような子供をしかりつけるようにバールはアレクにといかけるそしてバールは眼鏡を外し今度は不祥事を起こした部下に命令をぐだすように威圧的な口調になる
「君は…そこでおとなしくしとけ!」
「りょっ了解…です」
さっきまでの勇ましい顔はどこへやらすっかり怯えてしまった
「ずいぶん元気なお子さんだこと、上に立つ者は大変だな」
「まったくです、躾に関してはしっかりとしてきたつもりですけどね」
はぁぁ~と深くため息をつくバール、これから起こることに対してのものだろう
「んで?おれはこのまま帰ってもいいが裏の世界で生きているあんたはちがうだろ?…今の部下の行動わからないわけじゃぁあないよな」
「今は面子の損失よりあなたとの敵対のほうが避けたいのですが」
「いいこぶるなよ、隠しきれてないぜ、お前と俺は同じ穴の狢のはずだ」
ピリピリと肌を刺激するこの殺気、これを出せる奴がまともなわけないぜ
「…ばれてましたか」
バールが呟いた瞬間部屋の雰囲気が変わる、交渉の場から、闘争の場に殺気飛び交う殺し合いの間合い
「最初からバレバレだ、あんなにあっつあつの熱視線送られてたらな」
部屋に入ったときから今も俺は奴からなにかを感じていた、俗にいう戦闘狂といわれるやつらから感じる渇きをもった視線こいつらな自分の渇きを潤してくれるんじゃないかという期待の視線それをずっと感じていた
「一つ約束してもらえませんか?この戦いはあなたと僕の戦い、スラムの人間は関係ないあくまで個人戦、この戦いでないが起ころうと手を出さない事を」
「ふっ、優しいなこれじゃどっちが悪役かわかんねぇよ」
自分はいいが他の人間はやめてくれ俺とそうかわんねぇのに立派なもんだ
「いいぜ、元々スラムに興味なんてないが俺を満足さしてくれれば俺からは手を出さない」
「それを聞いて安心しましたよ…これで思い残すことなく」
バール喋りながらどこからかナイフを取り出し俺の方に急接近してくる
「あなたと殺れる」
「あぁ俺も久々だ」
俺もアレクから没収したナイフをだしてから、地を蹴りバールに接近する
「こんなに血が沸く戦いはよ!」
高速で接近し合う二人は一瞬で激突、仁とバールはナイフで鍔迫り合いをする、鉄と鉄がぶつかり合う音が響く
「ぐっ」
俺が隙を見てバールの腹を蹴る、そのままけり飛ばしナイフを投げる
カンッと甲高い音が響く、バールが不安定の体勢のままナイフを投げ仁が投げたナイフにぶつけたのだ
「我バールの声に応じ、水よ凍り敵を貫く槍となれ!アイススピア!!」
バールは瞬時に体勢をもどし呪文を唱え、氷の槍を飛ばしてくる
迫ってくる氷の槍、これくらいの物ならよけるまでもない。
体を捻りその回転も加えて回し蹴りで槍を蹴る
「くだけろやぁ!」
バリンッと大きい音をたて氷の槍は砕けた
「ハハッ、やりますねぇ、じゃあこれはどうですか、今我バールの声に応じ水よ、凍りすべてを切り裂く風になれ!」
「氷竜の爪撃」
巨大な氷の刃が迫ってくるが仁は何も感じてなかった
「そろそろ攻めるか」
仁は進むと上でも横でもない前に氷の刃に向かって走る
「私の魔法を正面でうけるつもりで、血迷いましたか?」
一瞬バールは失望したがその失望は次の仁の行動で吹き飛んだ
仁は氷の刃にむかって足をあげ、踵落としを決めたのだ刃は真っ二つにわれ地に落ちる
「ハハッハァハッハー、何ですかあなたは?私の魔法を蹴り落とすなんて化け者ですか」
「化け物でもなんでもないさ、俺は強くなりすぎたただの人だ」
「ただの人は私の魔法に踵落としなんて決めれませんよ」
そういいながらバールは構えを変える、前に重心を置いた攻めの構えやっと気づいたようだ俺に遠距離が効かないことを
「我バールの声に応じ水よ凍り我を守る盾となり矛となれ」
今まで比べ物にならないほどの冷気がバールを包む
「氷魔装:コキュートス」
その姿はまるで騎士、氷でできた鎧を纏い右手には氷の剣左手には氷の盾、まさに氷の騎士
「えらくかっこいいじゃねぇか」
俺も今この世界に来て初めて構えをとる、腰を落とし脇を締める
今初めて二人が本気になった、二人はにらみあう
そのにらみ合いは何気ない風の音で終わり、二人は駆け出した
仁は全力で足に力を込め地面を強く蹴る、仁は脚力任せの超加速を行いバールに近づき、腕を引く
「30%」
バールはとっさに氷の盾を構えた
「インパクト!!」
仁の拳は氷の盾の中央を捉える
「ぐっ!」
バールの腕に今まで感じた事のない衝撃が走る、氷の盾はくだけ、籠手にもひびが入っている
(これは、アレクを引かして正解でしたね、こんな化け物あの子達に任せるわけにはいかない)
バールは後悔していたこの人に喧嘩を売ったことをだが、バールの心は喜びに満ちていた
やっと本気を出せるこの渇いた心をまた潤せる
バールは何かを悟ったように氷の剣を構え、カブトムシを見つけた少年のようなキラキラした目で俺に切りかかってくる
「それだ、それをまってたんだよ!!」
遠距離なんてつまんない物をいつまでも続けるほど俺は気が長くない
氷の剣が風を切る音が耳ともでなる、いつ聞いてもいい音だ
目を瞑り、その音だけで相手を攻撃を避ける
シュンシュンと肌ギリギリで通る氷の剣、冷気が出てるぶん避けやすい、早く鋭い斬撃が絶え間なく放たれる
数十秒の斬撃の嵐、その間にできた僅な隙、俺はそこを見逃さない、俺の拳はバールの右脇腹を捉える
ノーモーションで放たれる拳、威力はないが神速の一撃残念ながら技の名前などないが、バールの攻撃が一瞬止まる
「10%」
右足を軸にして左足に軽く力を込てハイキックでバールの顔を蹴り飛ばす
「うがっ!」
氷の兜は砕けちり勢い止まらずバールは壁に打ち付けられる
追い討ちに壁に打ち付けられたバールに仁は腹に飛び蹴りをする
「うっ…かはっ!」
氷の鎧も砕け、腹のダメージから吐血する
だがもう死に体だがバールは必死に立ち上がり剣を投げつけてきた
それをひょいと避けると
「もう立ち上がるのもやっとだろ、なぜ立ち上がる」
俺は悪役みたいなことを言ってみる、するとバールは手を前に出し呪文を唱える
「我バールの声に応じみっ水よ、凍り…敵を切り裂く刃となれ」
「アイスカッター」
またこんなくだらない事を
さっきより薄い氷の刃がとんでくるがそれを軽く蹴飛ばした瞬間氷の刃が細かく砕けちり仁の視界を覆う
「目眩ましかよ」
手を広げ大きく斜めに振り上げる、手の風圧で氷の破片が飛んでいき視界がはれるがそこに現れたのは氷で覆われたバールの拳だった
「氷竜の拳」
突然すぎて体が反応しきれず俺はこの世界に来て初めて一撃をもらってしまう
衝撃に身を任せ一回転して着地する、無理に抵抗するより流したほうがダメージはかるい
「なぜ立ち上がのか…わかってるくせに…君は意地悪だ」
なぜバールが満身創痍の体に鞭をうち立ち向かってくるのか、そんなのわかりきっている
自分の本気を試せる自分の限界を試せる、そういう機会は強くなれば強くなるほど減っていく
試したいんだろう自分の限界を自分より強い相手で
「来い、お前の本気、俺が受け止めてやるよ」
俺は改めて構える、戦うための構えじゃない、ただ強い一撃を放つだけの構え、それを感じとりバールは今一度最後の力を振り絞り最後の呪文を唱え始める
「我バールの声に応じ誇り高き氷の竜よ、今我に敵を滅する力を与えよ」
冷気が集まりバールの体を覆う、その冷気は目に見えるほど濃くなり、竜の形を作り始める
「憑依魔法:氷竜」
比べ物にならないほどのスピードで迫ってくるバール、その姿はまさに氷の竜、目の前には竜の顎門だがそのプレッシャーを受けてなを不敵に笑い力を貯める
「我流:迎撃の型一ノ拳」
腕を引き足を広げ土台をつくり。向かってくる敵に対して一撃の槍を放つイメージ
「迎槍拳!」
拳が竜の顎門を砕き、仁の一撃はバールの顔を捉えバールを吹き飛ばした
仁は吹き飛んだバールから視線を切り出口に向かう、もはやバールが立ち上がらない事を悟ったから
「バールさん!」
バールが気を失ったからか、アレクの拘束がとけバールの元に駆け寄る
ぐでっと倒れたいるバールを支えアレクはバールに尊敬の目を向け呟いた
「お疲れ様です」
俺は耳がいい、その言葉を逃さなかったが気づかないふりをした
「アレクそこの倒れてる奴に伝えろ」
俺は迎槍拳を撃った手から出始めた血を見ながら伝言を伝える
「最後の一撃はよかった、もっと強くなってもう一度挑みに来いってな」
「伝えとく、だけど覚えておけ、俺もバールさんも必ずお前をこえる俺の名前を覚えておけ、俺はアレク!もう一度この名を心に刻め」
拳を前に突き出し叫ぶアレクその目は俺を倒すという野望に満ちていた
「楽しみにしておこう」
アレクに背を向け、出口に向かう未来の敵に期待を託して
仁が部屋を出て数十分後気絶していたバールが目を覚ます
「バールさん、大丈夫ですか?」
顔を覗きこむアレク、バールはあることを悟る
「アレクか…そうか僕は負けたんですね」
身体中にのこる痛み、最後の攻撃につかった手と肋が数本ってとこかな
「久しいですね、敗北の味っていうのは」
僕はいつからか自分の力に満身してしまっていた、今回の戦いで思いしったよ自分の弱さを
「完敗ですね、あの人に傷一つつけられなかった」
「そんな事をないですよ、あいつからの伝言があります、ききます?」
「伝言ですか?聞きましょう」
アレクは少し微笑むと仁の伝言を伝える
「最後の一撃はよかったぜまた強くなってもう一度挑みに来い」
「ハハハ、強くなってか、アレク、…もう一度あの頃に戻ろう天井知らずの力を求めていたあの頃に」
バールは過去を懐かしむ、最強を目指していた過去を
「はい!どこまでもついていきますよ、なぁお前ら!!」
「「「はい!!アレクさん、ボス!」」」
部屋の回りには数えきれない部下達が集まっていた
バールは胸の奥が熱くなる感覚を確かに感じ、ゆっくり腕を天に掲げ、そして手を握りしめる
「君たち、ここからは全力で高みを目指します、君たちも全力でついて来なさい、ついてこれないないんて情けない事をいう奴はいないでしょうね!」
「「「おぉお!!」」」
今ここに将来氷の悪魔達といわれることになる傭兵軍団が誕生する




