スキルの種
「とりあえず服をきろ」
俺はノイマン用に買ってあった服をウルに渡す、喋り方的にオスだと思っていたがメスだったようだ
ウルが着替えている間、白狼から声がかかり襟を咥えられどこかに運ばれた
「いきなりなんだよ」
そこは小高い丘の上下にはノイマンたちが見える
「あの子は昔からすこし抜けている所があってな」
白狼が優しい目をして語りだす
あぁそういう事ね
「不出来な娘だがよろしく頼む」
さっきは厳しい事を言っていたがこいつも一端の親ということだ
「決まった事にグチグチ言うつもりはねぇよ、特別手をかけるつもりもないがな」
「フッそれでよい、異世界の者は何かと甘いからな」
異世界?
「おいまて、お前何で俺が異世界から来たってしっている?」
「異世界の者とこの世界の者魔力の質がすこし違うのだ、我が昔旅をした男も異世界の住人だったからの」
「なるほどな」
なるほどなですましたくはないが、長くなりそうだがらスルーすることにした
「おぬしは筋がいいから、いずれその違いもわかるようになる」
「そうかいそりゃ楽しみだ」
「これから娘が世話になるのだ、お前にもひとつくれてやろう」
そういうと白狼は立上り人の姿へ変身する
ナイスミドルという言葉が似合う、銀髪オールバックのおっさんになった白狼は俺の頭に手を置く
「今から授けるのは言わばスキルの種である、これからのおぬしの成長によって発現するスキルもかわる我々神獣種のみ授ける事ができる代物だ、ありがたく受け取れ」
俺の頭上に大きな魔法陣が現れ、自分の中に何かが入った事が分かった
「あいつみたいに直接スキルをくれた方が早いんじゃないか?」
「無理だ、ウルも成長途中とは言え神獣種、体の作りが違う、おぬしにスキルをそのまま埋め込めば体がもたん」
「そんなものか、まぁなんにしろ助かるぜ」
俺らは話もそこそこに丘をおり皆の元へ帰る
下に下りると出発の準備は整っており、俺達が来るのをまっていたようだ
俺は馬車に乗り込み窓を開ける
奥に引っ込んでいるウルの襟を掴み窓から顔を出させる
「別れの挨拶位しろ」
「じゃっじゃあ行ってくる」
ウルが顔を真っ赤にして小さな声で別れの言葉を告げる
「ふふっ体には気を付けてね」
そんな娘の姿に微笑む母狼
「次に会う時を楽しみにしておる」
ニヤリと笑う白狼の言葉。それはウルだけではなく俺にも向けられた言葉に聞こえる
「じゃあいっくすよ!」
パーシヴァルが馬を走らせるとウルはすぐに窓を閉めた
目の端に涙を溜め、俯いているウルの頭を撫でてやる
まだ伝えたい事もあっただろう、しかし、それを全て伝えられる程こいつは大人じゃない
寂しさからくる涙か伝えきれなかった悔しい涙か、どちらかはわからないがその涙は止めるべきものじゃない
両親がなくなった時の妹を思い出しながらウルの頭をなで続けていると、大気を震わす遠吠えが聞こえてくる
その遠吠えをきくやウルは窓からでて馬車の屋根に乗る
人化スキルを解き遠吠えを返す
馬車に戻ってきたウルはなにかスッキリとした顔をしていた
「これからよろしく」
「あぁ、俺は厳しいぜ?」
少し賑やかになった馬車は進む、目的地ビストニアへ




