その④
「いた!八雲!お前。
ってか・・・・・そのあからさまに怪しい奴は誰だ!?」
シルビスとフラフラなランディが宙を舞いながらやって来た。
「ぬいぐるみのあなたに言われたく無いですね。
あなた達こそ何故そんな御姿なのです?」
「シルビス様、この方は時空管理局の方の様です。」
ぴくっ。
ランディの言葉にランハードは反応した。
「げっ!早速見つかっちまったか・・・・。」
シルビスは嫌そうな顔をして逃げようとしていた。
「何故、私の事が分かるのですか?」
恐い顔で二人を睨む彼。
「何でって・・・・そっちのマスターであるカミルが用事でしょっちゅう来てるぞ。
っていうか・・・・・これ秘密だったっけ?」
首をコクコク振るランディ。
「喋った事ばれたら凄い嫌がらせされますよ。」
顔色を変えるシルビス。
「あの方はまた自ら示しのつかない訳の分からない行動を・・・・。」
溜息をつくランハード。
「わたしは死んだ方が良いの?
わたしは・・・・・・」
わたしの頭の中は今はそれだけで一杯だった。
そして、立ち上がり走り出した。
「おい!八雲!!!またかぁぁぁっ!!!!」
後ろからシルビスの声が聞こえて来るがどうでも良かった。
いつの間にか空はオレンジ色に輝いている。
わたしは歩道橋の上でジッと車の走る道を眺めていた。
・・・・・・・お父さんもお母さんもこの下の氷で滑ったトラックの巻き添えになって死んだ。わたしはずっと寂しかった。でも我慢してたんだよ。言って二人が帰って来る訳でもないから・・・・・・。
わたしは夕日が沈んで行く様子を暫く眺めていた。
次第に暗くなり歩道橋を通る人の数は減って来た。
・・・・・・・わたしが悪い子だったからお父さんとお母さんは死んじゃったんだ。わたしがあの時、家に帰りたいと思わなかったら、もしかしたら・・・・・・・。
わたしは人がいない事を確認して歩道橋の手すりに足をかけ、手すりの向こうへと登って降りた。
・・・・・・恐い・・・・・・
下を見下ろすとかなり恐い。
遠くから誰かの声が聞こえて来る。
「八雲!てめぇ!何やってやがる!?馬鹿か!!」
ふよふよと宙を浮き歩道橋を上って来るシルビス。
「誰も死ね!何て思っちゃいねぇよ!
ランディが言った事は無しだ!あいつは元々口が悪いだけだからな。
オレもさっきは動揺していただけだ!
だからそんな真似はやめろ!」
「でも・・・・・わたしは・・・・わたしは・・・・・」
突然突風が吹きわたしの体を揺さぶった。
その拍子に足を踏み外し歩道橋から真っ逆様に落ちて行った。
「八雲!!!!」
シルビスは叫びながらわたしの体にくっ付き・・・・・。
「願え!オレを元の姿に戻す事を!!!」
・・・・・元の姿に?・・・・・
わたしは咄嗟に彼の言われたままそう願うと、突然シルビスの体は光を放ち、彼は銀色の髪に白のマントの普通の人間へと姿を変え、わたしの体を抱きしめそのままゆっくりと歩道へと着地した。
わたしはそれを見て色々と過去の記憶を思い出した。




