その②
バッ!!
・・・・・少し・・・・思い出せた。何だか分からない夢。もしかしたら現実だったのかも?・・・・・・
わたしは布団から飛び起きて、そう思った。
時計を見ると昼過ぎだった。
「え~・・・・・っと・・・・・・」
一瞬、思考が停止した。
・・・・・・・遅刻・・・・・・・・よねぇ????・・・・・・
慌てて制服を手に取ると、金髪に眼鏡をかけた見知らぬぬいぐるみが一つ増えていた。
「はい。この方です。この方からお兄様の力を少し感じます。」
言葉を放つ彼を見てわたしは目を輝かせて触ろうすするが、鋭い目線でわたしを威嚇した。
「触るな。この外道な人間!わたしの体が汚れたらどうする!?」
・・・・・・可愛い・・・・・・
わたしは、こー言う系にとことん弱いらしくどうも自分の感情を抑えられない。
着がえるのそっちのけで触ろうとするわたしに対して嫌がる彼。
「おぃ!八雲!お前がオレの兄貴を殺したのかよ。」
・・・・・お兄さん?・・・・・・
金髪のぬいぐるみの横で黙っていたシルビスが荒々しい言葉を放つ。
訳が分からず首を傾げるわたし。
「兄から命の力を受け取っただろ?」
・・・・・命の力?・・・・・・
わたしの脳裏にさっき見た夢の光景が蘇る。
「カシス=カイラー。」
わたしは覚えていた名前を口から漏らす。
「やっぱり・・・・・お前か・・・・・。」
悔しそうな顔をするシルビス。
「ちょっと待って。あれ・・・・夢の話しじゃないの?あれ絶対ここの世界じゃ無かったよ。」
わたしの言葉に二人は沈黙して・・・・・
「夢だと思っていたのか。
どれだけお前は馬鹿なんだ。あれは現実だ。」
・・・・・・現実・・・・?・・・・・
「お前がカシス様から力を奪い、それを使ったせいでカシス様は蒸発され、我々二人はこの様な姿になったのだ。」
・・・・・それ、わたしのせい!???・・・・・
あんまりな発言にどう言葉を返して良いのかわたしは困惑するが・・・・・。
「わたしは、貰っただけよ。泥棒したみたいな言い方はやめてよ。」
「例えそうだとしても、カシス様の残りの命と引き換えに、お前が自分の小さい願いを叶えたのは事実。知らずしても列記とした犯罪だ。」
・・・・・・・・・・
金髪のぬいぐるみに強い口調で言われ、目に涙を浮かべて沈黙した。
「ランディ・・・・兄の件は後回しだ。今はオレ達のこの姿をどうするかが問題だろ。」
金髪のぬいぐるみはライディと言うらしい。
「そうですね・・・・・
おい!小娘!お前の願いのせいでわたし達はこうなったんだ。早く死ね!」
・・・・・・死ねって・・・・・・
「死ねる訳ないじゃん!
馬鹿!」
枕を掴みランディに向けて投げつけた。
「うごっ!」
まともに食らい呻き声をあげつつ撃沈する彼。
「お前!!!ランディをよくも!!!!」
わたしを睨んで来るシルビス。
悲しくなり目からボロボロ涙を零し出す。抑えようにも勝手に出て来る涙。
・・・・・・わたしのせいなんだ・・・・・・
わたしはそこ等にあった服を掴み取り部屋から出て行った。
「おい!八雲!!」
後ろから声が聞こえて来るが、振り返らずに一階へと早足で降りた。
着替え外へと出て色々と考えながら歩いていた。わたしの中では既に学校はどうでもよくなっていた。
・・・・・・あれは夢じゃ無かったんだ。わたしはずっと夢だと思ってたのに・・・・・・
「夢渡り・・・・・。」
後ろから突然気配を感じ振り向くと金色の長い髪を三つ編みにし、長いコートを着た青年が立っていた。
「あなたは・・・・・?」
尋ねると彼は笑みを浮かべお辞儀をして。
「私は時空管理局局長代理を務めます。ランハード=モーリスとも申します。以後お見知り置きを・・・・・。」
彼は再び笑みを浮かべた。
「わたしは・・・・・」
「良いです良いです。あなたの事は既に調査済みですから答える必要はありませんよ。」
自己紹介しかけたわたしの言葉を遮り彼はそう言った。




