スキンヘッドで目つきが悪くて眼帯をつけ(ry
このサブタイ……そうだよ、あの人の久しぶりの登場だよ。
「なっ……村崎君が、いなくなった!?」
模擬戦の翌々日の早朝。エステリアからその報告を聞いた紘輝が驚きの声を上げる。
「はい。昨夜、キリヤさんのお部屋に行ったのですが、その扉にこの貼り紙が……」
そう言ってエステリアが差し出すのは、1枚の紙。そこには、雑な字で「じゃあな」とだけ書いてある。
「「……」」
言葉を失うクラスメイト一同。雑な字に雑な文面とは、ふざけるにも程がある。
「……とっ、とにかく!」
気を取り直すように紘輝が声を上げる。
「村崎君を探しに行かないと!」
しかしその提案に、エステリアが首を振る。
「いえ。あの方なら、きっと大丈夫ですよ」
「確かに」
それに何故か頷くのは、琴音だ。
紘輝達の目線が集まる。
「……えっ? あ、えっと、別に深い意味はなくってね? その、霧也君なら平気そうだなーって、なんとなく……」
狼狽える琴音。本当に深い意味などなかったのだが、この反応だと逆に疑われてしまう。
「くそっ……あいつ、目立たない奴だと思ってたのに……」
「なんでこんなに美少女達と仲良くなってんだよ……!」
「俺達と何が違うってんだ! こんちくしょう!」
「顔じゃね?」
「負けたぁっ!」
クラスのお調子者達が何やらコントを繰り広げている。
「ともかく、です。ソニアさんも一緒のようですし、無理はしないでしょう。それに、行き先は大体想像がつきます」
そのエステリアの言葉に、紘輝が心当たりとやらを聞こうとするが、再びどこかから呪詛が。
「あの野郎……美人専属メイドとか、羨ましすぎるっ……!」
「なんで! なんで俺には、仲のいいメイドさんがいないんだ! っていうか、仲のいい女子がいないんだよぉ!!」
「顔だろ」
「世の中は理不尽すぎるっっ!!」
「「……」」
再び無言になる一同。
「……それで、エステリア様。その、行き先というのは?」
無視することにしたようだ。
エステリアは、紘輝の質問に微笑む。
「あなた方も行くことになる場所ですよ」
その笑顔に心奪われる男子陣。
「結婚してください!」
「ごめんなさい」
「顔だな」
「うわぁああん!!」
「……元気だね、君達……」
異世界に慣れて調子を取り戻したお調子者は、恐ろしい。
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3日後。
紘輝達は、“冒険者の街”セイグラッドへとやって来ていた。エステリアが言っていた、「紘輝達が行くことになる場所」であり、霧也がいそうな場所でもある。
3日という時間がかかったのは、たまたま王城の馬車が出払っていて(騎士や使用人等も王城の馬車を使用する)、40人近い人数を運ぶ手段がなかったからである。
さっさと冒険者登録を済ませた紘輝達は、各自予め決めておいたパーティーに分かれ、依頼を物色していた。
「あれ? これ……常時依頼のところに斜線が引いてある……えっと、内容は、ゴブリン討伐?」
そんな中紘輝が見つけたのは、常時依頼であるゴブリン討伐依頼。その上に、斜線が引かれているのだ。
「おぉ、それか」
そこに歩み寄ってきたのは、スキンヘッドで目つきが悪くて眼帯をつけているムッキムキの見るからに脳筋なオッサン。
「ひっ!」
思わず声を上げる琴音。紘輝のパーティーメンバーだ。
「おう、悪い、驚かせちまったな。俺はボブ。これでも銀持ちだ」
(アメリカ人……? いやいや、名前がそれっぽいだけか)
その名前を聞いてそう考える紘輝。考え方が霧也と同じである。
「んで、その依頼だけどな。元々は初心者の練習用として出てたんだが、調子に乗って生息地にいたゴブリンを全滅させちまった馬鹿がいるんだよ。……まぁ、それだけの実力がある馬鹿なんだが」
その馬鹿のことを知っているような口ぶりだな、と紘輝は考えるが、その馬鹿、もちろん霧也のことである。ボブは普通に知り合いだ。
「ふぅむ、しかし、ゴブリンがいねぇからな……」
顎に手を当てて依頼を眺め始めるボブ。どうやら、おすすめの依頼を探してくれているようだ。
「このおじさん、結構いい人?」
琴音が小声で聞いてくる。
「そうみたいだね。……見た目は怖いけど」
「お、これなんかどうだ?」
そう言ってボブが指差しているのは、
「……レッドブル討伐依頼?」
「……翼を授」
「琴音、それ以上は言っちゃいけない」
琴音にツッコミを入れる紘輝。
「こいつは名前のまま赤い牛で、ゴブリンとはステータス的には上なんだが、知能がほとんどねぇから、どっこいどっこいってとこの魔物だな。生息地がちょっと遠いからあんま人気はねぇんだが、ゴブリン討伐依頼がねぇんなら俺はこいつをおすすめするぜ」
「なるほど……どうする? 皆」
ボブの解説を聞いて、後ろのパーティーメンバーに問いかける紘輝。ちなみに、彼のパーティーは全員チート勢である。
「私はいいよ」
と、琴音。
「俺ぁなんでもいいぜ」
と、職業・狂戦士、霧也の攻撃力、防御力の模倣元である須賀大吾。
「……私も」
と、職業・忍者、霧也の敏捷の模倣元である遠野恵。
男女の比率が一対一の4人パーティー、これが通称勇者パーティーである。
「うん、了解。それじゃあ、これにしようか。――ボブさん、親切に教えて頂いて、ありがとうございました」
パーティーメンバーに頷きを返し、ボブに礼を言う紘輝。
「おう、いいってことよ。じゃ、死なねぇようにだけ気を付けな」
「あはは……はい、注意します」
そう言ってボブは、他のクラスメイトの方に近付き……悲鳴を上げられていた。
「……あの人、いい人なんだけどなぁ……」
「琴音が言えることじゃないよね?」
琴音は、私知らないっ! とでも言うようにそっぽを向いた。
レッドブルで1つネタを思い付いた。覚えてたら、本編で出そうかな。ウケるかどうかは度外視で。




