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第6話 ここに強くなったバカ1匹

「〜ダンジョン配信〜こんな俺でもコメ欄のお陰でどうにかなる!?」


第6話


「うおおおおお! 頼む、伝説の聖剣とか入っててくれ!!」


晴真は鼻息を荒くしながら、ズシリと重い宝箱の蓋を勢いよく押し開けた。


中に収められていたのは――鈍く輝く金属の塊『レアメタル』と、持ち運び可能な小型の『クラフト強化台』、そして古びた『防具のレシピ本』だった。


「なんだよ、剣そのものじゃないのかよ……」


落胆する晴真に、コメント欄が即座にツッコミを入れる。


『贅沢言うな! クラフト素材と強化台だぞ!』

『レアメタルとか超当たりじゃん!』

『初期ダガーでも強化台使えば化けるぞ』


「マジで!? よーし、やってやる!」


晴真はさっそく強化台に自前のショボいショートダガーとレアメタルをセットした。

カチリと音を立てて強化台が光を放ち、ダガーの刃が研ぎ澄まされていく。


【ショートダガー+1:攻撃値 2 → 4】


「すげぇぇぇ! 攻撃力が倍になった!!」


さらに、レシピ本をパラパラとめくっていた晴真はあるページで目を留めた。


「なになに……『フリールの毛皮』を使えば、あらゆる状態異常を無効化する防具『フリールガードコート』が作れる……?」


晴真はハッと息を呑み、大事に抱えていた銀の毛皮をぎゅっと抱きしめ直した。


「い、嫌だぞ! こいつは50万で売れる俺の宝だ! 防具なんかに使えるか!」


『おいw また金かw』

『3層は状態異常の攻撃してくるヤツ多いから絶対作った方がいいって!』

『てか状態異常無効の完成品防具なら、新品の毛皮より高値で売れるぞ』


「……え? 完成品にしたら元より高く売れるの!?」


『(適当言ったのに真に受けたww)』

『売る時の査定が上がる(かもしれない)ぞ!』


「よし作った!!」


手のひらを一瞬で返した晴真は、迷わず銀の毛皮をクラフト台にセット。

光が収まると、そこには銀色に輝くスタイリッシュで頑丈な『フリールガードコート』が完成していた。


さっそく羽織ってみると、ボロ布同然だった晴真の見た目は一変し、やっと「本格的な冒険者」そのものになった。


「ふははは! 見ろよこの勇姿! 完全にプロ冒険者だろ!」


『見た目だけは強そうw』

『これが普通なんよw』

『中身は相変わらずだけどな』


調子に乗ってポーズを決める晴真の前に、タイミングよく通路の奥からベチャリと音を立てて怪物が現れた。

全身から紫色の毒気ポイズンミストを撒き散らす、状態異常の象徴――『ポイズンスライム』だ。


「うわっ! 見るからに毒々しい!」


スライムが晴真に向けて大量の毒液を噴射する!

本来なら一発で毒状態になり、ジワジワと体力を削られて詰む場面だ。


しかし、紫色の毒液は『フリールガードコート』に触れた瞬間、パチパチと音を立てて無効化され、弾け飛んだ。


「効かねぇぇぇええ! 本当に状態異常効かないじゃん!」


相手の得意パターンが無効化されたのを見逃さず、晴真は強化されたダガーを握りしめて地を踏み切った。


「喰らいやがれっ!」


一閃。

攻撃値が「4」に上がったダガーは、スライムの核を一瞬で真っ二つに切り裂いた。


弾けて消えるポイズンスライム。

自分の手と、新しく手に入れた装備を見つめ、晴真はフッと不敵な笑みを漏らした。


「……ふっ、俺……マジで強くなってるんじゃね?」


『装備のおかげな?』

『まあ、最初のポンコツぶりから比べたらマシになったかw』


「ん?なんだこれ...」

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