第5話 侮蔑の視線
服屋の中は結構広く、服が何着も並べられており靴も売っているようだった。内装はユニ●ロみたいで安心感も覚えた。
「遅いわ早くしなさい」
「店の看板に獣人立ち入り禁止って書いてあって、入るか迷ったんだよ」
「あら、まだそんな時代遅れの価値観の店もあるのね。そんなのどうでもいいから早く用事を済ませましょ」
そんなこと言うが、見下された様な視線があちこちから来てるんだよな。獣人ってそんな嫌われてんのか?
陰口もだいぶ聞こえてくる。
「あんな野蛮な動物入れるなんてこの店はどうなってるの? 早く出て行ってくれないかしら」
「店員は何してるんだ? 暴れられたりしたら危ないだろ」
獣人は耳が良いから小さく喋っても聞こえるんだぞ。
そうやってモヤモヤしてるうちに、店員がこちらに近づいて来た。
「すいませんメイダ様。 貴方ほどの人でも獣人を連れてくるのは控えてもらえるとありがたいです」
「こいつはうちのペットでもあり護衛でもあるのよ。 護衛を連れてくるのは当たり前でしょ? さっさと服を見繕って来なさい。手を抜いたら許さないから」
「わかりました……」
市民にもこういう感じなんだな。 ガロさんも何も言わないのでいつも通りらしい。
採寸が終わり、少し時間が経ってから店員が服を持って来た。
「このような服はどうでしょう。 動きやすく、護衛するにもぴったりでしょう」
持ってこられた服は、上半身は黒の短丈フードジャケットで、下半身は銀色の細身のパンツにベルトがたくさんつけられているものだ。靴は茶色の革ブーツであった。
この服お腹がだいぶ出ないか? 動きやすさ重視なんだろうけど。
「ふーん、まあ良いんじゃない? レイもこれでいいわよね」
「うん」
少し寒そうだが、早くこの店から出たいのでこれに決めた。
ガロが会計を済ませてる間に、試着室で着替えて来た。 よく考えたら今まで着てた服はボロボロの半袖半ズボンでみすぼらしかったな。
「似合ってて可愛いわよ」
お褒めの言葉ももらった。
店を出たらそろそろ家に行くのかと思ったが、まだ一つ行きたいところがあるらしい。
「これが1番重要なところよ」
何だろうか。他に買うものあるかなー? この服で充分なんだが。
そして数多くある店の中の一つの前で止まった。
そこには犬や猫がケージに入れられている。
ペットショップ? 他のペットも飼うのか?
中に入ると店員さんに少し警戒されたが、王女がいるのですぐに冷静になっていた。
「ご用件は何でしょうメイダ様」
「こいつの首輪を買いたいわ。 色は赤色がいいわね」
え? 首輪? 俺の? 首輪つけられんのはペットみたいで恥ずかしいが、俺今ペットだわ。
店員も少し困惑していたが、
「ではまずは、首のサイズを測らせてもらいます」
こうしてできた首輪をつけてみたら、結構フィットしてて心地良かった。
「やっぱこれがないと始まんないわね」
何が始まるのかわからないが、メイダが満足そうなのでまあ良し。
店を出たらもう日が沈みそうなぐらいになっていた。
「やっと買い物は全部終わったわね。 今から家に向かうわよ」
やっと家だ。でも待てよ? メイダは王女だからその家って王宮だよな? 獣人って嫌われてるらしいし王宮なんかに入っていいのか?
不安も残るが、行ってみないとわからないか。




