第34話 コンプレックス
教室に戻った後、5、6時間目が実技なので、俺は着替えるために更衣室に向かった。
俺が着替えてると、アルが俺の腹を突然揉んできた。
「なに? セクハラ? モフハラ?」
「いや、獣人の筋肉ってどんな感じかと思ってな」
「あんま俺を参考にしない方がいいと思うぞ。獣人の中では発達してない方だし」
「じゃあ身長も小さい方なのか? 前に見た獣人は、レイと同じぐらいの年齢でもっとでかかったんだよ」
「いや、まあ、そっすね」
この野郎……俺の気にしてるとこピンポイントで指摘しやがる。
ご指摘通り俺は獣人にしては身長が低い。村では子供以外には身長で負けていた。そのせいで周りから舐められることが日常茶飯事だった。
一時期大きく成長した時があったので、成長期は終わってるだろう。まだ物足りないが、これ以上はあまり期待しない方がいいと諦めていたところである。
「そんなんで大丈夫かー? いつかメイダさんにも追い越されんぞ」
「え、いやそんなこと絶対ない! というかありえない! 俺180センチあるし!」
「それ耳入れてるだろ。耳抜くと?」
「………170」
「メイダさんと10センチぐらいしか違わねーじゃん」
「うるせー!」
俺の叫びになんだなんだと周りのクラスメートもこちらを見てくる。
その時に俺はあることに気づいた。
「みんな身長高くね?」
ほとんどのクラスメートが俺よりも明らかに身長が高い。獣人に負けてるならまだしも、人間の身長よりも低いなんて思わなかった。
「もう無理だ。どうせ俺はメイダにも抜かれて舐められる運命なんだ」
「そんな悲観しないで大丈夫だって。この冒険者志望のクラスに高身長が集まるってだけだから」
ネスがフォローしてくれたが、そんな言葉じゃ俺の絶望は消えない。
なんで俺にだけ獣人の高身長が遺伝してないんだよ。
まじ意味わからん。
何か特別なことが起こることもなく、実技はトレーニングだけで終わった。
実技が終わった後も、アルの更衣室での言葉が耳に残っており、俺は気が沈んでいた。
「そんな元気なさそうな顔してどうしたのよ」
「ご主人様って成長期来た?」
「いきなりなによ。成長期ならちょっと前にきたわよ」
その言葉を聞いて俺は安堵した。じゃあもう追い越されることなんてないな。
「でも最近少しずつ伸びてるわね。 サイズ変えるの面倒くさいから、もう伸びないで欲しいんだけど」
……そっか、そうだよな。成長期終わったら身長が伸びなくなるわけじゃないもんな。
「もし俺がご主人様より小さくなっても捨てないでくれる?」
「は? 何言ってんのよ。そんな理由で捨てるわけないでしょ。そもそもなんで身長にそんな固執してるのよ」
「身長低いと舐められるから」
「大丈夫よ。レイのことはもう舐めたことあるから」
「そっか……、え? それって物理的なやつ?」
「舐めたっていうより口に含んだだけよ」
昨日起きたら俺の腹毛が少しカピついてたのってそれのせいか。
「なんで口に入れようと?」
「目に入れても痛くないっていうでしょ? だから試しに口にも入れてみただけよ」
ちょっと何言ってるかよくわかんないけど、メイダがそうしたいならもういいよ。
耳デカすぎたので修正




