第20話 集会
信号機3人組とメイダが自己紹介し終えたあたりで、ラボ先生が招集をかけてきた。
「おいお前らー、そろそろ集会だから廊下に並べー」
どうやら集会が始まるらしい。
「じゃあ僕たちも並びましょうか。 並び順はてきとうだからどこでも良いよ」
クラス全員が並んだ後ろに俺ら5人は2、3に別れて並んで集会に向かった。
「集会ってどこでやんの?」
「アリーナで全校生徒が集まってやるわよ。 アリーナってのは体育の授業で使う場所ね」
そこは前世の学校と同じなんだな。
「校長の話なげーからなー。 今回は早く終わってくれると嬉しいぜ」
アルベルトが校長に対して愚痴っている。校長の話が長いのも前世の学校と同じらしい。
「とゆーかさっきからよー。 俺とミライにレイのしっぽが当たって来てるぞ。 ミライもなんか言ったらどうだ」
「あっ、気付かなかった。 学校にワクワクしすぎてた。 すまんな」
俺のブンブン振ってるしっぽにずっとぶたれてたみたいだ。 全然気付かなかった……
「私は……別に気にしてない」
ミライちゃんは優しいなぁ。物静かで気品がある。どっかの王女様とは違って。
「当てるなら私にしなさいよ!」
ほら、なんか意味わかんないこと言ってきた。
そんなこんなで集会が行われるアリーナに着いた。
アリーナには生徒が見えるだけでも500人はおり、
入り口付近にいた大勢の生徒がこちらを見てきている。クラスとは違って俺への嫌悪の目線もあんなー。こんなに人がいるならそんな思想の人もいるか。
俺たちは4-Eの列に並び、集会が始まるのを待った。
「まだ時間があるようだし、私お花でも摘んでくるわね」
「私も……行きたい」
「行ってら」
メイダとミライはお手洗いに行った。校長の話長いらしいから俺も行っとこうかな?
そんなこと考えていたら、アルベルトとネスがヒソヒソ話しかけてきた。
「おいレイ。 お前メイダさんのペットなんだろ? 屋敷ではどんなことされてんだよ」
「それ僕も気になってた」
えぇ、それ聞くぅ?
「いやぁ……その、ブラッシングとかご飯食べさせてもらってたり……かな?」
「つまりあのメイダさんに体触られたり、アーンしてもらってるってことか?! ペットずりぃ! 俺もメイダさんのペットになる!」
「うわきも」
「うん、僕も今のアルはきもいと思う。 だけどメイダさんってこの学校の人からしたら高嶺の花なんだよ。 今の話聞いたらこうなっちゃう人も結構いるよ」
メイダって生徒から人気なんだな。 実際はこっちの話全く聞かない乱暴お嬢様だけど。 それも刺さる人には刺さるかもな。
「いやいやそんな良いもんでもないぜー。 パーソナルスペースがまじでない。 お風呂なんか1人で入れたことないんだから」
「「お風呂?!」」
あっ、これは流石に言っちゃ駄目だったな。
「おい、その話詳しく聞かせろ変態狼」
「僕もそれは聞き捨てならないなスケベ狼くん」
「いや! でも! 間違いは起きてないから!」
「そんなこと信じれるかぁ! 白状しろ! さもないと俺がみんなにレイがメイダの風呂にいつも侵入してる事言うからな!!」
「はぁ?! そんなきしょいことするわけないだろ。 いつも侵入されてんのはこっち側!」
「それもそれで羨ましいけどね」
かつてないほどだるい。 俺が風呂場でどんな闘いを繰り広げてるか知らないだろうに。
言い合いをしていたら、メイダとミライが楽しげに帰ってきた。
「何騒いでんのよあんたら。 みっともないから静かにしなさい」
「3人とも……うるさい……」
「なあ聞いてくれよミライ! レイがどんなに変態なやつかをな」
「だからちげぇって!」
「レイ君は毎夜毎夜メイダさんのお風呂に侵入してるんですよ」
あーもうこいつらまじで……ミライちゃんは俺のこと信じてくれるよな?
「さっき……メイダから聞いた」
「「「え?」」」
「レイのことを毎日お風呂で洗ってるって……メイダが言ってた。 私も犬飼ってるから……それでさっき話してた」
「ペットの話を人とするのがこんなに面白いなんて知らなかったわ! ミライならレイのことモフっていいわよ! 良いわよねレイ」
「いやまぁ俺は良いけども」
メイダがこんなに人と楽しそうに話してんの初めて見た。 ペット話ね……これから人と仲良くしてくのに使えそうだな。
この話を聞いてアルベルトとネスは何故か落ち込んでいる。
「どしたん2人とも? 話聞こか?」
「その喋り方なんかうぜー!」
「ずるいよレイ君……」
俺を陥れることに失敗した2人は残念そうにしている。 ミライちゃんに嫌われなくて良かった。
そんなくだらない話をしていたら、集会がいよいよ始まるらしい。俺らはすぐに並び直して静かにした。
「ではこれより集会を始めまーす」
司会ラボ先生かよ。 結構偉い人なのかあの人。
ラボ先生が小さな四角い箱に向けて喋りかけたら、アリーナで声が響いた。 あれもなんかの魔道具かな? 魔道具についても勉強してみたい。
「長期休みで気が抜けてると思うがしっかりしろよー。 俺からは以上だ。 お次は校長からのありがたいお話があるからしっかり聞けよー」
短っ、そして軽っ。
そしたら白い髭を生やしたいかにもな校長が出てきて、長ーいお話が始まった。
「コホンッ! 我らがアストラル学園の生徒達よ。今日から長期休みが終わり授業が始まる! 今は気が抜けていると思うが、過去を振り返り、未来を想像し、そして今を必死に生きることが君たちには必要だ。 今勉学をおろそかにしてしまうと将来に響くからしっかりするように。 今話した勉強も大事だが体育祭も近づいておるな。 体育祭は他の学園も観にくるから決してアストラル学園の品位を落としてしまわないように励みなさい。 学園の127個の校訓の34番目にある通り……………………………
――約45分後――
以上で話は終わりだ。では良き学園生活を君たちが送れるよう祈っておる」
なっっっっっげぇよ! 想像の3倍は話が長い。いきなりこの学校の洗礼を浴びせられた。
俺は疲れたが、どうやらみんなは慣れたようでそんなに疲れていない。
「はいちゅうもーく。 これから体育祭委員会からお話がありまーす」
まだあんのかよぉ。 でも体育祭ってどんなことするんだろ。球技とかかな? 魔法がある世界だし魔法のお披露目とか?
「みなさんおはようございます! 体育祭委員会です。 今年の選抜競技の発表に来ました! 今年の選抜競技はーーーーー………魔獣討伐です!」
アリーナは歓喜の声に包まれている。
魔獣狩り? そんな楽しいイベントなの? 魔獣って危なかったりしないのか?
「詳細はまた体育祭が近づいたらお話します。 選抜選手に関しては黒組、白組、赤組、青組、黄色組から5人ずつ出場してもらいます。 選手の決め方は各組で決めてもらい、決まった5人を私たち委員会に報告してください! それでは以上です。ありがとうございましたー!」
パチパチと拍手で送られながら体育祭委員会は消えていった。 体育祭ねぇ、結構面白そうなイベントだな。
そういうことで集会は終わり、クラスに戻って終礼をしたら今日は下校することになった。




