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第19話 自己紹介失敗?

俺が教室に入ったら、生徒達が驚きの視線を向けてきた。 生徒達は俺を見てヒソヒソ話し合っている。

「え? 獣人?」

「くそっ。 女の子じゃないのかよ」

「今そこじゃねーだろ」

「おっきなワンチャン……」

「私初めて見たー」

「ちょっと可愛いかも」

俺の可愛さに気付いてる将来有望なのがいるな。見る目あるぜ。

教室を見渡すと、端っこの方にメイダが座っていた。 1人で静かにニコニコしながら俺を見ている。

「じゃあ自己紹介してくれ」

俺は一回深呼吸をした。人間関係は最初が肝心だ!

「俺の名前はレイ。 犬などではなく、気高き狼の獣人である。 今はメイダ様の護衛兼ペットをしている。 これからよろしくな!」

俺の自己紹介を聞いて、生徒達は静かにしていたが、メイダが1人で拍手しながら立ち上がった。

「かっこいいわよレイ! ちゃんと自己紹介できてえらい! さすが私のペットね!」

「ふふん、まあこんなもんかな」

生徒達はメイダと俺を困惑しながら交互に見ている。 やっべ、屋敷の中みたいなつもりで話しちゃった。 

生徒達はシーンとしている。がちで気まずい。

「じゃあ席はメイダさんの隣でいいよな」

「はい………」

俺が生徒の視線を背中に浴びながらメイダの隣の席に座ったら、メイダが話しかけてきた。

「いい自己紹介だったわよレイ。 他の奴らは全員レイに気圧されてるみたいね」

「いや違うだろこれは。ただドン引きされてるだけだと思うんだが」

「そんなことないわよー。 レイは心配症ね」

絶対引かれてる。

「おいそこの2人うるさいぞ。 静かにしてろ」

「申し訳ないわ」

「すいません」

生徒に引かれている上に怒られた。 もう最悪や。俺のぼっち学校生活は今始まってしまったんだ。


落ち込んでいたが、休憩時間になるとクラスメート達が俺を囲い、質問攻めしてきた。

「獣人って生肉食べるのって本当なのか?!」

「メイダ様とどういう関係なの?」

「しっぽ触っても良い?! 優しくするから!」

「なんで首輪つけてるんだ?」

俺が困ってるとメイダが助けてくれた。

「ちょっとあんた達! うちのレイが困ってるでしょ! レイは私のペットなんだから首輪つけてるのよ。 あとレイは私以外にはモフらせないから! はやく散りなさい」

メイダの言葉でクラスメート達は俺から離れて行った。

「ありがとうご主人様ぁ……」

「これぐらい当然よ。 レイを狙う毒牙からは私が守ってあげるから」 

うちの飼い主は頼りになるぜ。

そんなやりとりをしていたら、3人のグループに呼び出しをされた。

「ちょっとそこの狼! こっち来い!」

「もっと優しく呼び出してよ。 話したいことがあるからちょっとこっちにきてくれないかな?」

なんだ? カツアゲか?

「呼ばれたんでちょっと行ってきます」

「何か変なことされたらすぐに私のところに戻ってきなさい」

「はーい」

3人の元へ行くと大柄な赤髪の男子から質問された。

「レイって言ったか? お前絶対零度の女王とどういう関係なんだよ」

絶対零度の女王? なんとなく察しはつくけど聞いてみるか。

「絶対零度の女王? 誰それ」

「メイダ様のことだよ! すっげぇ美人だけど、佇まいからは誰も近づけない気迫を感じさせ、話しかけても素っ気なく対応してくるからそう言われるようになったんだ」

だから友達できないんだようちのご主人様は。

「そんなことないけどな。 家では俺のことすっごい可愛いがってくれるぜ」

「へぇ、そんな一面もあるんだね。 あっ、僕らの自己紹介がまだだったね」

そういえば3人の名前を知らない。

「俺の名前はアルベルトだ! よろしくな!」

アルベルトは大柄で赤髪の明るい男子だった。

「僕はネス。 アルベルトは失礼なところもあると思うけど大目に見てくれると嬉しいな」

ネスは普通の黄髪の男の子だ。

3人目の緑髪の女の子で最後だが、女の子は俺をじろじろ見てくるだけで何も話してこない。

「ごめんねレイ君。 ミライは人見知りなんだ。変なところはあるけど優しい良い子だから仲良くしてやってね」

「う……」

相槌だけ打ってきた。ミステリアスな感じでよきです。

3人で髪の色が信号機になっていてバランスのいい3人だな。

この3人はいいやつそうだし、メイダの友達になってくれたりしないかな?

「なあ3人とも、知り合ってすぐだけど頼み事していい? うちのご主人様と友達になってほしいんだよね。 ああ見えて寂しがり屋なんだよ」

3人はすぐに了承してくれたが、

「俺らは良いが、女王が俺たちと話してくれるかはわかんないぞ」

まあ1番の問題はそこなんだよな。

「俺がなんとかするから」

ということでメイダの元に3人を連れて帰ってきた。

「遅いわよレイ。 ペットは主人を待たせちゃいけないのよ。 ………誰よその3人は」

「いや知ってるでしょ、同じクラスなんだから」

「知らないわよ。 私レイ以外には興味ないわ」

えっ、嬉しい。いや今はそんなことより大事なことがある。

「この3人はぼっちのご主人様のために友達になってくれるんだよ。 俺がいつも一緒にいられるとは限らないし、実際体育は男子と女子で別の場所で分けてやるらしいじゃん」

「ぼっちですって?!」

「今回に関しては反論は許しません」

「うぅ……分かったわよ。仲良くすれば良いんでしょ? えぇと……3人とも! 仲良くしてやっても良いけどうちのレイに何か変なことするんじゃないわよ!」

とりあえずはこれで安心だな。特にミライは同じ女の子だから仲良くやってほしい。

「メイダ様! 俺はアルベルトだ!」

「学校では身分なんて関係ないから様付けなんてしなくて良いわよ」

「じゃあメイダさんだね。 僕はネス。よろしくね」

「私ミライ………よろしくメイダさん」

「ふん」

うん、これならなんとかやってけそうだな。 メイダも気を悪くしてるわけじゃないし。

こうして俺とメイダには初めての友達ができた。










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