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第18話 ドキドキ初登校

初登校でソワソワしていた俺は、いつもよりも早い時間に起きた。 案の定メイダはまだ寝ており、時計を見たらまだ朝の5時で、出発までは2時間以上ある。

「どういう感じの自己紹介しようかな。 明るい系かな? それともクール系? 可愛い系も今の俺ならいける気がする」

そんなことを考えていたら、ある懸念点が浮かび上がった。

俺って学校でもメイダからペット扱いされるんだろうか? 学校でも首輪付けたりするのはどうなんだろう、変じゃないかな? うーん………。

まあ今気にしてもしょうがないか。


それから1時間ほど経ち、メイダが起きたところでガロが制服を持って部屋に入って来た。

「これがレイの制服だ。 サイズは合ってるだろうから着てみてくれ」

これが異世界の制服か……期待してたけどあんまり前世の制服と変わんないな。 ちょっと色合いが派手になってるぐらいだ。 ポロシャツは涼しそうで良いけど。

早く着替えちゃお。そのままメイダとガロの前で着替え始めた。 他人の前で服を脱ぐことに抵抗がなくなっていってる自分が怖い。

「あっ、この制服しっぽの部分が空いてない。 穴開けていいか?」

「駄目よ。 レイは手先が不器用なんだから私が開けてあげる」

俺不器用だと思われてんのか。 まあ不器用ですけどね。

「じゃあお願い」

メイダは俺のしっぽの位置を確かめ、ハサミで器用にズボンに違和感のない穴を開けた。

「これでよし。 着てみなさい」

ズボンの穴は俺のしっぽを丁度よく通す。

「うんうん、なかなか似合ってるわよ」

制服のおかげで見た目の知能指数が上がった感じがする。インテリ系も視野に入れとこうかな。


その後メイダもブレザーの様な制服に着替え、朝食を食べ始めた。

「レイは集会の前にクラスで自己紹介してもらうから、舐められない様にバッチリと決めなさい」

「もぐもぐ……任せな」

食事も終わり、いよいよ登校する時間になった。

屋敷を出ようとしたが、その前にメイダに止められた。

「レイ! これ付けるの忘れてるわよ。 これがないと私のものだとわからないじゃない」

首輪だ。 それはあえて付けてなかったんだよ! バレたならしょうがないので大人しく付けた。

「準備完了ね。学校に向けて出発よ!」

2人で外に出たら、ガロが馬車の前で待っていた。

「レイ、登校はこの馬車でしてもらう。 お嬢様もお乗りください」

「嫌よ」

「「?」」

なんで? 思わずガロも俺も首を傾げた。

「今日はレイに乗って行くわ。 前できなかったからやりたかったのよね」

えぇー……そのことかぁ。 街中で四つん這いは色々と駄目だろ。

「まあまあ、屋敷の中なら乗せてあげるから。 登校中は勘弁してくだせぇ」

「やるっていうならやるの! 四つん這いが嫌なら背負ってくれても良いわよ」

まあ背負うぐらいならやってもいいかな? メイダのせいでだいぶ感覚が麻痺してきている。

ガロも止めても意味のないことは分かっているらしく、俺に耳打ちしてきた。

「レイ、今のお前なら大丈夫だと思うが絶対にお嬢様を守るんだぞ。 こんな感じだがこの国の王女だ。 顔はあまり知られてないが、何かあったら大問題だ」

酷い言い草だな。それでも専属執事かよ。

「そんな事態には絶対させないから心配しなさんな」

「頼んだぞ」

「うぃ」

「ちょっと2人とも、何コソコソしてるのよ! 学校に遅れちゃうから早く行くわよ」

メイダがそう言いながら背中に飛び乗ってきた。

あぶなっ、いきなりすぎて落としそうになったぞ。

「道は私が教えるから安心して。 それじゃ、しゅっぱーつ!」

「しゅっぱーつ」

「それではいってらっしゃいませお嬢様」

少し時間がかかったが、俺とメイダは学校に向けて出発した。


「そこを右よ」

メイダは道を曲がるたびに、俺の耳を操縦器のように倒してくる。 くすぐったい……。

朝だが街中にはもうすでに多くの人が出歩いており、俺達を見つけたら訝しげに見てきた。

(これは獣人への軽蔑への視線っていうか、俺ら2人への奇怪なものでも見るような視線だな)

20分ほど歩いたところで学校らしきものと、制服を着ている男女がチラホラ見えてきた。

「あれが私の通ってる私立アストラル学園よ。あの建物めがけて直進しなさい!」

「あいよ!」


学校には巨大な建物と大きな中庭やグラウンドがあり、中央には時計台があった。 周りの生徒達は俺を見てヒソヒソと話している。

「獣人なんて私初めて見たわ」

「獣人って力が強いんだろ? 力比べしてみてーな」

戦闘狂っぽいのが1人いたが、陰口は言われてなさそうで安心した。

警備員に挨拶し、校門をくぐり抜けたら靴箱に向かった。

「上履きに履き替えるからここで下ろしてくれて良いわよ。 レイも持ってきた上履きに履き替えなさい。まだレイの靴箱はないから脱いだ靴は持っといて」

学校の中は制服とは違ってファンタジーな装飾がされており、俺はワクワクが止まらなかった。

どこに行けばいいか分からないので、とりあえずメイダの後を着いて行く。

メイダは職員室と書かれている部屋の前に止まり、

「ラボ先生! レイを連れてきたわよー!」

ラボ先生という人はメイダの声を聞いてすぐに出てきた。

「うあー。 連れてきたのか。 あとはこっちの仕事だからメイダさんは教室に行ってな」

出てきたのは白衣を着ていて髪がボサボサなとても教師とは思えない男性だった。

「レイ、ラボ先生の言う通りにするのよ。 じゃあ私は教室に行ってるわね」

「はーい」

メイダを見送り、ラボ先生の方に向き直った。

「オレが狼くんとメイダさんのクラスの担任をすることになっているラボだ。 よろしくなー」

「よろしくお願いします」

気の抜けた人だが、こういう感じじゃないとメイダには対応できないのかもしれない。

「この学校については……まあ教えられてると思うしいいか。 何か聞きたいことあるか?」

てきとーだな。

聞きたいことか。別に今はないかな?

「今はないです」

「それじゃあ朝のHRまで時間がまだあるし学校の案内でもしておくか」

学校を案内され、食堂や研究室、闘技場やプラネタリウムがある部屋などを見て回った。 ファンタジーすげー。

「まあこんなもんかな。 そろそろクラス全員揃ってると思うから教室行くぞ」

「はい」


4-Eと書かれている教室の前までラボ先生に連れてってもらった。

「ここで一旦待ってな。 後で指示出すからその時に入ってきてくれ」

ラボ先生は教室に1人で入っていき、朝のHRを始めていた。 

中からは生徒達の元気な挨拶が聞こえる。

「「「「「おはようございます」」」」」

クラスの人数は声量的に30人ぐらいかな?

そんなことを考えていたら、

「今日はお前らに新しい仲間ができるぞー」

俺のことだ。 早速出番かな?

生徒達は新しい仲間と聞いてはしゃいでいる。

「可愛い女の子がいいなー!」

「はぁ、男子っていつもそう。私はクールでハンサムな男の子が来てくれると嬉しいな」

「女子も俺らとそんな変わんねーじゃん!」

男子達には悪いが、残念ながらオスである。 女子も期待してるのとは違うと思う。

「お前らだまれー」

生徒が黙るのに3分はかかった。

「よし、それじゃあ入って来ていいぞ」

ついに来た! あー緊張するぅ!

俺は緊張しながらも期待を胸に教室の扉を開けた。



















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