第2話 落ち着いて話し合い
「とりあえずどいてくれんか?」
「嫌よ」
「なんでだよ」
「だってお前はもう私のペットなんだから」
「違うが」
「違くないわ」
こんな意味もない話を続けていたら周りに人が集まって来ており、執事服の男が慌ててこちらに寄って来た。
「メイダお嬢様! 乗っている彼から降りてください」
助け舟きた
「私の執事のくせにうるさいわね。このまま私のペットに乗って家まで帰るわ」
なんだこの我儘お嬢様は。というかペットってなんだよ。
「お嬢様、彼は今仰向けなのでうつ伏せにさせないと動きにくいと思います」
あぁ、俺に乗って帰ることには何も言わないんだ。
「それもそうね」
メイダと呼ばれている女の子が俺から降りた。
「早く四つん這いになって私を乗せなさい」
「待てや」
「何よ私に言いたいことがあるわけ?」
ありすぎて困ってる。
「なんでこの村に来たんだ? なんで俺をペットにしようとするんだ? どうして飛びかかって来たんだ? そして誰だお前」
とりあえず全部言い切った。
「言葉遣いがなってないようだけどそれも後々ね、教えてあげる。私はオリテール国の第7王女のメイダ・オリテールよ。ご主人様と呼ぶことを許すわ」
「絶対呼ばん」
メイダは俺を無視して話を続けた。
「ここに来たのは護衛兼ペット探しに来たのよ。私は喋れるペットがほしくてね、お前が1番毛並みが綺麗で身長も丁度いいぐらいで気に入ったってわけよ。飛び乗ったのは少し興奮してただけよ。私のところに来なさい」
毛並みがいいのは毎日川に入ってるからか? 飛び乗られたが美女に褒められて素直に嬉しかった。しかしそれとこれは話が別だ。
「お前に着いて行ったら何か良いことがあるのか?ないなら行かないな」
ここでの生活は結構気に入ってるし家族もいる。それを無視できるほどのメリットがない限り行くつもりは無い。
「3食シェフの作った料理と、毎日のお風呂と大きなベッドを保証するわ。ブラシもかけてあげるけど、一応護衛ってことで連れていくから訓練はしてもらうわね」
なにっ?! 生肉じゃなくて調理されたものを食えて、川じゃなくてお風呂に入れてブラッシングまで? 訓練がどんなのかは知らんが最高の条件だ。
つまりこいつは俺の
「ご主人様!」
「話が分かる良い子ね」
こうして俺は故郷を離れ、メイダの護衛兼ペットになることになった。




