第13話 金級冒険者のフレンダ
金級? 冒険者の階級のことかな?
俺が考えているのを見てガロが察してくれたらしく、丁寧に教えてくれた。
「ギルドの冒険者には依頼達成数や討伐モンスターに応じて階級が上がるシステムがある。階級は全部で6つあるな。下から木級、石級、銅級、銀級、金級、そして最後に秘銀級がある」
つまりフレンダは上から2番目のようだ。結構すごい人らしい。
「アタイの説明はいいから早く訓練に移るよ! 獣人と戦ってみたかったんだよ!」
そう言って俺の方にズンズンとフレンダが近づいて来た。
「この子もらっていくよ」
「え?」
フレンダはいきなり俺のことを持ち上げ、脇に挟んで走り出した。うーん豪快。
屋敷から出て、大きな庭の中心辺りでフレンダは止まって俺は降ろされた。
「まずは実力が知りたいから模擬戦からだ。アタイも子犬ちゃんは泣かせないよう手加減するから遠慮なくかかってきな」
さっきから子犬子犬と馬鹿にしやがって。
「子犬って呼ぶな。俺狼なんだけど」
「アタイから見たら子犬にしか見えないけどね。もっと威厳をつけたら子犬呼びはやめてやるよ。さあかかってきな!」
舐めやがって。狼獣人の恐ろしさを見せてやる。
俺は全力を出すために靴を脱ぎ捨て、前傾姿勢になった。
何かする隙も与えないで尻餅つかせてやんよ!
俺は地面を思い切り蹴り、フレンダへの間合いを詰めた。
「へぇ、結構速いじゃない」
そして頭に飛びかかり、フレンダが頭の上を腕で防御したのを見てから身を翻しフレンダの斜め後ろに低姿勢で回り、手で体を支えながら足をフレンダのアキレス腱のあたりに思い切り打ち込んだ。
(馬鹿め! 引っかかってやがんの。お疲れ様でーs………はっ?!)
全力で足を打ちつけたつもりだったが、フレンダはびくともしなかった。
「速さは充分だが力がまだまだだね。次はアタイから行かせてもらうよ」
慌てて後方に飛び退こうとしたが間に合わず、足首をフレンダに掴まれ、そのまま投げ飛ばされてしまった。
綺麗に着地はできたものの、迫って来ているフレンダの拳を避けるには間に合わず、防御した腕にモロに喰らってまた吹っ飛んだ。
「いでぇ! もうむり!」
「ふん、対人戦闘初心者にしては上出来だが、こんなもんじゃ護衛なんて務まらないよ! これからみっちり鍛えるから覚悟しな」
悔しいけど全く歯が立たなかった。どんな堅さしてんねんあの足は。




