↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
3/28

第3話 小生意気な狐っ子


「ここは、どこだ?だと」


狐っ子は、丸い目を、さらに丸くした。


「それよりも、先に、お前は誰なんだ?」


なんだか、偉そうな態度だな。

気にはなったけど、まあ、小さい子の言う事だ。


もし機会があれば、注意もしてあげたいが、まずは状況を把握したい。


「私は、㈱豊商事の部長で、木村というものだ。」


ついつい、いつものクセで、会社名と、役職まで名乗ってしまった。


狐っ子は、私が名乗ったことに、あまり興味がなさそうだった。


「ふーん。部長さんね。変な名前だけど、ま、いっか。」

「私は、ギンコ。ここは、ホウイ村ね」


ホウイ村?

思いっきり、日本の名前だった!!


じゃあ、なんでこの子は目が青いんだ?


あ、ハーフの子なのか?


色々、疑問に思ったけど、まあ、ここは異世界だろうな。



目の前の、ギンコの存在が、それを物語っている。



倒れたことは、覚えている。

私は、生きているのだろうか?

村、ということは、天国でもなさそうだし……。



グルグルと考えていると、ギンコが私に聞いてきた。



「で、部長さんは、いつまでここにいるつもり?」



ああ、そうか。

ここは、ギンコの家なんだっけ。


行く当てはないけれど、ここは出ていくしかないだろう。


「悪かったな。勝手に来て。おじさんは、もう出ていくよ」


ドアに手をかけると、服を後ろから引っ張られた。


ん?なんだ??


「べつにさ、今すぐ出ていけって言っているわけじゃないんだぞ」

「家は、ギンコしか住んでなくて、久しぶりのお客さんが、うれしいとか、思ってないし。」


下を向いたままのギンコ。


尻尾が、左右に、ユサユサと揺れている。


こ、これは、噂にきくツンデレなのかっ!?


強がってはいるけれど、本当は寂しかったのかもしれないな。


こんな時、世間の男たちは、どう対応しているんだろう?


経験のない私は、必死に言葉を絞り出した。


「じゃあ、もう少しいてもいいか?」


ああ、もっと気の利いた言葉はでてこないのか!?


「やり直し。」


と言われてもおかしくない。


けれど。


「仕方ないな、許してやるよ」


ギンコが、服から手を離した。


尻尾の揺れが止まり、ピン!と立っている。


やった!どうやら正解だったみたいだ。


女心はわからないな。


というか、そもそも女の子なのか?


◇


ギンコに、お茶を出してもらって、すっかりくつろぎモードになっていた。


これは、ほうじ茶っぽいな。

おやつに、鬼まんじゅうまでついてきた。


「これ、ギンコが作ったんだぞ」


ギンコが、得意げに胸を反らせた。


素朴な味がして、なかなか美味しい。


「おいしいな」


「あたりまえだ。ギンコが作ったんだからな」


自信満々なギンコ。


たしかに、美味しいけど、その自信はどこから来るんだろう。


お腹が満たされて、眠気に襲われていると、ギンコが、よいしょっと立ちあがった。


「そろそろ、仕事にいかないと」


「仕事?子供が仕事するのか?」


こちらの世界は、こんな子供に仕事をさせるのか?


驚いていると、


「誰が子供だって?私は、こう見えて200年生きているぞ。」


は?2、200年!?


冗談を言っているんだろうか?


マジマジとギンコを見るけど、やっぱり子供にしか見えない。


長生きで浮かんだのは、魔法使いだ。

もっと、シワとかあるんじゃないのか?

あ、でも、毛は銀色か……。

200歳にしては、フワフワのモフモフだったよな?


すると、


ぺしん!


本日二度目の、尻尾パンチ?がお見舞いされた。


「また、イケナイことを考えていたでしょ!!」


プンスカと尻尾をブンブンさせるギンコ。


か、かわいい……、じゃなかった、


イケナイことなんて、断じて考えてないぞ!!


誤解がとけないまま、


「ほら、部長さんも来るの!」


ギンコに手を引っ張られて、外にでることになった。


え、一緒に行くのか?


せっかく、いい感じに眠たくなってきたのに……。


しぶしぶと、私は立ち上がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。