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あの『チャールズ・クロウ』が死んだ。
——特に、何も思わなかった。
石畳に倒れたその体から、赤がじわじわと広がっていく。
背中に刻まれた深い傷から溢れ出すそれは、止まる気配もなく地面を染めていった。
助からないだろうな、とぼんやり思う。
『はぁ……はぁ……』
呼吸が浅い。鼓動がやけに速い。
どうしてかは、よくわからない。
ただ——視線だけが、離れなかった。
広がっていく赤。
石の隙間をなぞるように、ゆっくりと形を変えていくそれが、なぜかひどく綺麗に見えた。
——どうして?
そう思うのに、指先はためらいもなく、それに触れようとしていた。
『——っ』
足音。
はっとして顔を上げる。
思考が途切れた。
暗い路地の奥に立つ、その人影。
チャールズを見下ろす金色の瞳は、薄闇の中でもはっきりと浮かび上がっていた。
揺れている。
大きく、何かに打ちのめされたように。
それでも、その光が色褪せることはなかった。




