表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/113

43-1

 あの『チャールズ・クロウ』が死んだ。


 ——特に、何も思わなかった。


 石畳に倒れたその体から、赤がじわじわと広がっていく。


 背中に刻まれた深い傷から溢れ出すそれは、止まる気配もなく地面を染めていった。


 助からないだろうな、とぼんやり思う。


 『はぁ……はぁ……』


 呼吸が浅い。鼓動がやけに速い。


 どうしてかは、よくわからない。


 ただ——視線だけが、離れなかった。


 広がっていく赤。


 石の隙間をなぞるように、ゆっくりと形を変えていくそれが、なぜかひどく綺麗に見えた。


 ——どうして?


 そう思うのに、指先はためらいもなく、それに触れようとしていた。


 『——っ』


 足音。


 はっとして顔を上げる。


 思考が途切れた。


 暗い路地の奥に立つ、その人影。


 チャールズを見下ろす金色の瞳は、薄闇の中でもはっきりと浮かび上がっていた。


 揺れている。


 大きく、何かに打ちのめされたように。


 それでも、その光が色褪せることはなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ