第四話 巡り合い
しばらく草原を歩いていると、前から、魔物が出てきた。ゲームに出てくるスライムにそっくりだが、本当の名前は分からない。とりあえず、スライムって名前にしとこう。
「ピー!」
こちらを見つけるなり、スライムが襲い掛かってきた。鞘から銀の剣を引き抜き、斬りつける。
するとスライムは悲鳴を上げ……消えた。ピコッという音もした。もしかして、経験値が入ったのか?まさしく、ファンタジーの世界だ。でも、あんな能力値でレベルアップしたところで、意味があるんだろうか?しかし、銀の剣は凄いなあ、凄すぎるぜハハハッ……
俺は、悲しい気持ちを振り払うため、前へ歩き続けた。ときどき、スライムが出てきたが。剣を一振りですぐ倒せる。この剣……いくらしたんだろう。王様、ありがとう。
歩き続けてまたしばらくすると、森が目の前に来た。スライムじゃ物足りなすぎる。入ってみれば、もっと強い魔物がいるかもしれない。
そう思って、森の中に足を踏み入れる。するとさっそく、なにかが見えた。。一見すると人間のようだが、一つ目だ。魔物に違いない。んん? でもなんか動きがおかしいぞ?
横に目を向けると、女の子が戦っていた。童話に出てくるようお姫様のように輝く金髪。顔もかわいらしい。本当にお姫様のようだ。だが、戦っている姿はどこか凛々しい。年は、俺より低そうだ。
だが、様子が少しおかしい。どうやら一つ目に押されているようだ。
よーし、チャンス!こういう時こそ勇者のカッコイイ姿を見せる時だ。
俺は、一つ目に向かって走りながら、銀の剣を鞘から抜くと、一つ目を斬りつけた。
一つ目は、「ギャア」と叫ぶと、消えた。どうやら、すでに女の子との戦いでダメージを負っていたみたいだ。
女の子のほうを見ると、驚きと安心の混じったような表情をしている。
「危ないところを助けてもらってありがとうございました!」
お礼を言われた。ひとからお礼を言われるなんていつぶりだろう。引きこもりだった俺には、罵声や蔑みの言葉は浴びせられても、感謝の言葉を聞くことはなかった。こんなにうれしいことなんだ、感謝されるって。
俺が、ふと感傷の世界から戻ると、女の子はいなくなっていた。惜しいけれどまあ、冒険者なら街できっと会えるだろう。というか、会えるに違いない。うん。
その後は、しばらく森の中で魔物と戦い続けた。狂暴なカラスみたいなやつやオオカミみたいな魔物が現れたが、銀の剣と盾のおかげで3ダメージぐらい受けるだけで済んだ。
気づいたころには、もう日暮れが近づいていたので俺は、街へいったん帰ることにした。




