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俺と七海

投稿の感覚は空いたけど話は短いです。

 結論から言ってしまえば、あいつの書いた漫画は残念な出来だった。

 登場人物たちや物語の設定は面白いのだが、それを生かし切れていないというか、なんか変に話が飛躍してたりするんだよな。

 ところどころ、引き込まれるような場面はあるのだが、次の瞬間に話自体が訳のわからん飛躍をしてしまい置いてけぼりを食らったりする。

 本当に勿体ない。もう少し丁寧に作ればきっといい話になるはずなのに。

 しかしながら、先ほどは勢いで行ってしまったが、知人の作った創作物に対しての批評など俺にできるのだろうか。そんな権利はあるのだろうか。

 一体何様のつもりだと、心のどこかで自分を冷ややかに見ている部分があって、非常に居心地が悪い。

「さて、どうしたもんかね」

 感想をはっきり言う、とは言ったものの、本当にそのまま伝えてしまっていいのか迷っている。

 本当、今更だ。優柔フランケンね。意外と的を射たあだ名だな。まったくもって厄介な性格してるよ俺。

 考えても出ない問題を延々悩み続けるのは無意味なことだと、わかっているのにしてしてしまうのは人間の性というやつなのだろう。

 そうでなければ、この世に悩みなどという言葉は存在しない。まあ、俺のは悩みとは違うかもしれんが。

 その時、机の上に置いてあった携帯がから着信を告げる音がなった。

 考え事に没頭していたため。唐突にもたらされた外部からの刺激に驚く。

 心臓に悪いったらありゃしない。

 高鳴る胸の鼓動(驚きすぎで)を抑え、発信者を確認する。

 やはりと言うか、なんと言うか。発信者は七海だった。まあ、そうだよね。大事な原稿だもんね。

「もしもし、七海か」

「うん」

 漫画の感想を、どう伝えるかを決めかねていた俺は、若干キョドリながら電話に出た。我ながら情けない。

 対する七海も緊張しているのか若干声が固い。なんだこのモヤモヤするやり取り。

「まあ、要件は大体わかってる。漫画、今から届けるか?」

「いいよ。自分で取りに行くから」

「そうか、わかった」

「うん」

 なんなんですかこの硬いやり取りは?なんで七海相手に緊張してんだよ俺は、向こうも向こうでなんか様子があれだし。

「まあ、なんだ、気をつけて来いよ」

 ちげえよ!何変なこと口走ってんだよ俺は!俺と七海の家なんて目と鼻の先じゃねえかよ。何処に気を付ける要素があるんだよ。

「うん、有難う」

 お前も何しおらしく礼なんて言ってんだよ!

「ああ、じゃあ外で待ってるから」

「うん、じゃあ」

 なんとも硬い二人の通話は、終始硬いままで終わった。

 なんか嫌だな。あいつとの間でこう言うのは。

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