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第10話「失恋」

 由実と出会ったのは、ライブハウスでの活動が軌道に乗り始めた頃だった。

 ライブハウスでのライブというのは、対バン方式と言って、演奏時間30分で何組かのバンドが出演し、1つのイベントとして開催されるものが基本である。

 ライブハウスに出始めのバンドにとっては、ノルマ(会場使用料)を何組かで分けられているので負担が少ないし、まだ客を呼べないバンドにとっては、他のバンドの客に見てもらえるなどメリットも多い。またバンドマン同士のつながりもでき、ベテランバンドや人気バンドと対バンできると、単純に勉強にもなったりする。

 由実とは、そんな対バンのバンドの一員として出会った。

 たしか、あの日の対バンは、野郎ばっかりで紅一点で目立っていたということもあったかもしれないが、由実の姿を初めて見たとき、祐一ははじめて東京の本気のポテンシャルを見た気がした。田舎者の間では、「東京にいけば可愛い子しかいない」と、まことしやかに言われていたが、実際に来てみたらそんなことはないというのが祐一の正直な感想であった。しかし、由実の姿は東京の本領発揮を見せつけていた。少なくとも、祐一にとっては”完璧な美”であった。

 とはいえ、いきなりの大ボス登場に、どうこうできるとは思わなかった。所詮控室で声をかわしたりするのが関の山であろうと思っていたが、イベント終演後に、たまたま話をできるタイミングがあり、話してみると意外と意気投合してしまったのだ。

 由実が「奈良のことが好きだ」と言ったのがきっかけだった。旅行をしたこともあるとも言う。祐一はこの時はじめて人生で、そして唯一、奈良出身であることに感謝した。由実は祐一が奈良出身であるというと食いついた。連絡先を聞くとすんなりと教えてくれた。

 その後、メールで月並みの挨拶を交わしつつ、お互いのバンドのライブがあると祐一が見に行ったり、その逆で由実が祐一たちのライブを見に来てくれたりする交流が続いた。あくまでただのバンド仲間ということであったが、当然祐一は意識しまくりで、由実の姿を見ただけで有頂天になった。これが”恋”というものだと確信するのに、それほど時間はかからなかった。

 そうして何度目かの、祐一が由実のバンドのライブを見に行った際のことだった。その日はたまたまあまり体調もあまりよくなく、また由実も他のバンドやバンドメンバーの相手で忙しそうだったので、祐一は”少し嫉妬気味”に、由実に声をかけずにライブ会場をあとにしようとした。すると、由実が祐一のことを追いかけてきた。


「あっ、由実ちゃん今日はお疲れさま」


 祐一はわざとらしく、つい先ほどまで拗ねていたのを隠して由実に言った。


「帰ったのかと思っちゃいました」


 由実は安心したかのように笑った。

 二人で表に出た。思えば、その時が初めての二人きりの瞬間であった。

 だいたいはいつも、近くにバンドメンバーやなんかがそばにいたし、個人的な話はあまりしたことはなかった。実は由実が”声優の仕事”をしていると知ったのはその時だった。


「えっ!?由実ちゃんて有名人だったんだ」


 やっぱり、どうりで垢抜けていると思っていた。


「ううん、全然そんなことないよ!まだそんな声優の仕事もたくさんあるわけではないし、バンドをやってみたのも、なにか演技などの勉強になればなと思って…」


 由実は全力でかぶりを振った。

 祐一は、今まで声優という職業に興味を持ったことはなかったし、アニメもほぼ見なかったので、由実がどれくらいの声優としての立ち位置なのかは想像できなかったが、それでも素直に凄いなと思った。

 ただ、祐一のように、本気でプロのミュージシャンを目指しバンド活動をしているわけではないとわかったのは少し残念ではあった。でも、もはやそんなことはどうでもよかった。こうして由実と出会えたことが大事なのである。しばし、都会の喧騒の中、大通りを行き交う車と人をよそめに見ながら由実と会話した。

 祐一はこんな千載一遇のチャンス、もう先にもないなと思った。

 だから、多少唐突であったが、由実に「彼氏とかいるの?」と聞いた。

 答えは意外にも「いないよ」だった。


「今度よかったら、飯でも行ってゆっくり話さない?」


 祐一が誘うと、「うん、いいね。行こう行こう!」と由実は喜んだ。





 それからは、まさに人生がバラ色に輝くようで、それこそ自分の周りに花びらが舞っているのではないかと思うほど祐一は浮かれた。

 由実との初めてのデートは、由実のバイト先が池袋だったということで、池袋駅の近くで落ち合って、それこそ普通に夕飯だけを食べた。


「由実ちゃんって東京生まれ?」


「ううん。違うよ。生まれは青森なんだ。でも父親の仕事の関係で家族で小学校の頃に東京に出てきて」


「へぇ。そうだったんだ。東京に慣れている感じだから東京生まれだと思ってた」


「ははは。なんか意味わからないけど。祐一くんは奈良だったよね?」


「そう、奈良って言っても東吉野っていう田舎だけどね」


「奈良は憧れるなぁ。って、一度しか行ったことないけど。大仏と鹿!」


「うん、そうだね」


「ねぇ、今度祐一が奈良を案内してよ」


「も、もちろん!」


 祐一は咄嗟に答えたが、それってつまり…、2人で旅行しようってこと?

 ということはつまり……と、祐一はゴクリと唾を飲み込んだ。由実はいたって普通の顔をしてご飯を食べていた。

 話題はそこで変わり、そのあとは、お互いのバイト先の愚痴とかに終始した。

 すると最後に、由実が「これ見て」と少し恥ずかしそうに雑誌を持ち出した。

 ゲーム雑誌だった。


「今度発売するゲームで、わたしがキャラクターの声を担当しているの」


「へぇ~凄い!」


 正直、有名なゲームでもなく、由実の担当するのもメインのキャラではなかったが、祐一からすれば、まさにそれは正真正銘のプロだった。そんな彼女が今自分の目の前にいて、そして自分と話している。まるで夢を見ているかのようであった。


「祐一のバンドって、皆演奏も上手いよね。初めて見た時とても驚いちゃった。それこそプロなんかなって」


 祐一は妄想から目を覚まし、「そんなことないよ!」と頭を掻いた。


「わたしの歌やパフォーマンスってどう?なにかアドバイスある?正直に言ってね。ほんとわたしいろいろ参考にしたいんだ」


「う~ん。そうだね…」


 祐一は真剣に考えた。


「悪くないと思うよ。なにより、声が綺麗だし」


 嘘偽りのない本心であった。


「ふふふ。ありがとう。嬉しい」


「これはあくまでおれの考えだけど、ステージに立つ時って、たしかに技術も大切で、そのためには練習するしかないんだけど、意識するってことが大事だと思うんだよね」


「意識?」


「うん。たとえば、今日はきちんと丁寧に演奏しようとか意識することが大事というか、誰かのために曲を演奏しようとか意識するとか、それだけで変わると思うんだよね」


「ほぉ~」


 由実は真剣な顔でうなずいた。

 あの頃は、祐一も自分の才能を信じて疑わなかったし、別に間違ったことは言っていなかったとは思うが、出来ればこの時の記憶から自分の発言だけは消してしまいたい。


「みんな、いろいろちゃんと考えているんだね~」


 どこか寂しそうな由実のまなざし。切れ長の目に整えられた眉毛。鼻は高くも低くもなく、でも綺麗な弧を描き、薄いくちびるにつながる。祐一はそのまま由実を抱きしめたくなる衝動にかられたが、もちろんそんなことするわけなかった。

 その後、池袋駅で由実と別れた。


「またね。バイバイ」


 と、手を振る由実。祐一も手を振った。

 こうして初回のデートは無事終えられた。

 家に帰るまでの記憶はない。

 それからの、祐一の狂おしい日々は想像を絶した。

 もはや、頭の中は由実で占領されてしまい、きっと自分の脳みそを輪切りにしたら、金太郎飴のように由実の顔が出てくるであろうと思った。恋とはここまで狂おしく、人を惑わせるものなのであろうか。急にホームシックにすらなった。夕焼けや、夜景や、ふと早朝に目覚めて部屋に差し込む朝の日差し。そのすべてが祐一の心に突き刺さり、胸をズキズキとさせた。

 この苦しみから逃れたい。早く楽になりたい。そう願った。

 そして、逃れられる方法は、一つしかないこともわかっていた。

 由実がそばにいてくれればすべて解決するのだ。

 夕焼けも、夜景も、由実と一緒なら、それは輝いて素晴らしいものにしか見えないんだ!





 祐一は、水戸市まで向かっていた。

 由実のバンドが少し遠征ライブということで、水戸のライブハウスでライブをすることになっていたからだ。我ながら、電車で一時間半以上もかけ、わざわざアマチュアバンドの対バンライブを見に行くなんて狂気じみていると思ったが、由実のためなら、それこそ海外でもどこにでも行くつもりであった。

 ライブ前に無事由実に会えて、緊張してそうだったので「ライブ頑張ってね」と声をかけた。由実はガッツポーズをして、楽屋の方へ走って行った。

 いくつかの退屈な対バンが演奏を終えると、由実たちの番だった。

 先ほどの緊張した面持ちとは違い、由実は笑顔で歌っていた。最後のキメの部分でバンドがミスって、でもご愛嬌みたいな和気あいあいな雰囲気でライブは終わった。

 その後も、他の対バンの演奏を見ていたが、徐々に終電の時間が心配になってきた。今日は水戸まで来ているのでそれほど時間に余裕がないのだ。由実たちはおそらく車で来ているので大丈夫だろうが、祐一は終電を逃せば帰れなくなる。後ろ髪を引かれる思いだったが、祐一は由実たちにろくに挨拶もせずにライブハウスをあとにし、駅に走った。

 無事電車に乗ることができ、常磐線の車内で揺られていると、由実から着信があった。


「ん?由実ちゃん?どうしたの?」


「祐一、もう帰った?」


「うん。今電車の中。なんとか終電には間に合った」


「そっか…」


「なにかあったの?」


「うん…。メンバーの車が故障して動かなくなっちゃってさ。終電もなくなっちゃって、今どうしようかと思っているところなの。祐一がまだいたらと思って…」


「えっ!そうなの!?でももう…」


「ううん。いいよ、祐一には迷惑かけられないから。なんとか水戸で始発まで時間つぶすつもり。あっ、でも困ったなー。明日朝からバイトなのに」


「タクシー使うとか?」


「そんなお金ないよー」


「そっか…」


「あっ、メンバーが呼んでる。ごめん。変なことで電話して。祐一も気をつけて帰ってね」


「うん…」


 翌日、その話をスタジオでテツヤとジャコさんに話すと、


「ええー!!それは戻るべきだったよ!」


 と、テツヤが叫んだ。


「えっ、もしかして、おれしくじった?でも電車が…」


 祐一がうなだれると、ずっと目をつぶって仙人のようにしていたジャコさんが、


「祐一さん。それはなんとしてでも戻るべきでした。次の駅で飛び降りて、タクシーを拾ってでも」


 と、まるでお告げを述べるように言った。


「ええぇ…。そうなのか」


 祐一も、なぜあの時、そのような衝動に駆られなかったのか理解できなかった。

 あれほどまでに由実のことしか考えられない悶々とした日々を送っていたのに。

 でも、由実が一人きりだとわかっていたら祐一も戻っただろう。あの日はバンドメンバーもいたし…。


「しかし…」


 ジャコさんがゆっくりと目をあけた。


「祐一さんの気持ちはわかります。恋愛とはタイミングが命なんです。でもそのタイミングって男女でズレるものなんです。はぁ…難しくて儚い。小生もチャンスなんて何度も逃したことはあります」


「そうだよねぇ」とテツヤもうなずき、まるで完全に祐一が失恋したかのムードで話が進むので、祐一はいてもたってもいられず、スタジオ後すぐに由実に電話をした。


「あっ、祐一。こんばんは~。昨日は水戸までライブ見に来てくれてありがとう」


 予想に反して、由実は普通にテンションが高くて、祐一はとりあえず安堵した。


「あのあと、どうなった?大丈夫だった?」


「うん。結局ライブハウスの人らと打ち上げがあってさ、メンバーとそのままオールした」


「そうなんだ。それはよかった。ごめん。おれが戻ればよかったんだろうけど…」


「うん…。祐一に戻ってきてほしかったな。ほんとは」


「えっ!?」


「ふふふ」


 由実が不敵に笑った。


「ごめん」


 祐一はあやまるしかなかった。

 由実との電話を終えて、ひとまず祐一は由実が今までと変わらない雰囲気で、むしろ良い雰囲気になっているように感じて安堵した。どこが失恋してるっちゅうねん、と内心つぶやき、テツヤとジャコさんにざまぁみろと言ってやらんといかんと思った。

 しかし、今回でわかったことは、もう由実が自分に好意を持っているということは確実だということであった。祐一は、自分が由実に惚れているのは完全無欠に自覚していたが、果たして由実も同じように自分に好意をもっているかまでは自信はなかった。そんな素晴らしいことがあっていいのだろうか。あの由実のすべてが自分のものになるというのだろうか。急に胸の中に熱いものが込み上げてきて心が火照るような気がした。もちろん、あそこも火照った。

 あとは自分がその一歩を踏み出すだけである。

 そうだ気持ちを伝えよう。次会えた時には告白しよう。祐一はそう決心した。





 次のデート先は、お台場だった。

 告白する場所としてはうってつけだと思った。

 実際、アクアシティからの夜景は最高だった。闇に浮かぶ光はなぜこんなにも美しいのであろうか。無造作で無機質のはずの都会の光。あの光の向こうには今も誰かがそこにいてドラマが生まれようとしているかもしれない。そして自分も今ここでドラマを起こそうとしているのだ。

 祐一はとなりの由実を見た。

 由実は嬉しそうな顔で夜景を眺めている。

 なんて美しいのだ。この美しいものを、なんとしてでも自分のものにしたい。

 他のすべてを失っても構わない。由実さえとなりにいてくれればそれでいい。

 真剣にそう思った。だから口に出すことができた。

 こんな広い世界で一人で生きていくのは到底自分には無理だと思ったからだ。


「実はおれ、由実ちゃんのことが好きなんだ。はじめてあった時からずっと」


 祐一は由実の目を見つめた。心臓が震えて、胸から飛び出しそうだった。

 こんな緊張はもうたくさんだ。こんなことは人生で一度きりでいい。本心でそう思った。

 由実がこちらを向いた。


「うん。わたしもそう思っていた」


 と、言ってくれると、祐一は信じて疑わなかった。

 しかし、由実の発した言葉は、祐一が想像していたどんな言葉でもなかった。


「どうして、今、そんなこと言うの?」


 由実の長い髪が風でなびいた。


「えっ…。どうして今って…」


 祐一は頭が真っ白になった。


「今日はそんなつもりじゃなかったのに…。祐一がいつもと様子が違うから嫌な予感はしてたけど。今日は楽しくなかったし、祐一がそんな一人よがりな人だなんて思わなかった…」


「…お、おれは由実ちゃんのことが本気で好きなんだ。だから、今日は気持ちを伝えたいと思って…」


「………」


「それに、由実ちゃんもそう思っていてくれていると思ったから…」


「そうよ。わたしも祐一のことは気になっていた」


「じゃあ…」


「でもなんか違う…」


「こ、こないだの水戸のことを怒っているの?」


「ううん。別にそんなのじゃないの」


 じゃあ一体なんなのかと、祐一は叫びたくなったが、なにも言えなかった。

 そのまま気まずい空気になって、ろくに会話もなく、駅まで歩いた。

 別れ際、由実はいつものように手を振った。

 その様子が自然で、祐一はもしかしたら告白は成功していたのではないかと願った。


「ま、また連絡するよ…」


 祐一も手を振り、力なく言った。


「うん。連絡して」


 由実は小さく言った。

 それから何度か、祐一はその言葉のとおり、由実に何度か電話をした。

 はじめは今まで変わらないように会話が出来て、まだチャンスはあるのかもと祐一も必死になっていたが、ある晩、急に由実が冷たく言った。


「どうして電話してくるの」


「どうしてって…、今度遊びにいこうって話もしていたから、その予定も決めようと思って…」


「わたし、祐一とはそんなつもりないって言ったはずでしょ。どうしてそんなに自分勝手なの。わたしそういう人嫌い」


 と、言い放ったのだ。祐一はあまりにも由実の豹変ぶりに動揺はしながらも、自分も限界がきていたのだろう、


「由実こそ、思わせぶりな曖昧な態度とるからだろ!」


 と、キレてしまった。


「おれは本気で由実のこと考えていたのに…。そんな言い方ないよ。もう今後二度と連絡なんてしないよ!」


「どうしてそんなこと言うの。せっかく良い知り合いになれると思ったのに」


「もういいよ!さようなら!」


 祐一は、一方的に電話を切った。

 あまりにもの怒りと、自分に対する情けなさで、その夜は一人で泣いた。

 一睡もできなかった。夜明けの空の色を窓越しに見たのを覚えている。

 それっきり、由実とは会うことはなかった。

 初めての大失恋。数日間は、ほんとに死んでしまうのではないかというほどに落ち込んだ。まだ、ただ単に脈がなくて、「祐一は恋愛対象に見れないの」ときれいに振ってくれた方がよっぽどよかった。

 テツヤは、「まぁ仕方ないよ。祐一くんと由実ちゃんは縁がなかったかというだけでさ。女心は秋の空って言うし。可愛い女の子は世の中にまだまだ溢れているよ。また次にいけばいいさ」と励ましてくれたが、祐一には、由実以上の女が今後現れるとは思えなかった。

 ジャコさんは、まるで自分のことのように落ち込み目元に涙を浮かべ、「祐一さん辛いでしょうけど耐えてください。祐一さんはなにも悪くないです。由実さんもあんまりです。祐一さんの気持ちを弄んで。そういう、ちょっと情緒不安定な人と付き合うと、そういうのが祐一さんにも移るのでよくないです。きっと祐一さんにはもっとふさわしい人が現れます」と、鼻をすすった。

 その時つくった曲が、「スーパーピュア」だった。


 “儚い恋は、夜空に浮かぶ星のように綺麗だったけど、夜空を見ても宇宙の真理をわからないように、自分には女の心なんてわかるはずがない。二度と失恋の傷を受けた心は元には戻らない。自分は純真さを失った。スーパーピュアを。”


 という曲である。

 祐一の落ち込みとは裏腹に、バンドはそのあと人気が出だして、女に不自由はしなくなった。でも、心の底から惚れるような。満たされる感情は生まれなかった。

 自分に残ったのは、音楽に対する情熱だけだった。

 しかし、そんな音楽ですら、その先に待っていたのも挫折でしかなかったのだから、もはや見るに堪えなかったわけなのである。

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