B─2─1─2
「そうだな…やっぱり焼酎の方がこう…気持ちよく飲める感じがするかな。」
そう十刃が答えると、天星がそうやんなぁ!と上機嫌に笑った。
【玖朧天星:『好感度1UP』】
「残念だな。十刃はまだあの乾いた喉にビールを流し込んだ際の快感を知らないのか。まだまだ子供だなぁ。」
悔しがるかと思ったら、まさかの煽ってくる八龍。これが大人の余裕というやつなのか──そんなことを思う十刃であった。
「あらあら八龍はん、負け惜しみはよくないでぇ。」
天星は勝ち誇った顔で告げると、八龍はイラッとした顔になる。
「ほぉ〜…でも今の投票は飲む前の投票だ。実際に飲んだらその投票、変わるかもしれないぞ?てなわけで十刃、一杯飲め。」
八龍はジョッキにニールを注ぐと、それを十刃に渡す。
「あんたさんがそうくるなら、こっちも飲んでくれな不公平やないか。」
天星もお猪口に焼酎を注ぐと、こちらも十刃に渡す。
「「さぁ!飲んだ飲んだ!」」
「えっ!?ちょっ…!うわぁぁぁぁあぁぁ!!」
十刃は酒飲み二人によって、ビールと焼酎を何杯も飲まされた。
「うげぇ……気持ち悪い……」
四つん這いになって項垂れる十刃。視界はグニャグニャで頭はガンガン、正直意識が飛んでいないことにビックリである。
「十刃、これ飲んどけ。」
八龍がふらふらの十刃の顔の前で掌を広げると、そこには一錠のカプセルがあった。
「これは『アルコールヴァ二ッシュ』って薬だ。それを飲んだら体内のアルコールを瞬時に分解してくれるんだ。まぁ結構キツい薬だから、一回飲んだら一週間は飲むことを禁止されているがな。」
八龍は薬の説明をしながら、十刃の口にカプセルを入れてから水の流し込み、アルコールヴァニッシュを飲ませた。すると十刃の体を蝕んでいた大量のアルコールが分解され、先程までの苦しみが嘘のようになくなった。
「すげぇ…」
すっかり回復した十刃が立ち上がって驚く。
「やっぱアルヴァシュの効力は絶大やなぁ。」
アルコールヴァニッシュの略称を呟く天星が、その効力の凄さに改めて感心する。
「それで十刃、ビールか焼酎──改めてどっちが良いと思った?」
八龍が改めて二択を訊くと、
「今の気持ちまま答えると、両方嫌だ。」
十刃が三つ目の選択肢を作り出して、真顔で答えた。
ビールor焼酎論争に休戦が訪れた時、十刃達三人の腕時計型スキャン装置に新着メールが同時に受信された。
「ん?誰やろ?………あれまぁ字史隊長からや。」
天星が送信者の名前を見て驚く。
「どうやらナンバーズ全員に送っているようだな。内容は…『ホープビルの会議室に集まれ。』か。」
八龍がメール内容を確認する。
「とにかく行ってみるか。」
十刃の言葉に八龍と天星が頷くと、三人は指示されたホープビルの会議室に向かった。
〔Cへ〕




