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幻想怪物討伐組織  作者: 眼鏡 純
2話:『蠢く影』
88/176

B─2─1─1

 「そうだな…やっぱりぐーっと飲みたい時はビールかな。」

そう十刃が答えると、八龍がそうだよな!と上機嫌に笑った。


【道山八龍:『好感度1UP』】


「あらまぁ残念。十刃はんはまだあの乾いた喉を焼酎で潤わす時の快感を知らんのかぁ。まだまだ子供やねぇ。」

悔しがるかと思ったら、まさかの煽ってくる天星。これが大人の余裕というやつなのか──そんなことを思う十刃であった。

「おいおい天星嬢、負け惜しみはよくないぜぇ。」

八龍の勝ち誇った顔で告げると、天星はイラッとした顔になる。

「ほぉ〜…でも今の投票は飲む前の投票や。実際に飲んだらその投票、変わるかもしれへんでぇ?てなわけで十刃はん、一杯飲みや。」

天星はお猪口に焼酎を注ぐと、それを十刃に渡す。

「お前さんがそうくるなら、こっちも飲んでくれなきゃ不公平じゃないか。」

八龍もジョッキにビールを注ぐと、こちらも十刃に渡す。

「「さぁ!飲んだ飲んだ!」」

「えっ!?ちょっ…!うわぁぁぁぁあぁぁ!!」

十刃は酒飲み二人によって、ビールと焼酎を何杯も飲まされた。


 「うげぇ……気持ち悪い……」

四つん這いになって項垂れる十刃。視界はグニャグニャで頭はガンガン、正直意識が飛んでいないことにビックリである。

「十刃、これ飲んどけ。」

八龍がふらふらの十刃の顔の前で掌を広げると、そこには一錠のカプセルがあった。

「これは『アルコールヴァ二ッシュ』って薬だ。それを飲んだら体内のアルコールを瞬時に分解してくれるんだ。まぁ結構キツい薬だから、一回飲んだら一週間は飲むことを禁止されているがな。」

八龍は薬の説明をしながら、十刃の口にカプセルを入れてから水の流し込み、アルコールヴァニッシュを飲ませた。すると十刃の体を蝕んでいた大量のアルコールが分解され、先程までの苦しみが嘘のようになくなった。

「すげぇ…」

すっかり回復した十刃が立ち上がって驚く。

「やっぱアルヴァシュの効力は絶大やなぁ。」

アルコールヴァニッシュの略称を呟く天星が、その効力の凄さに改めて感心する。

「それで十刃はん、ビールか焼酎──改めてどっちが良いと思った?」

天星が改めて二択を訊くと、

「今の気持ちまま答えると、両方嫌だ。」

十刃が三つ目の選択肢を作り出して、真顔で答えた。


 ビールor焼酎論争に休戦が訪れた時、十刃達三人の腕時計型スキャン装置に新着メールが同時に受信された。

「ん?誰やろ?………あれまぁ字史隊長からや。」

天星が送信者の名前を見て驚く。

「どうやらナンバーズ全員に送っているようだな。内容は…『ホープビルの会議室に集まれ。』か。」

八龍がメール内容を確認する。

「とにかく行ってみるか。」

十刃の言葉に八龍と天星が頷くと、三人は指示されたホープビルの会議室に向かった。



〔Cへ〕

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