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世界を救い、そして滅ぼした魔女ニティア  作者: 月白
第2章〜 ギルドと白い影
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28 城下のサブマスター


「これがギルド加入に必要な推薦状になります。また、図書館の利用許可証についてなんですが……普段そうそう発行するものでもないので、しばらく時間がかかるそうですね……」


 城門の前にいる兵士から書類を受け取る2人。


「いや、大丈夫!ありがとな!」

「ちょっ!フィニス!!すみません。お手数おかけします」


 ニティアは門兵へ深くお辞儀をし、2人は城を後にした。


「あんた……もう少し礼儀正しくしなさいよ……」

「いいよめんどい……そんなことより、まずはギルドに行ってみようぜ!」

「もう……」


 呆れながらため息をついたニティアは、足早に歩くフィニスを追いかけていった。



チリンチリーン


 ドアを開けると同時に鳴り響くベルの音。

 中は薄暗く、壁には何枚もの貼り紙が貼られている。いくつものテーブルが置かれており、中には飲食をしている人もいた。

 そしてその中に、大きな盾をテーブルに立てかけた見覚えのある男。その男が、入ってきた2人に気付いて声をかける。


「お!フィニスとニティア!」


 そう声をかけながらルシオが手を上げる。


「ルシオじゃん!」


 手を上げ返すフィニス。ニティアも小さくお辞儀をし、ルシオの元へと歩いていく。


「うちに入る気になったか?」


 そう笑うルシオに対して、フィニスが一枚の紙をルシオに差し出した。


「これで入れるのか?」

「ん……推薦状か?だれの……」


 差し出された推薦状に目を通すルシオ。推薦状を持つ手がピクピクと震え出した。


「は?!王の推薦状?!」


 その発言により、ギルド内の注目が集まる。


「図書館の話を聞いた時から……なんか変だとは思ってたけど、何者なんだ…?」


 その言葉に、フィニスはニティアと目を合わせて小さく頷いた。



「……そうか」


 話を聞いていたルシオは目を真っ赤にしていた。


「ジャヌスさんが……」


 グラスに入っていた水を一気に流し込むルシオ。立てかけてある盾を手に取り、近くにいた男たちに声をかけた。


「あれを持ってきてくれ」


 その発言に驚く男たち。


「え!?ルシオさん??」

「いいからはやく!」

「は、はい!」


 キョトンとする2人にルシオは口を開く。


「ちょっと奥に来てくれるか?」


 そう言い、大きな盾を軽々と持ち上げたルシオは、建物の奥へと歩いていった。


「なんだなんだ?」

「……」


 あっけに取られるフィニスと、ジャヌスの話で涙目になっているニティア。

 とりあえず言われた通り、ルシオに続き、奥まで歩いていった。


 奥にある扉の先へ行くと……そこには訓練場と思しき広い空間。その部屋の真ん中には、大きな盾を持ったルシオがこちらを見ていた。


「王国の依頼でもない。魔法関係の依頼でもない。そんな依頼はほとんどうちに回ってくる。薬草の採取から、ドラゴン討伐まで」


 男2人がかりで持ってきた大きな槍をルシオへ渡す。


「魔女の出現がここ最近無いとはいえ、大変な依頼は山ほどある。そんな依頼を一緒にできるパーティを俺は探していたんだ」


 受け取った槍を軽々と振り回し、フィニスたちへ向ける。


「お前たちの話を聞かせてもらった。そんなに辛いことがあったばかりなのに……お前らの精神は本当に強い」

「これは……そういうことか?」


 そう言いながら剣を抜くフィニスに、ふっと笑うルシオ。


「その強い精神を持った英雄ジャヌスさんの弟子。その実力が見たいんだ」

「え?どう言うこと??」


 慌てふためくニティア。


「力試しをしようってことだろ!」


 にやっと笑うフィニス。


「推薦状あるんだから!そんなの必要ないじゃ無い!」

「ニティアは魔法使いだろ?」

「え、そうだけど……」

「ここの設備を壊さない程度ならどんな魔法を使っても構わない。誰かが降参するか、戦闘不能になるまで……」


 周りに集まってきたギルドのメンバーたちがわいわいと騒ぎ出す。


「あぁなったルシオさんはもう止まらないからな」

「うぉー!あのマジ装備のルシオさん久しぶりだ!」


 わけもわからないまま、慌てて杖を構えるニティア。


「2対1で構わないぜ!城下のギルド。サブマスターのルシオ。いざ参る!」

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