お茶会までの道のり
「まずは、来年の娘の鑑定式より2ヶ月後のお茶会の話よね。
とりあえず一度、貴方達の母親をここに呼んで、お茶会してみようかと思って。
保護者が同伴者になるのであれば、それが一番いいと思うのよ。
今後のためにも矯正可能なものかどうか、見てみて判断してみないことには、なんとも言えないわ。
やっぱり、どうしても無理なら、私が出席するか、もしくは、アイシア公爵家もその茶会に出席するわ。
義姉にフォローをお願いしてもいいかも。
あと、魔法の講師よね。
私も少し運動した方が体に良いのよ。
だからね、お茶会まで、週に一度、ここにいらっしゃい。
今日はお茶会の練習をする日。
来週は魔法の訓練をする日。私が直接教えてあげる。
再来週はまたお茶会の練習の日。その日に貴方達の母親を一緒に呼びましょう。
ね、週に一度、交互にやってみないかしら?」
「そんなに頻繁に。ご迷惑ではないですか?」
「ううん、全然。辺境の地と違って、王都は暇なのよ。
やる事があって、楽しいわ!
では、早速」
ここで専属侍女から待ったがかかる。
「奥様、お身体が冷えてしまう前にお屋敷にお入りになりませんか?」
「それもそうね、ありがとう。では中に入りましょう。小さな紳士、エスコートをお願いしても?」
「非常に光栄ではありますが、僕では身長が違いすぎて、大事なお身体の夫人に負担をかけてしまいます。
ですので、僕は妹のユーディリアをエスコートして行きたいのですが、そんなワガママをお聞き届け下さいますか?」
「まぁまぁ、小さな紳士にフラれてしまったわ。
では、テン爺、お願いできるかしら?」
「わしは2番手ですか。ワハハハ。では、辺境伯に叱られないよう、しっかりとエスコートさせてくだされ」
楽しそうに夫人と先生は連れだって歩いていく。
「では、レディ、お手をどうぞ」
「光栄ですわ」
お兄様と私のそんな様子を、夫人は後ろを振り返って見て、ウフフと笑っていた。
お屋敷の中に入り、一息ついたあと、夫人は今回のお茶会の招待客について教えてくれた。
「今回のお茶会は、エミリオ君も言っていた様に、第三王子の婚約者や側近の候補の選定のためね。
鑑定式を終えた5歳から6歳ぐらいの子が集まるわ。
4大公爵家からは、私の実家の氷のアイシア家から次女のイーリアン。
雷のライド家から長女のフロスティ。この子が今回の婚約者候補筆頭でしょうね。なんせ、第三王子ですもの、高位貴族の婿入り先があったら飛び付くでしょう。
残り2つの炎のフレシア家と大地のクエイト家は、第一、第二王子世代にしか子供がいないから、その2家から今回来ないわね」
夫人はお茶を一口飲んでから続けた。
「あとはエアトル家と同じ侯爵家。
植物のマンドル家の次男が一つ年上。土のバストン家の三男が同い年ね。
あとは、今回来ないけれど、これに1つ年下の闇のブライン家の次女と、うちの娘ぐらいが第三王子と同世代の子達ね。
お茶会の話題選びとして、このお家が来ると分かれば、各家の特産品ぐらい覚えておくのがいいと思うわ。再来週までの宿題ね。
では、貴方達のお母様にお茶会の招待状を出すから、よろしくね?」
……どうしましょう。
淑女の見本である夫人を見てしまった今、不安しかありません。




