幕間 王都に残った者達 6
フロスティ視点
そして、お茶会当日。
時間よりちょっと早めに。
本当は、高位の者があまり早く行くと、来ていなかった爵位が下の者は総スカンを食うから、割りとギリギリに行くことが多いのだけど。
今日は見知っている人達。
和やかに見せながらも、緊張感を持った挨拶を交わしましたわ。
そこに現れた、可愛いという言葉がとんでもなく似合う見知らぬご令嬢。
ビクビクオドオドと回りを見渡しながら王城の使用人に連れられ会場に入って来ます。
誰も知らない人達だと思ったのでしょう、泣きそうになってますわ。
でも、あの色合い。
グレーの髪と瞳。
前にチラッと聞いたことのあるエアトル家の庶子?
双子が美しい天使と形容されるなら、
彼女は可愛い妖精かしら?
小さくて、ふわふわした、そして、今にも泣きそうで、守ってあげたくなる感じ。
ユーディリア様は義妹とは良い関係だと言っていた気がするけれど、なぜ、彼女がココに?
席に案内され、座らされた、というのが正しいかしら。
でもね。
いや、確かに丸テーブルよ。
私の左隣にイーリー。
そして、私の右隣を一つ空けて、その隣に座るように誘導されたわ。
つまり、殿下の隣よね?
私とイーリーで殿下を挟む訳じゃないのね?
これは殿下が来る前にお話を伺わなければ!!
使用人が居なくなってから、話かけます。
「ご令嬢、初めてお目にかかるわね?
私ライド家の長女フロスティと申しますの。貴女は?」
彼女はガタン!と立ち上がり
「ええええエアトル家次女ナターリエと申します!」
必死にカーテシーを行いましたわ。
「大丈夫よ、座って頂戴。お茶会は初めて?」
そう聞くと、真っ赤な顔して、ブンブンと縦に振ります。
そう思ったら
「あ、5歳の時、1度だけ、こんなキラキラした場所に連れてこられた事があります。
庶子だって、めっちゃ怒られました」
「どなたに?」
「わかりません。ちょっと上の、ものすごぉーく、キラキラした男の子でした」
「エアトル家の双子ではないのね?」
「ああああああり得ません!!
お義兄様達は、私の事を大事に、両親よりも考えてくださっています!!!
お二人には感謝しかありません!!!」
「なぜ、今日はココに?」
「わ、わ、わかりましぇん…」
そう言って、大きな瞳からポロっと涙を一粒流すんですもの!!!
なんなの?!この可愛い生き物は?!!!
「ブフォッ」
イーリー、気持ちはものすごく、ものすごぉーくわかるけど、堪えなさい!!
「泣かないで?ほら、ハンカチは持っていて?こすってはダメよ?涙を吸わせるように、あてるだけよ?」
ブンブンと首を縦に振りながら、泣かないように口をへの字に頑張る美少女。
うん、少なく見積もって、抱き締めたいわ。
その時、殿下の登場が知らされます。
皆で立ち上がり、出迎えます。
「うむ。今日はよく集まってくれた。
やはり直前に出席出来ないという不敬な者もいたが「「「「ッ?!」」」」
代わりの者が来てくれたようだ。今日は楽しんで行ってくれ」
なんて事?!エミリオ様のお手紙読んでないの?!
ってか、楽にする許可を出しなさいよ。
「ああ、そうだ、皆に紹介しよう。
ナターリエ・エアトル。こちらに来るように」
「へぁ?は、はいぃ?!」
「ああ、皆の者、頭を上げよ。
ふむ。見た目は合格だ。このまま努力するように」
って、殿下、顔が赤いわよ。
え?もしや、一目惚れとか言わないわよね?!
「このナターリエが庶子扱いでは無くなったようでな」
って、腰を抱くんじゃないわよ!!!
あの子、白目剥いて倒れそうよ?!
「エアトルの無礼な双子よりはこの者を是非に、と強く要望されたため
ナターリエが私の婚約者候補の仲間入りとなった。
オージーヌは同い年であろう?
護衛の任にも長けている。よくよく面倒を見てやるように!
では、茶会を始めようか!
って、おい、ナターリエ、大丈夫か?!!
うむ、感激のあまり、気を失ったようだ。おい、誰か!医務室まで運ぶぞ!」
って、殿下。オマエも付いて行くんかぁい!!!!
はぁぁぁ?!!!!!!
ふざけんじゃないわよぉおお?!!!!
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