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風のグラスゴー 風雲編  作者: 玲於奈
第一部 北の大地
55/77

交換条件

なし

「交換条件がある。」


いきなり切り出された。

落ち着いた声で

深谷は続きを話し出す。


「こちらも情報網を

 つかっているんでね。」

「情報網を維持するのも

 大変なんだよ、純君」


仏頂面で言う。


「情報の奴らに飲み食いさせたり」

「いろいろな雑事をかたづけたり」


おいおいあんたくらいの

金持ちならそんなこと

おやすいご用だろう。

何を言い出すのか

そう思ったが

普段とうってかわった

深谷の様子に

黙って話を聞いた。


続けて深谷がきっぱりと言う。   


「それがのめなければ

 この話はない」


おいおい

刑事ドラマか

相棒か


「なんだよ条件って」


にやりと笑って深谷


一言。


「7月のどさんこマラソンに

 一緒に出る」


絶句。

深谷のにやりとした顔。


おれがマラソン。


想像ができない。


走れるのか。


何も言えない。


いつの間にか

小雨があがって

薄暗かった空が

明るい薄青に

変わっていく。


そうか夏が来るんだな。


返答もせずにそんな

事を考えた。






なし

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