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今世つんだケモ娘  作者: 結輝


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3/12

3.3食昼寝付き。

なんで!?


なんど逃げても捕まっちゃう…


バルコニーから外に逃げても…


外に出て門番の前をダッシュで通り抜けようとしても…捕まっちゃう


この短い足のせいかな…ぐぬぬ…


塀の下に穴を掘って抜け穴を作ろうとしても次の日には、ガチガチに埋められてるし…


昨日から、リボンにベルまで着けられて


「ミュウ!可愛いよ!」


とか…


可愛いとか、どーでもいいのよ!


坊っちゃんをテシテシしても喜ぶだけ…


ああ…、何か逃げ回るのも疲れたな…


はあ………。


ここ…居心地もいいし…


少しの間、飼われてもいいかな…


執務室でリオに撫でられながら、逃亡計画は、一時中止する事にした。



………

……

…



3ヶ月が過ぎた。

わたしは、相変わらず3食昼寝付きの生活をしている。


そして、逃げない適度な散歩をして…疲れたら執務室に連行されて、坊っちゃんの膝の上。


まるで、この邸のペットだ。


机の上の書類を見て

どうやら、ここはワーナレータ王国のリリライト公爵領らしい事が分かった。

この坊っちゃんは、リオと言うらしい。


リオは、わたしが書類を見ても気にしない。見ても分からないと思っているのだろう。


こんな姿でも5歳までは、文字を教えてもらっていた。絵本やカードなどで何度も何度も読み聞かされる。


5歳を過ぎてから住んでいたのが倉庫だったから、ボロボロになった本を使用人達が捨てに来たおかげで、まあ…手がこんなだから苦労するけど読書もできた。


やる事もないから暇つぶしに読書してたんだけどね。

そのおかげで、ある程度知識を身につけられた。


ちなみに、なぜ15歳まで逃げなかったのか…それは…


首輪と重たくて長い鎖で倉庫の柱につながれていたから…


逃げなかったんじゃなくて…逃げられなかったの…


たまに、兄達がわたしをイジメに来て…


あの日、木箱に詰められる時にはじめて首輪と鎖から解放されたのよ


首はスッキリしたけど…それどころじゃなかった。


まあ、兄達がイジメに来てくれたおかげで家を出られたから


ある意味感謝してるけど、大嫌いよ。


二度とあんな所には、帰らない。


帰りたくない…


あ…

そうか…耐えられなかったのね。


臆病で気が弱かったわたしは…

誰でもいいから助けてほしかったんだ…


ひとりじゃ…無理だったから


だから、前世の自分を思い出した…


そうか、つらかったね…


大丈夫だよ…


これからは、わたしがついてるからね


幸せになろうね


目を閉じると体の奥で泣いている


もう一人の自分がいる気がした。


もう、大丈夫だからね


自分の身体を抱き込むと、安心した様に私の中に溶けていった気がした。


チリンチリン

首についたベルの音が鳴って目を開く


このリボンだって…本当は着けるの嫌だった


けど…


………。


前世のわたしの影響ね…


わたしの為に作られた

フリフリのレースのついた大きな幅広のリボン


結ぶと背中で大きなリボンになって可愛かった。

装飾の綺麗な丸い紫色の宝石に付けられたベルは、動くたびにチリンチリンと涼しい音色を奏でるけれど嫌な音ではなかった。


前の首輪とは、全然違う…重たくない、苦しくない


リオの嬉しそうな顔を見ると、着けたくないと暴れる理由もなくて


そのまま、大人しく着けておく事にした。





リオも屋敷の人達も皆とても優しくしてくれた


怖くなかった


ひどい事もされなかった


信じてもいいの?


この人達なら、信じられる?…


感謝してるの…


私の命の恩人


助けてくれてありがとうって言いたい


どうしたら…感謝の気持ちを伝えられるの…?

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