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6歳編 その5

 

 その日の夜。早速、圭介さんの言う通り、僕は皆のステータスを確認することにした。


「皆、お疲れ様。疲れているところ悪いけど、ステータスを確認させてね」


 とそう聞けば、ハッサクとククルが相談した後、ハッサクが代表でオッケーサインをくれた。

 なら、お言葉に甘えてと。


「じゃあ、まずはハッサクからいくね」


 ・ハッサク

 スキル

 調合ーーー レベル50

 お菓子作り レベル25

 柑橘投げー レベル50

 ・ユニークスキル

 柑橘類生産 レベル25

 ・信頼度

 信頼度2段階の、信頼度20


 うん、かなり上がってきているな。相当頑張って鍛錬したんだろうな。

 えらい、えらいと呟きながらハッサクとスキンシップを取りつつ、努力をしていることを褒めれば、嬉しそうに目を細めた。


(……可愛いやつめ!)


 ちなみに、柑橘類生産とは僕の前世の故郷にある柑橘類を召喚できるスキルのことだよ。


「次はサクアを見てみるかな〜」


 ・サクア

 ・スキル

 お菓子作り レベル55

 投げるーー レベル35

 共食いーー レベル65

 ・ユニークスキル

 桜の羽衣ー レベル10

 ・信頼度

 信頼度2段階目の、信頼度20


 うん、サクアのスキルレベルが上がる頻度は相変わらず速いようだね。

 桜の羽衣は、僕も使っているところを見たことがないんだよね〜。紹介によれば、『マスターの危機が起きた時に、桜で出来た羽衣で発動する捕縛スキル』と書いてあったけれど、いまいちどんなスキルなのか想像ができない。

 何気に、使用していないはずの桜の羽衣のスキルレベルが上がっているのも、どのような要因でスキルレベルが上がるのか、正直よくわかっていない。


 まあ、サクアもサクアなりに考えて頑張っているんだろうし、褒めておかないとね。と考えた僕は、優しくサクアの頭を撫でれば、


「んぱぁ?(どうちたの? もちたべる?)」


 そう言われてしまった。

 なぜにこのタイミングで餅を食べるかと聞くかはサクアにしかわからないけど、まあとりあえず、


「今はやめておくよ、歯磨きしちゃったし。サクア、ありがとう」


「んぱ? (そお?)」


 すぐに引いてくれるところを見ると、きっと特に意味がないんだろうなぁ。意味があったとしても、挨拶がわりってところかな? ……そこがまた、サクアらしいけどね。

 さてと最後はククル、シアン、ハルク、リリアのステータスか……。

 ステータスを見ても、スキルレベルの変動はないけど、この子達のドヤ顔加減を見ると、強くなったんだろうな。


「ククル、ハルク、リリア、シアンも良く頑張っているね。圭介さん達から頑張りをよく聞いているよ、強くなってるってね」


 鍛練の様子は僕も鍛練している身なので、残念ながら見ることは叶わないから、この子達の強さの変化はステータスの数値からしかわからない。

 しかし、ククルとハルク、リリアとシアンの場合、その数値すら見ることができないから、この子達の様子を見て判断することしかできない。

 だからこそ1匹、1匹ずつ丁寧に撫でて褒めてあげなくてはならない。


 僕のその行動に照れているのか、ふるふると体を震わせた。可愛らしいなぁ……とそう考えながら、そんな4匹の様子を微笑ましく眺めた後、僕は皆と寄り添うように横になる。

 眠りに誘われるかのように、眠りにつくのだった。



 ※※※※



 6歳になってから2日目。

 せっかくだから、ソロで依頼を受けてみたいなぁ〜と掲示板を眺めてみる。それができない僕はただ眺めるしかできないのだけど。

 そんな僕を見つけた冒険者さん達は、次々と討伐系の依頼を終わらせるたびに僕に声をかけてくる。まあ、その次の言葉の大体は防具やら服やら(もちろん、裁縫で直せるようなもの)を直してくれと頼まれ事なんだけどね。


(もちろん、洗濯されたものしか直さないけど)


 この手の依頼の後は大変なんだよね。なんせ、この依頼を受けた後は服は傷だらけに帰ってくる人が多い。

 服に傷しか付かず、怪我をしたところを見たことがない。毎回のごとく、魔物の返り血(これは確実)だけを付着させてくるのだ。それにプラス汗まで付着している訳だから、洗濯してないものを修復したところで長持ちはしない。

 洗濯までしている暇なんてないから、それは自分達で済ませるよう頼んである。


 どうやら、今回は依頼を受ける期間が被ってしまったようだ。

 ここのギルドに所属している冒険者達は基本的には緊急依頼(依頼板にある依頼よりも、危険で早急に解決しなければならない依頼のことね)を受けることを最重視されている。

 しかし、いつでも緊急依頼であふれているわけではないし、一般的な依頼も受けなきゃ生きていけないわけで。


 と言うわけで、今の時期は緊急依頼が舞い込んで来ない時期であり、暇を持て余した冒険者さん達の考えることは同じ。

 暇潰しで討伐系の依頼を受けよう、みたいな?

 そうなると、一般的な依頼をチームで依頼を受けている人も多いし、かなりの量の服の修復をすることになるから、暇つぶしをしている時期がかぶるとまあ大変な量になる。


(暇潰しで討伐系の依頼を受けるのもあれだよね、強いから成せる技であるわけで。そもそも異常なほどに過保護な叔父様から討伐系の依頼を受けられないし、そもそもソロでの活動が禁止されてるから無理だし)


「今回は直すのに時間かかりそう〜」


 そう声をかければ、皆こちらを向いてニカッと笑ってくれた。……うん、時間がかかることに対しては文句はないみたいだから安心。

 それにしても、今回の量は昨日の5倍くらいかな。これはレベルアップも期待できそうだ。


(これは、時期に裁縫もレベル最大値まで上がっちゃうな……)


 基本的スキルの最大値はレベル50だ。たまに、スキルレベルの最大値が30の時もあるけど基本的にはそうだと言われている。

 叔父様が実戦をさせてくれないおかげで、僕は生産に励むことしか出来ず、おかげ様で生産スキルの大半はスキルレベルが最大値だ。


「恐らく、姫の生産系スキルのレベルの大半は最大値だろうから、後天性スキルの生産系スキル最大値のコンプリートも夢じゃないかもな! 俺達のせいで」


 考えごとの内容を図ったかのように、ギルドのどこからか聞こえてきた。……自覚しているようで何よりだよ。

 自覚してるなら、もっと服を丁寧に扱ってほしい。まあ、命をかけて戦っているから声には出さないけど。


「それもあるが、先生が過保護に実戦をさせなかったことも生産系スキルレベルを伸ばした理由じゃないか? ……やはり、攻撃系のスキルは先天性・血縁・後天性スキル関係なく、実戦がスキルレベルをあげるからさ」


 そう! この冒険者さんの言う通り!

 この2年間、叔父様が実戦をさせてくれないことで得た恩恵は生産系の後天性スキルが最大値になるだけではなく、調合師の資格まで取れてしまった。

 それでも鍛練日のうち、1日は午前中いっぱい調合師の勉強をしないといけないけどね。


 腕を鈍らせないため、資金を稼ぐため……って言う理由もあるけど、他にも取りたい資格があるから、勉強を続けている。

 まあ、本来なら貴族はあまり取らない方が良い資格みたいだけど……、僕は他の貴族と違い、攻撃系の先天性スキルがないから知識や後天性スキルで補うしかないからこそ、資格は必要だ。


「そうだね〜。僕の場合、後天性スキルで攻撃力を補わなきゃいけない。……けど、実戦させてくれないとなれば、違う武器を探さないといけない。そうなれば、自ずと自分が得意とする分野を伸ばすしかなくなるから、こうなるよね」


 誰がああ噂していたかはわからないけど、そう返事を返せば、返事が返って来たと周りが騒ついた。僕はそれに関しては気にすることなく、依頼板に視線を戻す。


 本来だとね、ここまでする予定ではなかったんだけどね。予想以上に叔父様達は過保護だったから、結果生産系スキルが伸びたと言うわけ。

 でも、それは結果的に多くの武器となるものを与えてくれたと言えると思う。


 それだけじゃない。帰宅予定の10歳から始めるはずのマナーも男女両方とも学んだ。

 本当なら、調合師の資格だけにするつもりだったのに、今目指している資格も数ヶ月後には取れそうなペースで学んでる。これは雪兎さんから太鼓判も押されているレベルだから、自信を持って言える。


 きっと、この国のように〝魔物を倒す〟という習慣がない前世の記憶を持っているからこそ、攻撃することに抵抗があるんだと思う。

 綺麗事だってわかってる。前世でも、僕は食物連鎖から外れていたわけではなく、命を頂いて生きていたのだから。

 それでも、攻撃に抵抗を抱かずにはいられなかった。だから、これ以上の攻撃力の強化は無理だと思う。これは僕だけの意見じゃなく、鍛練に関わった人全員に言われたことだ。


 そろそろ逃げ足の強化と本題の〝結界〟の鍛練に入る予定となっている。

 逃げ足に関しては乗馬や、飛翔ボード・飛翔靴による空中運転、遠泳などのスキルを朱基さんと雷紀さんから指導をしてもらうの。

 各10回ずつの指導をしてもらい、後は自分で技術を上げていくことになるらしい。


 攻撃に向かないからこそ、生きるための武器は複数あった方がいい……と考えながら、墓守の森の依頼を何枚か手に取り、受付に向かうのだった。




空野雪乃です。

本作を読んで頂きありがとうございます。

自分が想像していた以上の人数の方に読んで頂き、そして想像していた以上の人数の方にブックマークや評価をして頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。


6月から偶数月のみ、週二回投稿をお試しで始めたいと思います。日常生活に支障が出た場合は週一投稿に戻します。

6月から偶数月の週二回投稿するにあたり、予約投稿時間は水曜日の午前9時、土曜日の午前9時の投稿にお試しで挑戦してみたいと考えております。

週一での投稿に戻す場合は、また後書きにてお知らせ致しますのでよろしくお願い致します。


これからも継続して読んで頂けるような作品に、本作がなるように話作りを続けたいと思います。

これからもよろしくお願い致します。


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