その6!
新しく従魔にしたククル、ハルク、リリア、シアンの鍛錬は何とかなりそうだとわかった後、叔父様との食事を終え、寝る準備を整えた。
明日は孤児院、学校訪問だ。
早起きしなくてはならないし、何よりもステータス確認をしなきゃいけない。
僕はともかく、ハッサクとサクアはスキルレベルが上がりやすいからスキルを使うたびに確認しなくては僕の身が持たない。
『ステータス』
毎度のごとく、脳内でそう呟いた。
『おめでとうございます‥‥と言いたいところですが、スキルレベルアップの前に、今回あなたが転生した世界である月光島の運命に関わる貢献により、天使様よりご褒美を預かっております』
あ、新しいスキルレベルアップのナレーションバージョンだ。いつもの癖で、おめでとうございますって言っちゃったんだろうなぁ。
でも、わかる! 癖って出ちゃうよね。それはしょうがないことだ。
(‥‥と言うか僕、なんかこの世界に貢献するようなことしたかな? 身に覚えがないんだけど‥‥)
『身に覚えがないなら、こちらとしては都合が良いので深くまで考える必要はございません。そして、無双することを望んでいないあなたには、知れば数奇な人生を歩むことになる、都合の悪い情報です。……個人として、スキル説明を真面目に聞いてくださるあなたの人柄の良さには好感を持っております故、ご忠告させていただきます。どうしても聞かれたいのであれば話しますが、いかがしますか?』
(僕の性質を理解してくれてのアドバイスだから、聞かないことにするよ。それにしても、好感を持ってもらえてたのなら、光栄だね。説明を聞かないで行動すると、失敗したときに後悔するのが嫌だから説明はしっかり聞くようにしているだけなんだけどさ)
それに、
(何が理由で貢献扱いになったのかはわからないけど、僕のために忠告してくれているなら、素直に受け入れるよ。いつも丁寧に説明してくれるから、ちゃんと今回も理解できているよ)
『そう言って頂けると私も嬉しく思います。話が逸れてしまいましたね。……転生者は転生した世界の完全に適合した魂ではありません。何かしら、不都合な面を持っているものです。それはあなたの場合、攻撃性の高い先天性・血縁スキルを持てないという点が不都合な点でした。しかし、あなたの性格上、攻撃性の強いスキルを求めていなかったため、それが利害の一致となってしまった故にそう感じてらっしゃらないだけなのです』
(……僕は運が良かったということだね?)
『はい、そのとおりです。そして運が良いことに、あなたは天使様の言う通り、努力が報われる世界である月光島に転生してらっしゃいます。さらに、困っている生き物を見つければすぐ助けてくれており、我々が出した依頼に自然と取り組んで頂けているからこそ、我々は正当な手段で力を与えることができています。……そのことからチートにはなることはできませんが、不都合な面を補うことができているのです』
(別に僕にとっては当たり前のことをしているから、特に負担もないって感じてる時点で苦であることをしている訳じゃなく、スキルを与えられているってところが運が良いってことかな?)
『そのように考えて頂いて構いません。……と言うことにより、転生者規定には転生した世界に運命に関わる有益な行動をした時、何か無意識的に現在存在している世界に貢献したとみなし、ご褒美を与えられることになっております。……しかし、そのご褒美を与えられるのはこの人生で2回までと限定されております。これ以上与えると、存在レベルが高くなりすぎてしまうのが2回以上、ご褒美‥‥所謂恩恵を受けられない理由となっております。ご理解頂けましたか?』
つまり、簡潔にまとめるとこうだ。
・転生者は、前世の世界に適性しているため、現世では不都合な面を持っている。
(僕の場合、チート能力を求めていなかったため、不都合には感じなかった。しかも、天使の忠告を聞いたことにより、努力が報われる世界に転生したため、不都合に感じなかっただけらしい)
・それを補うため、貢献すると天使の判断により、この世界に貢献した扱いになると恩恵というご褒美がもらえる。
・それはこの人生の中で2回まで。それ以上に与えられると、その世界の適性を持った人以上の存在レベルになってしまう。
注意! これは転生者限定!
『ご理解頂けたようで何よりです。これが私の仕事ですので、そう言って頂けると誇らしく思います。あともう一つ気をつけていただきたいのは、これは転生者貢献クエストであり、前回ハッサク達を助けて頂いたクエストは別物と考えてくださいませ。転生者貢献クエストは零さまのために考えられたクエストではなく、月光島の転生者全員を対象としている点が、転生者用クエストとは違う点となりますね』
(なるほど、個人か複数かの違いなのかぁ)
『……そうですね、そう考えて頂ければと思います。さて、本題のご褒美とされる恩恵なのですが、本来なら“育ちの手”が存在するならば、スキルとして与えられない“栽培”のスキルを授けると言うことになっております。これは、現段階の月光島では知られていない情報なため、怪しまれることはないと思います』
(……怪しまれないならいいよ。有難いし)
『これが栽培スキルの詳細となっております。
栽培ーーーー(野菜、果物、薬草など一定数の栽培を行うと手に入れられるスキル。レベルが上がるごとに品質が良くなる)
このスキルが与えられた理由として、貴族の身分を隠して行動したい時のためのカモフラージュとして使えるようにと言うことです。
そして、あなたは強いスキルを求めてらっしゃらないため、このスキルが恩恵として与えられます。
育ちの手は貴族の血縁スキルとしてあまりにも有名すぎますからね、役に立つ時が来ると思いますよ』
(ほぉ〜? 天使様、僕の性格を良く理解しているね。これは有難い恩恵だ! これで安全に移動できやすくなるから有難い)
『それでは通常モードに戻らせて頂きます。……おめでとうございます。調合、調理のスキルレベルが8になりました。それぞれ、調理や調合をした際、少しだけ品質が上がります。鑑定《品質》のスキルレベルが9になりました。鑑定《品質》を使用した際、スキルレベルが上がったことにより、スキル精度が上がりました』
(まあ、だろうね。かなりの量を調合、調理、鑑定してたからレベル上がっているとは思ってた)
内心そう考えながら、小さい時は体質で上がりにくい人であったとしても上がりやすいって言われているのをふと思い出した。
そうなると、他のスキルレベルも上がっているだろうなぁ‥‥とぼんやりしていると、
『続きまして、おめでとうございます。後天性スキルの栽培を取得しました。今回、特別処置により、本日行った栽培作業も経験値に含み、レベル15まで上がりました。……スキルレベルが上がったことにより、育てた際の野菜、果物、薬草の品質が少しだけ上がります』
案の定、さっき取得したばかりのスキル、栽培がかなりのレベルが上がっていた。まあ、あれだけの広さを温室整備していれば、いくらスキルレベルが上がりづらいと言えど、これくらいは上がるだろうね。
僕が管理している温室はかなり広めだから。うん、そう思うことにしよう。
『おめでとうございます。血縁スキルの育ちの手のスキルレベルが8になりました。先天性スキルの探索のスキルレベルが6になりました。スキルレベルが上がったことにより、探索の精度が上がります。……同じく先天性スキル、テイムのスキルレベルが5まで上がりました』
まあ、育ちの手は温室管理をしていたから、スキルレベルが上がっているのはわかる。
しかし、探索とテイムのスキルレベルアップについては、そこまで上がるくらい使ってないのに、そこまでスキルレベルが上がっていることが不思議で、不思議でしょうがない。
けど、まあ? 僕の勘が、それを聞いたらまずいって囁いているから、この件について質問するのはやめておく。
今日は経験値ボーナスが付く日なのかな? ラッキーくらいに思っておけばいい。
さて、次はハッサクとサクアか。
あの子達は経験値が上がりやすいし、楽しみだ。
空野雪乃です。
『のほほんとファンタジーライフ〜少し変わった従魔と僕〜』を読んで頂きありがとうございます^_^
今回、後書きを書かせて頂いたのは、零の現段階のスキル一覧を載せるためです。
スキルレベルが上がった時を書いていないスキルもあるので、参考までにどうぞ。
〜零のスキル一覧〜
☆血縁スキル
・成長ーーーレベル6
・育ちの手ーレベル8
☆先天性スキル
・テイムーーレベル5
・探索ーーーレベル6
☆後天性スキル
・速読ーーーレベル10
・栽培ーーーレベル15
・調合ーーーレベル8
・調理ーーーレベル8
・鑑定《品質》ーーーレベル9
・鑑定《魔物》ーーーレベル3
・鑑定《植物》ーーーレベル8
ほのぼのと7日目の時点ではこんな感じです。
これから零の後天性スキルは増えていく予定です。時間があるときに、後書きに零のスキル一覧を載せていこうと思います。
これからも、この作品をよろしくお願いします^_^




