その3!
春の27日、午後。
温室整備も終わり、予定よりも早く終わった。キリがいいので、忘れないように先に昼食を取ることも忘れない。
先に叔父様が帰宅していれば相談したかったのだが、いなかったので調合と調理のレベル上げに移りたいと思う。
失敗しないか心配だから、まずは薬作りの基礎の確認をしておこう。
調合でも、あまり得意でないとダークマターを製造するからね。
『薬作りのルール
・薬草はすり鉢でする。
・水は新鮮なものを使いましょう。
・スライムは必ず新鮮で、清潔草で清めたものをつかいましょう。
・100mlに対して回復薬は2枚。
・状態異常薬草(例ピリピリ草、ミニドク草など)は1枚にしましょう。
・果物風味にしたい時は100mlに対して、10グラムの果物を入れましょう。
・状態異常効果薬(例麻痺薬)は100mlに2枚使いましょう
・ピキピキの実など液体に溶かして使うものは、500mlに1つ』
これを守れば、調合でダークマターを製造する星回りに生まれてない限り、誰にでも調合でダークマターを製造することはないだろう。
さて、今回は水を使用した回復ポーションを大量生産していこうと思う。
この回復ポーションや薬など、効き目の高さによってレシピが異なってくる。今回使うレシピはこれ!
『・回復草(小)+水=下級回復ポーション
・回復草(中)+水=中級回復ポーション
・回復草(大)+水=上級回復ポーション』
ちなみに回復ポーションにも種類があって、他には水の代わりにスライムを使用するレシピもある。
これは飲む力が発達していない、または飲む力が低下していて誤嚥しやすいお年寄り向けに開発された回復ポーションかな。
水の代わりにスライムを使うことで、水よりも個体に近いジュレのような回復ポーションになるから、お年寄りが誤って気管に入り、誤嚥しやすい水分よりは安全に飲むことができる品物だ。
咀嚼することが出来るしね。
子供に関しては果物風味にすることが可能なので、ゼリー感覚で抵抗なく回復ポーションを利用できるために効果的だと言われている。
液体で作られたものはどうしても、なぜか果物風味の味付けをしても薬品っぽさが残ってしまうんだよなぁ。
とりあえず今回に必要な道具はすり鉢、すりきり棒、鍋(中)、水瓶(今回は水入り)、薬瓶、お玉、木べら、持ち運び熱調理器(前世でいうコンロって奴かな)、ボウル、ピンセットくらいかな。
基本的にこの世界では熱を通しても、通さなくても薬を調合できるため、大半の人は水出しで作ってしまう。僕も、そして有栖家の人間もそうだった。
だから、今回は実験をし、より良い品質の薬品を製作するためには水出しが良いのか、それとも火を通すのが良いのか比べていこうじゃないか。
ちなみにハッサクとサクアは、ハルクとリリアの遊び相手をしながら製作系スキルのレベル上げをし続けている。ククルとシアンは変わらず、僕にべったりとくっついている状態だ。
遊んできても良いのに‥‥とも思うが、言葉は話せないが、どこか楽しげであるので好きにさせておこう。さて、話は戻るが、今日行う調合方法は、熱を通し、冷却するやり方で作る方法だ。
手間は、水出しと比べると二手間くらいかかっている方法だな。
まあ、本来なら熱を通して薬瓶に入れて終わりなんだけど、ぬるい飲み物は僕的に飲みづらいので冷却することにしたのだ。
まず清潔草を用意する。新鮮なものであれば、水の場合は清潔草を使う必要はないんだけど、念のためにこの過程を欠かさず行っている。
今回は大量生産を行う予定なので、水瓶4本をマジックバックから取り出し、水瓶1本に対して清潔草を10枚ずつ入れて、5分くらい時間をおく。
その時、清潔草を10枚一括りにまとめておくと、取り出しが楽になるかな。
その間に、今回使用する道具を水で濡らしたタオルで拭き、乾燥させておく。
回復草(小)を40枚、マジックバックから取り出した後、すりやすいように回復草をちぎり、すり鉢に入れて丁寧にする。
僕的目安では、しっかりすり終えるまですることを目的としているよ。
すり終えた後、水の洗浄が終え、茶色に変色している清潔草を取り出し、鍋(中)に水を注ぐ。
その後すぐに持ち運び熱調理器で水にある程度火を通した後に、すり潰した回復草(小)を入れていく。
後は中火を維持しながら、色が半透明のエメラルドグリーンに変わるまで木べらでかき混ぜるだけ〜。目安の時間としては約10〜12分くらい!
(うん、我ながら綺麗な半透明のエメラルドグリーン色だね!)
半透明のエメラルドグリーン色に変わった後、約5〜7分くらい、回復ポーションの熱を取る。この世界のガラス製品はね、前世より発展していなくて、すぐに瓶が歪んでしまうんからね〜。
7分くらい経ったら、ボウルに予め用意していた清潔草による洗浄をしていない水を入れ、マジックバックから取り出した氷を入れたものを先に用意する。
そうした後、お玉で薬瓶に回復ポーションを入れ、さっき用意した氷水に入れる作業を、回復ポーションがなくなるまで繰り返せば回復ポーション作りは完了だ。
後は味見をするだけだね。怪我してないから少し勿体無いような気がするけど、全ては回復ポーションの品質の向上のため!
僕は躊躇うことなく、回復ポーションを一気飲みする。味見をしたのは子供がスライムタイプの回復ポーションばかりではなく、液体タイプの回復ポーションを飲めるようにしたいからだ。
(‥‥んっ! これは、成功だな。
やっぱり、水出しだと回復ポーションの場合、薬草の苦味が出てしまうのか。
それに、他の人が作った回復ポーションを飲んだ時に感じた、水臭さもない。これは清潔草を入れているおかげだな。
僕が前に作った回復ポーションは、薬草の苦味を感じても、水臭さは感じたことはなかったから恐らく、水臭さの原因を作っていたのは、やはり“清潔草を入れていない”ことによって生まれていたんだな)
うん。通りで、一般人が作る回復ポーションと薬師が作る回復ポーションに品質の違い、効力の高さ、飲みやすさの違いが出てくる訳だ。
回復ポーションなど、水出しで調合するのが一般的だと言ったが、それは一般人による調合での話で、薬師では加熱による調合が一般的とされている。
まあ、一般人が回復ポーションを調合するとなると、それは軽症の時。それならば、早く作ることが可能な水出しで回復ポーションを調合するのが妥当だと思う。
水出しによる調合
→約10〜20分くらいで調合可能だ。
加熱による調合
→約40分以上かかってしまう。
事実、調合の品質向上のため、薬師によって調合された味付き回復ポーションを試飲してみたんだけど、以前僕が調合した味付き回復ポーションと比べて、雑味がさらに少なかった。
しかし、薬師が手がけたものとなると高額になり、国民には手が届きづらい品物だ。
だから、回復草の雑味や苦味を隠しやすいスライムタイプの回復ポーションが子供達の必須回復ポーションとされている訳である。
しかし、この知識を国民に流してしまうと、薬の相場を狂わせてしまうな。それに、この知識を国民に流してしまえば、薬師の仕事に悪影響を及ぼしてしまう。
薬師も国民だ。
これは流すべき情報ではあるが、国全体のことを考えたら、流すべきではないから今まで流れていないんだろう。うん、これはお蔵入りかな。使えるのは災害に遭った時くらいかな。
まあ、水出しで調合した回復ポーションを売れば、回復草と清潔草は僕が作ったものだから、十分なほどに回収できる。
何気に薬草作った方が当たり前だけど、品質が良いみたいだし!
さ〜て、さっき調合した回復ポーションの品質を調べるとするかな!




