↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このパラレルワールドは女神を試そうとしている  作者: カルトカイマ
第一章 パラレルワールド
6/29

第五話『復讐の力と優しさの涙』

昨日投稿できませんでした、ごめんなさい。あと、今回は少し真面目です。

「帰ってきた……」


 本当にあの女神、元の世界に戻ったぞ。早く家に行って別れの挨拶をしないとな。

 そして何故着いてきているんだ。


「せめて杖のお姿で来て下さいませんか」


「うるさいっ。別にいいでしょ」


「ひどい」


 女神の格好なので、すれ違う通行人全員が目を大きくして女神を見ている。それに、変態共は女神が可愛すぎるのか、露出させた足をマジマジと見ている。


 馬鹿だな、とも思ったが確かに女神の足はエロいので気持ちは分からんでも無い。女神は通行人の目線に気付いたのか、恥ずかしそうにスカートを両手で押さえている。そっちの方がもっとエロいのだが。


 ――すると、女神が通行人の目線に我慢できなくなったのか「もうっ!!」と声を張り上げて、滝のような勢いの水魔法を前方に放った。ここはマズいだろ。被害が出たら俺まで――


 バシッ!!


「誰だよ、俺をずぶ濡れにしたのはっ!!」


 前方からものすごい勢いで誰かが出てくる。そして俺はその姿が誰かと思い驚愕した。


「斉藤隆一……」


「ん? テメェはまさか」


 何でよりによってアイツが――だが丁度良い。ここで復讐してやる。


「まあ、良い。そこのお嬢ちゃん、俺と遊ぼうぜ」


 するとソイツは何処からか包丁を差し出し、女神の首元に近づけた。その動作は一瞬だった。何だ、何をしたいんだ?


「おい、北岡徹さんよぉ。俺にこの女をくれ」


「ふざけているのかっ」


「もし、くれなかったら……。包丁で首を――スパッ。だぜ」

 

 女神は目に涙を浮かべていた。いつも冷静で上から目線の奴が、急に弱々しくなってやがる。少し気分が良い。


「助けてっ」


「……」


「さっき魔法を放ったせいで、全然魔法打てないのっ。何でもするから……」


「ん? 今何でもするって」


「何でもするとは――何でもするからお願い助けてっ!!」


 魔法使えないほど、魔力無くなったのか。馬鹿だコイツ。まあ俺も悪魔じゃないし――


「怪味天命水飲んだんだし――頼むぞ俺ッ!!」


 俺は隆一の元へ、勢いをつけて全力疾走した。

 隆一は、舌打ちをして女神を投げだし、包丁を持って俺に向かってきた。


 道理でな。そうだと思ったよ。


「女神が本当に欲しいのなら――その女神は傷つけたくないもんなッ!!」


 だから俺はアイツが女神を捨て、俺を殺そうとする事に賭けたんだ。

 隆一の動き――怪味天命水の力で、余裕によけられるぞ。


 ――だが、今はアイツと戦う暇なんて無い。


「俺がお前を救ってみせるッ!! 【鎌鼬(かまいたち)】」


 何故かこんな言葉を出してしまった。すると、自身の足に風の渦が出来る。よく分からないけれど、考えている暇などない。


「女神とか鎌鼬とか――意味が分からないんだよゴミガァァァァァ!!」


 隆一が勢いよく俺の腹に突き出した包丁。腹が抉られる寸前に俺は、アイツの腰元ぐらいの高さまでしゃがみこむ。身体を崩しそうになる瞬間に片足を思いっきりかける。


 案の定、隆一は無様に転んだ。その瞬間俺は自分の上着を脱ぎ、女神が倒れる場所に向けて投げる。

 俺の上着は女神の元にスゥーと滑った。


「頼む。間に合ってく――」


 俺がそう願い叫んだ瞬間。あってはならないことが起きてしまった。すぐに右膝に違和感を感じ、足下に悍ましい痛みを感じる。そう、隆一は俺の膝に包丁を思いっきり刺したのだ。


「――クソッ」


 投げた上着は女神の元に行き届いてタイミングよくキャッチしてくれた。


「良かっ……」


 痛みが――余りにも酷い激痛が、苦しみが俺を襲った。分かった。もう容赦しない。俺の苦しむ姿を見て倒れた姿のまま嘲笑する隆一の顔面を全力で蹴り上げた。

 包丁を手から落とし、思いっきり道端に吹っ飛んでしまった。


「ざまぁみろ……うっ」


「あっ……。徹くんっ!!」


 ん? 俺に対する呼び方が変わったような。ふっ、可愛いじゃないか。女神が俺が刺される姿を見て、急いで身体を起こし、俺のコートを持ったまま俺に駆け寄ってくる。


 女神は――倒れ込んだ俺の身体を抱きかかえていた。


「ごめんねっ、私のせいで――こんなことになっちゃって――治療できる魔法くらいは使えるから――」


「待て、今治療の魔法使ったら、包丁が刺されたまま傷口が塞がってもっとヤバいことになってしまう」


「――じゃあ包丁を抜かなきゃっ」


「少し怖いな」


 女神は泊まることを知らない大粒の涙をボロボロと流していた。


「おいおい、こんなに泣くなよ」


「だって――だって――」


 こんなに優しい一面もあるのか。俺は泣いてる女神の姿を見て、何処か安心してしまった。


「ありがとな――女神」


「徹くんっ!!」


 俺は薄れていく意識の中、女神の必死な声を聞きながらゆっくりと瞼を下ろした。



明けましておめでとうございます。今年もよろしく御願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。