第二話『憎しみからの驚愕』
北岡徹。主人公の過去編です。少し重い話になりました。(内容的にも文字数的にも)
結局、自分のことしか考えていない。
自分さえ良ければそれで良いのだ。
自分の為なら平気で裏切る。
「どいつもこいつも……俺を裏切りやがって」
俺は普通に高校生活をエンジョイしている一般的平凡高校生だった。だが今はおもいっきりの人間不信だ。仕方ない、あんな事になったのだから――
俺は、学校の友達とゲームセンターに来ていた。
近くの市街地にある大きめの店の中にゲーセンがあり、俺達はそこで遊んでいた。
「うわっ! また失敗したよ! どうなってんだこのゲーセン!」
「あはは……」
友達の斉藤隆一が怒った様子でクレーンゲームを蹴る。正直コイツだけは苦手だ。大きな音がゲーセンに響き渡り店員もそれに気づき、注意される。
「あのー、ゲーム機を乱暴に扱うのは辞めて下さい」
「は?」
隆一は腹が立っている様子で、店員を睨み付ける。本当、救えない馬鹿だ。
俺は心の中でソイツをあざ笑っていると――
「ソイツがやったんすよ」
「え?」
隆一は俺に向けて指を指した。
店員は俺の方へ怒った様子で振り向く。
それを見て、友達は俺を馬鹿にした様子でクスクスと笑っていた。
「何でだよ……俺じゃ無いだろっ!?」
みんな黙っていた。知らないフリをして。
何だよコレ? 何で何だよコレ?
もう意味が分からない。
俺は強く口調する。ゲーセンに俺の声が強く響く。 だが他の遊んでいるゲーマー共は俺の声には全く反応しない。なら、もっと言わせて貰う。
「おかしいだろお前ら! 俺がお前らに悪いことをしたのかよっ! 俺に何か恨みでもあんのかよっ! こういうのやっていて悪い気持ちにならねぇお前らはどうにかしているぞっ!」
「ちょっと――皆さんの迷惑になるので叫ばないで下さい」
は? ふざけているだろ。そもそもゲーセンなのに叫んだら駄目って、意味が分からない。そもそも誰も反応していないし、勝手なこと言いやがって――
「誰も迷惑掛けてないし、そもそも俺は蹴ってな――」
「今は叫んではいけないという事を話しているんですが?」
店員は俺をあざ笑うように見下した様子でそう言った。
周りの友達だった奴らも店員の言葉がウケたのかケラケラと笑っている。
「馬鹿かよアイツ」
「店員さんやるぅ~」
「迷惑とか以前の問題だし常識なさ過ぎ」
「蹴ったのは徹だしな~」
「あっ。そうか蹴ったのは徹だもんな」
「糞がッ――てめえらみたいな屑はみんな死んじまえッ!!」
俺は騒音と笑い声が飛び交うゲーセンを駆け足で出て行った。
ふざけている。ふざけている。だから迷惑は掛けていなかっただろう。
勝手に決めつけやがって――絶対に復讐してやる。
俺は夕食も、風呂も、歯も磨きさっさと眠りにつこうと自分の部屋に向かおうとしたとき――
「……大丈夫? お兄ちゃん。今日凄く静かでお母さんも心配してたよ。何かあったの?」
そこには妹の紗友がいた。紗友は心配そうな表情を浮かべ俺をじっと見つめていた。
俺は優しく微笑み紗友の頭に手を置きこう言った。
「ああ、今日は学校で楽しい事があってな――遊びすぎて疲れたんだ。迷惑かけてごめんな」
「そう? なら良かったけれど……。何かあったら私に言ってね。おやすみ!!」
てくてくと、紗友は自分の部屋の方へ向かっていった。
紗友に迷惑を掛けるわけにはいかないんだ。
「本当……優しいな」
復讐心と憎しみで支配された怒りの気持ちが――少し、和らいだ気がした。
そして俺は自分の部屋のベットに横たわった。
「初めまして。北岡徹」
「は?」
「は?」
気付いたら俺は知らない部屋にいた。
は?から始まる異世界ライフ




