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遥かなる彼方からの贈り物  作者: 名も無き人
第7章 サバイバルネットワーク
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(10) 人類をまとめると言う事

これからはサンダルが持つ力を

最大限に活用する必要がある。

それにはこれまであった

全ての事実を明らかにする必要があった。

そして地球の全ての科学技術資源、人材資源を

このサンダルを中心に再構築しながら

プロジェクトを進める必要がある。


そのプロジェクトとは

巨大な反重力装置を造る事であり

その為には、北極から南極に至る

地球を貫く、直径100mを越える

巨大な穴を穿つ必要があった。


更に、この為には

これを実現する事を可能にする

素材を創り出す必要がある。


その素材とは「究極の鉄」を意味した。


もともと鉄は人類が手にした金属の中では

最も強度が得られる素材である。


しかし、その鉄の分子の

配列をコントロールする事により

更に、とてつもなく強度の高い

夢の素材に変化するのであった。


この為には、無重力の空間に

巨大な製造設備を設ける必要がある。


もちろん無重力空間は

宇宙であれば幾らでも得られるが

そこに巨大な工場を維持する事は難しいし

第一に莫大な量の原料が必要になる。


また生産した鉄は

直ぐに建設にまわさなければならない。


大樹はその工場を

なんと地球の真ん中に造る事を考えていた。


地球の真ん中は無重力である。


だがその為には、事前の準備が必要であった。


まず究極の鉄までは強くなくとも

現在人類が得ている技術水準では

考えられないレベルの強度持った

超鉄鋼の大量生産が必要だったのである。


そしてその生産設備を

南極点と北極点の近くに建設する必要があった。


どれも現在の地球人の科学技術では

文字通り「絶対に不可能」な計画である。


しかも10年もない時間では

更に夢物語以外の何物でもない

プロジェクトである筈である。

この課題を克服する為には

デジャの科学技術を借りるしか方法はない。


しかし、デジャの科学技術を借りると言っても

大樹が利用すれば良いと言うものではない。


いかに超人のレベルにあると言え

この事業に関して言えば

大樹一人の力は何もないに等しかった。


この事業を成功させる為には

人類が組織的に具体的にデジャの技術を学び

そしてその技術を利用しなければ全く意味がなかった。


これこそが、簡単そうに見えて

非常に難しい課題だったのである。


デジャの科学技術は

地球の科学技術をベースに進歩した技術ではない。

その上、地球より余りに進化し過ぎていた。


未開民族に

いきなりコンピュータ技術を

説明するに等しいのである。


これを成功させる為には

来年の大災害に生き残った人類が

全身全霊を傾けて

自ら生き残ろうとする努力に

集中する事が必要なのである。


エイリアンであるダイを頼る姿勢は

この努力に対する

ブレーキ以外のなにものでもない。


「そうです。


私は地球人です。


そして私がここに()られる事自体が


奇跡だと思います。


そしてサンダルの助けが無ければ


来年9月の大災害の事も


皆様にお知らせする事もできなかったでしょう。」


このダイの話し方に

おやっと言う表情が多くの顔に広がった。


彼らや彼女達が座っている大きな会議室の椅子は

VIP用のゆったりしたものだった。

そして彼らの顔ぶれは

そのVIP用の椅子が当然なものだった。

彼らは今地球を代表する人々と言っても過言ではない。


「私がここに存在する理由は


デジャと言う星が存在していたからです。


デジャは地球から


190光年程の距離にある惑星です。


この災害の危険が起こった時


デジャは地球に文明が存在している事を


直接は知っていませんでした。


しかし、当時のデジャでは


他の文明をこの大災害から救う事には


余り意味がないと考えられていました。」


それを聞いた聴衆は

ダイが何の話しをしているのかを計りかねている様子だった。


しかし、ダイはそのまま続けた。


「簡単に理由を言えば


もし韻鉄など落下しなくとも


殆ど全ての知的生命体は


滅亡する運命にある


とデジャの人々が考えていたからです。


簡単に言えば


放っておいても


人類は勝手に滅びる可能性が高いと言う事です。」


ここまで聞いていた何人かの

顔に浮かんでいたおやっと言う表情が

次第に不審を感じている者の表情に変化し

更にその幾人かは唇の端を横に伸ばした。

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