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(1) 世界を眺めたとき

ダイはそれからも精力的に世界各国を回った。


様々な立場にある人々、様々な人種

そして様々な民族

宗教に属する人々を訪ね歩く事は

大樹にとり非常に驚くべき経験であった。


非常に難しい要素は多かったが

しかしダイには「サンダル」以外にも

強力な武器があった。


それはダイが

いろいろな民族に分かれた彼らの言葉を

どれも完璧にマスターしていた事だった。


言葉を喋る事により

ダイは彼らの心の中に

比較的簡単に入り込む事ができたのである。


そして結果的に

ダイは自分がいずれ招待する事になる会合に

必ず参加する事を

彼らの殆ど全員に誓わせる事に成功したのである。


ダイが訪れた多くの存在の中で

ダイがいかにアプローチするか悩んだのが

国連の存在だった。


国連は、人類の国際機関の中で

最も全世界を代表しているものである。


ダイがこれから行う事業は

人類が

バラバラの国家単位で統治されている状態での成功は

有り得なかった。


そして全世界の統一政府を創るのであれば

当然国連を中心とする事を考えるべきであろう。


しかし、ダイは

どうしてもそうした単純な発想のまま

動く事ができなかった。


既にダイは世界情勢に精通していた。


「サンダル」によって与えられた知識は


具体的でかつ偏りがなく

科学的だった。


歴史的な背景から

現在の動向に至るまでの

精緻を極めた知識であった。


そこから沸いてくる諸々の情報を併せると

国連を表面的に捉え

外観通りの存在としてだけ考える事はできなかった。


確かに国連と言う機関自体は

世界をいかに正しい方向に導くか

に対して日夜努力を続けている。


しかし、国連を構成しているのは

飽くまで世界を構成している国々であったし

その国々の政府が国連へ代表を送り出しているのである。


結果として現状の国連は

世界の国々の

「建前としての代表」の側面がどうしても消えなかった。


更に、国連の組織そのものにも

半世紀の時間が経過するうちに

部分的にではあるが

一種の保守的な経験主義や

権威主義が芽生え始めていた。


もちろん多くの若い国連職員達の多くは

強い熱意を持って自らの職務に当たっていたし

指導者の中には

類まれな資質を持って献身的に努力する者もいた。


しかし、組織と言うものは必ずと言って良い程

制度疲労を起こすものである。


特に国連の様に

仕組み上競争が起こりにくい組織では

特異な形での制度疲労が起こる事がある。


この事実は

ダイが国連の事務総長を訪れた時に明確になる。

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