(7) 日本の破滅を伝えられたとき
相本はその深刻な話を
額面通りに受け取る気はもちろんなかった。
「君はそれが本当だと言う事をどうして証明できるんだ。」
相本は否定的な態度を見せず
淡々とそう言った。
「証明はありません。
しかし、ベス・クリーヴランドはこれを信じました。
なぜなら私がエイリアンであると言う事を信じ
そして私が申し上げたその発生の
天文学的な証拠を確かめたからです。
どうかベス・クリーヴランドか
或いは補佐官のヤコブソンにその事実を照会して下さい。
私がそこにある座標を示した事により
その座標に
これまで知られていなかったブラックホールが
新たに発見された事実を確かめて下さい。
巨大な隕鉄は
そこから15万年の月日をかけて、地球まで飛んでくるものです。」
相本は完全に言葉を失いそうになった。
余りに荒唐無稽な話に思えたのである。
しかし、世界のNo1国家である米国の
しかも大統領が絡んだ話である。
簡単に捨て置く事はできない。
とにかく、確かめる事くらいは、大した事ではない。
少なくとも、もし、この男が言う事が事実であるなら
大変な事になる。
「分かった。確かめよう。」
相本は、少し小声で言った。
そしてダイがその相本の声を追いかける様に言った。
「もし、それが確認できたら
そして私が貴方へプレゼンテーションへの招待状をお届けしたら
貴方の代理ではなく、必ず貴方ご本人がご出席下さい。
実は、来年の災害が私のプレゼンテーションの目的ではありません。
なぜなら、本当の災害は来年ではなく
今から10年後に来るのです。
これに備えなければ、地球は滅亡します。」
相本はダイが何と言ったのか
最初よく聞き取れなかった。
もちろん聞いてはいたが
余りに内容が奇想天外で
意味がうまく把握できなかったのである。
ダイは続けた。
「10年後に来る本当に深刻な災害
それにどう備えるかを申し上げる事が
私のプレゼンテーションの目的です。
それでは私は失礼します。
夜分遅くにご迷惑をお掛けした事を
お詫び申し上げます。」
ダイは、そう告げると
呆然として言葉を失っていた相本の反応を待たずに
また突然消えた。
相本は言葉を失ったまま
最後にダイが言った事を反芻していた。
ダイは地球が滅びるみたいな事を言ったのである。
相本は突然馬鹿らしくなってきた。
一連の出来事に、何か巧妙に仕組まれた
狂言の様なものを感じ始めていたのである。
それにしてもダイは突然に去って行った。
失礼な話である。
ベス・クリーヴランドに対しても
同じ様な態度で接したのだろうか。
相本は正気を失ったかの様に頭を巡らしていた。
暫くして、相本は眠る事にした。
目が覚めたら、時差を考えた上
適当な時間にベス・クリーヴランドに連絡しよう。
全てはその後で考えれば良い。




