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遥かなる彼方からの贈り物  作者: 名も無き人
第5章 日本にて
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(3) 深夜の活動

日本の首相官邸から飛び去りながら

大樹は、今夜は失敗だなと思った。


さすがに総理大臣の寝込みを襲ったのは良くなかった様だ。


ベス・クリーヴランドに会った時

各国の首脳に送る様にお願いしたメッセージも

日本の首相には余り効果がなかったらしい。


しかし相本にはもう一度会う必要がある。


大樹が活動を始めて、今日で5日目だった。


そして大樹の活動時間は深夜の時間帯に限られていた。


昼間の時間は

一応は幼稚園児になっておく必要を感じたからである。


もちろんいろいろ方策を考えた。


いきなり失踪して、全く別人となる事も簡単である。

今の大樹に不可能な事はなかった。


しかし大樹は今までの生活を消し去る事ができなかった。

理由は母の頼江だった。


母が今の大樹を理解できるとは到底思えなかった。


一方で、大樹にとって最も大切なもの

世界よりも大切なものは、母だった。


その心をどんな形であろうが

傷つける可能性がある事などもっての他だった。


だから彼女が少しでも心配する様な行動は

一切したくなかったのである。


その為には大樹は今までの大樹として

頼江の前に存在し続ける必要があったのである。


でもこのままでは余りに効率が悪い。


時間が無い事を焦るから

今日の様な失敗をしてしまうのである。


大樹は、自分の代わりを務める

精巧な人形ロボットが必要だと感じた。


幼稚園では手を繋いだり

じゃれあったりが多いから

夜寝床を抜け出す時に置いておく様な

ダミー画像だけでは

簡単にばれてしまう。


そしてもしばれてしまえば大騒ぎになってしまう。


でも精巧なロボットを作る事は流石に簡単ではない。


病気になって入院する事も考えたが

母の頼江を心配させるし

病院では幼児は常にチェックを受ける存在なのである。


やはり深夜に活動するしかない。


仕方がないので

大樹は幼児として過ごす時間帯を利用して

睡眠を取る事にした。


代わりにダミー画像を起こしておいた。


もちろんそれはサンダルが監視し

コントロールしている。


自分の姿が立体画像として

不自然でない様にする為である。


サンダルは流石に頭が良くて、何かあれば

画像をトイレに逃げ出させる位の機転を効かせてくれた。


こうすれば夜の活動がよりし易くなる。


むしろ母の頼江の方が心配であった。


大樹自身が外出する事になるからである。

頼りのサンダルも大樹と一緒にいなくなる。


大樹のダミーの画像は

サンダルが放出する小さな立体映写装置によって映し出されていた。


もし地震などの突発的な事があれば

母は大樹の存在を直接確認する筈である。


大樹はいろいろ考えた末

多少複雑な方法を講じる事にした。

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