(5) 10年後に
このエイリアンは
地球人がたくさん死ぬことになるかも知れない
大災害を大した事でないかのように言った。
流石にベスは少しムッとして答えた。
「分かりました。
それで、つまり
一体どうしたら良いと言うの。
エイリアンさん
あら失礼・・あなたのお名前を伺ってなかったわ。
私のことはベスと呼んで頂戴。」
「わたくしの事はダイとでも呼んでください。」
エイリアンは
意外にも有り触れた米国人のニックネームを名乗った後
今度は
今までで初めて表情を曇らせた様子で言った。
「本当の問題は来年ではありません。
この隕鉄はほんの手始めなのです。」
ベス・クリーヴランドの目が少し大きく見開かれた。
ダイはそのまま話続けた。
「来年落下する隕鉄が属している
隕石群の本隊が来ます。
その数は、数十万個に達します。
その中には、来年落ちる隕鉄より
数千倍も大きなものが含まれています。
そして残念ながら
少なくともそのうちの数百個が地球と衝突します。」
「それはいつ?」
ベスは呆然とした気持ちになりながら
畳み掛けるように質問した。
「10年後の8月9日に始まります。」
どうしてそんな事が分かるのか
と言う質問に対し
エイリアンは、ベスにメモを取る様に求めた。
それは人類の天文学で使用される
座標であると言う事だった。
「この天文座標の位置には
ブラックホールが確認される筈です。
そしてそのブラックホールは
かつて太陽の数十倍の規模の恒星でした。
その星で今から15万年前に
超新星爆発が起こったのです。
この事は、あなた方の天文学者に
確認させれば分かる筈の内容です。
地球を襲う隕石群は
その超新星爆発で生じたものです。」
ベス・クリーヴランドは
完全に暗然とした気持ちになっていた。
その男の話しが
余りに本当に思えそうなストーリー構成で
組み立てられていたからである。
そしてもし本当であれば
10年後に地球が破滅すると言う話なのである。




