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遥かなる彼方からの贈り物  作者: 名も無き人
第4章 エイリアン大樹
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(4) 本当にエイリアン?

ヤコブソンはとうとうこの男の存在に気付かなかった。


ベス・クリーヴランドは諦めて答えた。


「いえ、何でもないわ。御用は何。」


ヤコブソンの方も彼女の態度に

全く納得がいかなかったが

彼女の性格を考え

理由を追求する事を諦め

明日のスケジュールの一部について

大統領に確認を求めた。


ヤコブソンは用件が済むと

直ぐに退出に移った。


そしてベス・クリーヴランドは

とうとう彼と一緒にこの場から逃げ出す事ができなかった。


本当は、走って逃げ出したかった。


しかし、ベス・クリーヴランドは唯一のとんでもない可能性を

どうしても否定できなくなったのである。


この男の存在が本物かも知れない可能性を。


「ご配慮ありがとう御座います。」


ヤコブソンが退出した後

1秒ほど間を置いて男は丁寧に礼を述べた。

そして早速用件を述べ始めた。

****


「来年の9月12日ですって?」


来年も催されるだろう9・11の

テロを回想する式典の翌日だった。


このエイリアンが言うには

オーストラリアから北東500km程離れた海上に

直径が900メートル程の隕石

いや正確に表現すれば鉄の比率が60%程の

隕鉄が落下すると言うのである。


そして問題は、その隕鉄の落下スピードが

秒速400kmもあると言う事らしかった。


「もしそれが本当に起こったら

どの位の被害が出るのですか。」


彼女は静かに尋ねた。


彼女の頭の中は、片方が麻痺し

片方が目まぐるしく回転している状態にあった。

そして彼女はこの男の言う事を聞き続けるしか

方法を見出せなかった。


「この隕鉄の落下により

巨大な爆発が起こります。

その爆発は、隕鉄の回転の状況にもよりますが

恐らくあなたの国で保有している

最も大きい水素爆弾の千個分以上に匹敵する筈です。」


このエイリアンが言うには

その爆発によって巨大な津波が発生するとの事だった。

津波は、音速に近いスピードで四方に広がり

オーストラリアの東岸には

高さ100メートルを越える津波が襲う可能性があるとの事だった。


もちろんオーストラリアだけでなく

米国の西岸も南米の西岸も

日本も中国もフィリピンもロシアも

その他の東南アジアも壊滅的な津波被害に襲われる。


更に津波は迂回しながら

全世界を襲うと言うのである。


「それが本当だとしたら

どうしたら良いと言うの?」


ベスは、殆ど無力な様子で

まるで家庭の主婦の様に聞き返した。


「この隕鉄落下の被害は

津波だけには留まりません。

さまざまな影響を地球に与えますが

特に地球の気候に与える影響は大きくなります。

津波の塩水被害に加え

気候変動による農業への打撃は深刻となるでしょう。

しかし、これで人類が滅ぶ事はありません。

充分に備えれば

人的な被害も

かなり減らす事ができる筈です。」


エイリアンは事も無げに言った。


まるでそんな事は大した問題ではない

と言った様子である。


ベスはエイリアンのその態度に

多少怒りを覚えながら更に尋ねた。

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