落ち葉の迷宮
頭の上に小さなカボチャの精霊を乗せたオバケのプーは、オレンジ色のランタンを揺らしながら、さらに森の奥へと進んでいきました。
足元には、これまでの長い秋の間に積もった色とりどりの落ち葉が、ふかふかのじゅうたんのように広がっています。
カサカサと心地よい音を立てて歩くうちに、いつの間にかまわりの景色は少しずつ様子を変え、どこまでも続く落ち葉の迷宮へと迷い込んでしまいました。
「なんだか、同じような木が何度も並んでいるみたいだね」
プーが立ち止まって辺りを見回すと、まわりの大木たちがまるでかくれんぼをしているかのように、少しずつ位置を変えているように見えます。
風が吹くたびに、カサカサと落ち葉が舞い上がり、どちらが前でどちらが後ろなのか分からなくなってしまいました。
少しだけ不安になってプーの足が止まると、頭の上にちょこんと乗っているカボチャの精霊が、くすくすと柔らかく笑いました。
「大丈夫だよ、オバケくん。迷宮なんていっても、ただの落ち葉のイタズラさ」
カボチャの精霊はそう言って、プーの頭の上からふわりと小さな金の光を落としました。
その光は落ち葉の上にそっと着地すると、まるで小さな足跡のように、ぽつりぽつりと安全な道を示して光り出しました。
「ほら、あっちの光をたどっていけばいいんだよ」
プーはうなずき、手元のランタンの炎を一段と明るく灯しました。
頭の上のカボチャの光と、手元のランタンの光が呼応するようにピカピカと輝き、落ち葉の迷宮の暗がりを優しく照らし出します。
プーがその光の道に沿って一歩踏み出すと、足元の落ち葉たちがまるで道を譲るように、さらさらと心地よい音を立てて左右に分かれていきました。
迷宮の壁のようにそびえていた高い木々の隙間から、遠くでかすかに仲間たちの楽しげな笑い声が聞こえてきます。
「あっ、みんなの声がする!」
プーは嬉しそうに目を丸くし、カボチャの精霊と一緒にリズムよく落ち葉の道を駆け抜けました。
迷宮を抜けた先には、さらに広い星空の広場が待っている予感がして、プーの小さな胸は期待と温かい光でいっぱいに満たされていくのでした。




