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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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商隊の護衛②

俺が道を渡った時点で先頭の馬車が止まり、他の馬車も止まったので、ここで尋問することにする。


先頭の馬車の同乗していた護衛3人には、丘の方の15人分の死体の処理を頼んだ。


まあ、俺の成果をカウントしてもらうためでもある。



すぐに丘の向こうから小さな声で「うわっ」と驚いている声が聞こえた。

全員首をすっ飛ばしたから、派手な現場になっていたかな。



「あっという間だったな」

「辺境のギフト持ちとはこれほどのものか」

「エルン・ソーディスの薫陶を得た者らしいぞ」


後から参加した商人たちが騒いでいた。


それにしても、エルン村長の知名度はすごいな。

王都に来てからどこでもその名前が出てくる。



さて、尋問に入るか。


注意すべきは、他者の体で使う身体術で治療する手段と、生命魔術で治療する手段は採れないことだ。


俺と商人たち、特に後から参加した商人たちとは、信頼ではなく利益で繋がっている。


まだその辺りの情報は出すつもりはない



あと、気になることは、盗賊の人数が揃い過ぎていたことだな。


馬車18台だから32人で襲撃ということ自体はおかしくないが、どの時点で盗賊側が馬車18台でこの道を通ると知ったか。


王都を出てからの道中で、商隊を探る者の気配は感じ取れなかった。


俺の察知能力をくぐり抜けられる者に見られていた可能性も考えられるが、襲撃実行の32人を見る限り、それだけの腕を持つ者がいる可能性はゼロに近い。


商隊が王都を出発する前に、王都で商隊の情報を収集され、盗賊が準備していたと考える方が自然だよな。


王都における盗賊の協力者の情報も、聞き出す必要があるだろう。



尋問の方法は、他の2人を気絶させた状態で1人ずつ尋問し、「他の2人の話した内容と違う情報があった時、または他の2人が話した情報をお前が話していなかった時はお前が死なせてくれと願ってくるような手段でお前を処分する。このことは他の2人に聞くときにも伝える」と最初に伝える。

そしてこっそり周りにも本人にもバレないように精神魔術で自白を促す。



尋問した結果、この3人は盗賊のナンバー2と幹部格2人だと分かった。


アジトの場所や残りの人数なども確認できた。


盗賊の残りの人数は21人で、盗賊の頭も含めて全員アジトで待機して襲撃の結果を待っているらしい。


外部協力者、王都とカンゲルヴァイン侯爵領都での情報収集・連絡役はそれぞれ2名いるそうだ。




ローゼルスタッド侯爵家の依頼でこの場所で盗賊稼業を営んでおり、襲った獲得した財産の換金や交換、物資の支援なども受けていることが分かった。


ローゼルスタッド侯爵家はライバル派閥の領地に、割と直接的な妨害活動を実行しているようだな。


長年活動していた盗賊だと聞いていたが、こいつらの事業継続性?をローゼルスタッド侯爵家が担保していたか。


いろんな場所で動いてやがるな。



外部協力者として王都で動いている1人については、商人たちがよく知っている人物だったようだ。


情報通ぶって、何かと話を聞きに来る、誰もがあまり価値を置かない男だそうだ。


商人によく話しかけるが、大体の場合軽くあしらわれて終わりだったらしい。


その男が盗賊の協力者だと知って、商人たちは「あんなやつが!」「あんなやつに!」と憤っていた。



俺からすると、道化のような立ち回りで商人にまとわりつき、必要な情報を集めているなら、結構優秀なヤツだと思うんだけどな。


王都に戻った時にもその辺をふらついているなら素でマヌケなだけ、王都で見つからなければそれなりに訓練された工作員だった可能性も考えられるだろう。



尋問を終えた後、3人を処分して、商隊の発起人の商人にこの後の行動を確認した。

・このままカンゲルヴァイン侯爵領都を目指す

・俺が盗賊のアジトを潰しに行く

この2択になるだろうか。


前者だと今回の商隊の安全は確保できる。

残した盗賊がまた人集める、ローゼルスタッド侯爵家から人を補充されるなどの動きがあれば、王都―カンゲルヴァイン侯爵領都間の安全がまた脅かされる可能性はある。


後者だと俺が離脱することで商隊の守りは薄くなる。

盗賊の尋問によると残りはアジトに固まっているようだし、そこを潰せば王都―カンゲルヴァイン侯爵領都間の安全は確保できるだろう。


今と先のどちらを優先するかだが、商隊の発起人も、他の商人も、俺が盗賊のアジトを潰すことを選んだ。


そして、俺が行って戻ってくるまでの間、この場で待機することに決めたようだ。



まあ、ここから広い範囲で見ても商隊の他に人間の気配はないし、人を襲うような獣や魔獣の気配もない。

大丈夫だとは思うが、手早く済ませて戻るとするか。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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