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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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商隊の護衛①

学校の講義のスケジュールも、受講ペースの塩梅も、ある程度掴めてきた。



座学の講義で残っているのは、趣味と興味で受けている生産系ギフト持ち向けの講義くらいだ。


こちらは数回程度飛ばしても、講師や仲良くなった生徒が熱心にその内容を教えてくれそうだから大丈夫だな。



実技、特に武術系の講義は人によってやらせることを変えていて、こちらも飛ばしてもその分を取り返すことができるので、飛ばしすぎなければ大丈夫だと思う。



一定期間、学校を抜けても大丈夫そうなので、商人たちから要望のあった、王都外へ向かう商隊の護衛を引き受けようと考えている。



王都から西に150kmほどのカンゲルヴァイン侯爵家領の領都がある。


王都の東に50kmほど行ったところにあるローゼルスタッド侯爵家領とは逆方向で、派閥的にも対立しているところだ。



道中で盗賊に襲われるリスクがあるらしい。


長く存続している盗賊のようで、

・通る商隊を数回に1回しか狙わない

・商隊の財産を優先し、抵抗しなければほとんど命を取らない

・商隊の護衛が強ければ即座に撤退し、遠方まで逃亡する

という傾向があるようだ。


通る商隊を枯らさないようにバランスを取っているようにも思える。


それなりに知恵の効く頭がいるのかもしれないな。



1週間ほどの期間をおいて、商隊に参加する者を募集したようだ。

最終的には18台の馬車で商隊を組んで、カンゲルヴァイン侯爵領都を目指すことになった。



俺1人が参加することでここまで参加者を増やせるものかと思ったが、辺境育ちで魔獣を日常的に狩っていたことや、エルン村長の下で育った軍事系ギフト持ちということがセールスポイントになったらしい。


レフ兄さんが俺が王都に来る前に何度も俺のことを宣伝していたのも大きそうだ。



かなり大規模の、そして不揃いの商隊。

盗賊の狙い目になる可能性が高いな。


商人たちもいつまでも盗賊に居座ってもらいたくないと、攻撃的なプランを組んだようだ。



襲撃されるポイントは5か所あるらしい。

等間隔というわけではなく、王都から見て2つ目と3つ目は距離が近く、4つ目と5つ目は距離が離れているようだ。

その分け方も盗賊側の小知恵といったところか。


また1度襲って免れても、もう1度別のポイントで襲う場合もあるようだ。


ポイントが来るたびに緊張を強いられ、襲撃がなければほっとする。

その精神的負担も計算に入れているのかもしれない。



2つ目のポイントを越えて3つ目のポイントに差し掛かった頃、王都から70kmほど進んだ所で、かなりの数が待ち構えている気配があった。


商隊を企画した者と打ち合わせていた通り、俺は特に商隊に合図を出さず、ただ、襲撃に備えた。



先頭の馬車が、俺からの合図がないので安心してスピードを落とさずに進む。


もうすぐで3つ目の襲撃ポイントに差し掛かろうかという所で、待ち構えていた者が動き出した。


盗賊と確定していいだろう。


商隊から見て道の右側に小高い丘があり、道の左側は背の高い草の茂みになっている。


右側の道から見て丘の影になっているところに潜む15人に気付かれないように気配を消してその背後に回り、15人全員の首を落とした。


商隊からは見えない位置にいたので、実力を加減して見せる必要もなく、やりやすい。


大きな声は上げさせずに処理できたので、先頭の馬車が道の左側の茂みに差し掛かる前に、走って道を渡り、茂みの方に斬り込んだ。


クロスボウを構えている者が5名、近接武器を構えている者が12名いたが、クロスボウの者から処理して、近接武器の12名もリーダーのような立ち位置に見える3名を残して処理した。


残した3名の両手足は粉砕している。


茂みの方ではかなり声が上がったが、威勢のいい声は最初だけで後は悲鳴ばかりになり、最後は3名のうめき声だけになった。



この場にいた32名がこの近辺の盗賊の総勢ではないだろうが、こちらを見ている見聞役のような者もいないようだし、今回の襲撃はこの32名だけで行う予定だったのかもしれない。


その辺りは、この3人に話を聞かせてもらおうか。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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