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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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レフ兄さんの人脈③ 商人・商会訪問、ニーズとシーズの確認、バリューチェーン

気になった点は、個々の商人の商圏の狭さだろうか。


顔の見える相手との商売に限られていればそのようなものか。


商品によるけれど、流通には多くの卸を介しているし、王都外が絡むと更に重層になっているようだ。



これまた商品によるけれど、新しい商品の流通というのも難しいようだ。


商人が保守的なのもあるが、それ以上に最終消費者が保守的で、今まで使ってきたものを使い続ける傾向がある。


貴族向け、富裕層向けだとそこまでではないようだけど、庶民向けの商品はその傾向が顕著だ。



最低限だれもが消費する衣食住で、食に関してはまだ新しい商品が受け入れられやすいかもしれない。


極論、安くて旨ければ新しい商品も受け入れられるだろう。



商人たちからは、新しい商品のアイデアがないか、よく聞かれた。


様々な商品に溢れかえっていた有仁の世界の商品のアイデアならいくらでも提供できそうだ。


ただ、産業革命の時に自動織機の打ち壊しのラッダイト運動が起きたように、新しい商品が既存の商品を駆逐するようになったら、当然反発が起こり、社会が歪むかもしれない。


自分がその分野で本腰を入れないのであれば、あまり手を出さない方がよさそうだ。



商人たちが困っていることとしては、商圏を拡げたい時の安全についての話が多かった。


王都内で商圏を広げるのであれば、当然他の商人の商圏に抵触することもある。


こちらが広げるつもりがなくても、相手が拡げてきて抵触することもあるだろう。


通常はそれぞれいろんな商人と繋がっているので、話し合いや交渉で収められることが多い。


だが、新参だったり、強引な手法を取る商人だったりすると、力技で来ることもある。


その時にこちら側も武力で対応する場合があるようだ。



エルン村長はその辺りで協力して商人の支持を得ていたらしい。


レフ兄さんは顔を隠してこっそり手伝ったりはしていたらしい。


俺ならその方面は協力できそうだ。



王都外で商圏を広げるのであれば、道中の安全と、取引する場所での安全の確保が必要になる。


道のない場所や獣道しかないようなところでは魔獣や獣などに襲われる可能性がある。


道のある場所でも盗賊に襲われる可能性がある。


盗賊には毎回襲われるということはなくても、十回に一度、多い時は数回に一度のペースで襲われることがあるらしい。


盗賊には通行料としていくらか払えば通してもらえるケースと、まず殺してから奪い取るケースがあり、後者だと対処できなければ荷物も命も全滅だ。


稀にギフト持ちが盗賊に混じっている場合があり、そういう場合はまず皆殺しを狙ってくるようだ。



王都から出る商隊の護衛は、エルン村長はたまに引き受けていたらしい。


レフ兄さんはさすがにそこまではできなかったようだ。


俺なら、学校のスケジュールが調整できるようになったら引き受けられるだろうか。



むしろ、王都外との行商、物流を担う部分を俺たち主導で構築したいところだな。



材料を仕入れて、材料から商品(製品)を製造して、出荷して、販売する、この流れをバリューチェン(価値連鎖)と考えて管理する手法が有仁の世界ではあった。

これも20世紀の手法だが、割と分かりやすいし、一部を抜き出しても使いやすい。


本来は末尾にサービス(アフターサービス等)が入るし、直接的な主活動を支える支援活動(インフラ、人の管理、技術開発、調達先の確保)も入るけど、ここでは割愛して考える。


材料を仕入れる購買物流と、商品を出荷する出荷物流、ここを俺たちが担うことは、それ自体を生業にしている者の商圏を侵すことになりかねないが、この王都で関わるのは行商人くらいか。


むしろ行商人をある程度組織化してその護衛も含めて俺たちで掌握する方向が考えられる。


話が大きくなりそうだが、小さく始めて試して様子を見るのはアリだな。



体制が整い、機会があれば、商人を集めてプレゼンしてみてもいいかもしれない。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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