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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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レフ兄さんの人脈② 商人・商会訪問、囚人のジレンマ、継続ゲーム

レフ兄さんが王都で知り合った商人や商会の人間にも会わせてもらった。


商人同士の会合や商会の打ち合わせなどにも連れて行ってもらった。


レフ兄さんとケイトさんのギフトの能力で、協力したり手伝ったりして関係を強化していったらしい。


その成果を独占しないことを協力の条件としていたおかげで、複数の商人や商人のコネクションにも繋がりができたそうだ。

目先の利益じゃなくて、関係性を取った、うまい条件の出し方だな。



他の都市でどうだかは分からないが、王都の商人はコネクションを重視していて、1回の取引ではなく、長期的に取引できるかどうかで相手を見ているようだ。

レフ兄さんたちがそういう商人と繋がる傾向があるのかもしれないが。



意思決定を考える手法の一つ、ゲーム理論でも1回のみのゲームと継続して行うゲームで、その結果、どういう手が最適かが変わってくる。

有名な「囚人のジレンマ」でも1回だけか、継続するかで結論が変わる。


「囚人のジレンマ」は2人の囚人を互いに分からない所に配置して、自白するか黙秘するかを選択させる、というゲームだ。

・自分が自白して、相手が黙秘すれば、自分は懲役0で相手は懲役10年

・自分が自白して、相手も自白すれば、自分も相手も懲役5年

・自分が黙秘して、相手も黙秘すれば、自分も相手も懲役2年

・自分が黙秘して、相手が自白すれば、自分は懲役10年、相手は懲役0


という選択肢を与えられた場合で、相手は何を選ぶか分からない。


ぱっと見て、自分も相手も黙秘することが最善の選択肢であるように見えるけれど、相手が黙秘しようが自白しようが、どちらの場合でも自分が自白したほうが有利になっている。


1回だけなら合理的な人間なら必ず自白を選ぶ。

相手も合理的な人間なら自白を選ぶので、両方自白で懲役5年という答えに固定されてしまう。


でもこれを繰り返すとなったらどうなるか。

自分が初回で自白を選べば、次回以降相手も自白を選んでくる。

だからこそ、初回で黙秘を選べば、こちらは黙秘を選ぶ人間だというメッセージを相手に伝えることになり、両方黙秘で懲役2年という最適な選択肢を狙っていることが伝わる。

同じ考えで相手も同様に黙秘を選ぶ。

相手が自白を選び続ける人間なら、2回目以降は自分も自白を選び、1回だけのゲームと同じ結果になるだろう。


継続するゲームは相手を信頼して全体最適を狙うことが前提になる。



地に足のついた商人は継続ゲームの方を選ぶのだろう。


俺が協力してもらう商人を選ぶなら、当然継続ゲームを前提とした商人を選ぶ。


レフ兄さんのお陰で、ある程度の信頼関係ができていて、俺が継続して付き合うに値するかを証明するハードルも低くなっている。


各々の商人の必要なニーズと提供できるシーズを確認して、俺が提供できるものも検討していこう。




商人たちと何度か会って話を進める内に、王都での商売のあり方や流通する商品、望んでいることや困っていることなどが大分見えてきた。


紹介してもらった商人と話をする時に、相手の取り扱う種類の商品をこちらが扱うようになった時はまず先に話を通すこと、商圏を侵すようなことはしないこと、商売敵に情報を流さないことなどを誓約した。


俺の方から先にこういった仁義を切ることで、信頼してくれる土壌ができたと思う。


まあ、エルン村長やレフ兄さんへの信頼とその保証の方が大きいとは思うけれど。


バックの信頼だけでなく、俺自身も信頼を積み上げていくことは大事だろう。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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