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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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学校生活

ギフト保有者養成学校での活動は、それなりに充実していた。


必須8科目については、入学初日を含めて試験を受け、早々に免除してもらうことができた。


本当に最低限必要と思われる内容なので、簡単ではあるが、できない者への忖度もほとんどないそうだ。

できなければ当人が困るから。


ほとんど、というのは、事務長でも対処できない大貴族家の子息が相手だと、忖度せざるを得ないらしい。

試験を受けた時に講師との雑談でその話が出た。


俺と同じ歳の大貴族の子息・・・高確率でローゼルスタッド侯爵家の子息だな。


11歳の時に入学していたらしいが、必須科目の試験を受けて、どう考えても合格にはできない結果だったらしい。

それでもゴリ押しで合格にさせたとか。


必要だから必須科目になっているのに、それができないままで済ませる・・・なかなかのアホボンらしい。



戦略、戦術の講義もいくつかあり、一通り受講してみたが、どれも講師が持っているテキストを読み上げるだけのような内容で、その内容もまた薄っぺらかった。


過去の成功例を採り上げるのはいいが、その勝利の要因を指揮官の威光と精兵を揃えた能力として、詳細な分析もない、失笑モノの内容だった。


斥候を出すタイミングや戦争前の準備などもおかしな内容だった。


基本的なところまで軽視しているのか、講義は学生向けで現場ではまともなのか、不明だな。


戦略や戦術の講義はどれも一度出て、それ以上は受講しなかった。


この分だと、資料に当たってもあまりまともな物がないかもしれないが、一応当たってみることにしよう。



武術系の講義は、どれも充実して得るものが多かった。


講師は誰もがギフトを保有していないが、ある程度身体術を使える者が多く、また技術体系はそれぞれ洗練されているように見えた。


家伝として技術をうまく継承できているんだろう。


講義の内容はまだ基礎ばかりだが、それぞれの武術の術理のようなものが見えて参考になる。

俺自身の戦い方にも活かせるし、俺が誰かに教える時にも役立つだろう。



最も得るものが多かった講義は弓術の講義だった。


身体術の性質上、矢を放つ弓術は強化が難しく、実戦に役立てるのは厳しいかもしれないと考えていた。


だが、講義で矢を放ち、手から離れて遠くにある矢にも身体術が通り、標的に対して大きな効果を出しているところを見て、正直なところ目が飛び出るかと思うくらいに驚いた。


エルン村では遠隔の身体術を使える者がいなかったしなあ。

おそらくエルン村長も弓術の講義は受けなかったのだろう。


弓に込める身体術と、矢に込める身体術の性質が大きく異なっていて、矢の方の身体術の込め方にその術理があるようだ。


強化する身体術を、魔術で術式を構築するときのような魔素で矢を包み、強化する身体術の供給源としているようだ。


発想が分かれば、俺にはできそうだし、エルン村でもできる人は何人かいるかも知れない。

ただ、その発想に到達できなければ、俺にもできなかった。


この技術を、弓術のギフト持ち本人だけでなく、子孫に継承しているというのもすごいことだと思った。



その後で受けた投擲術の講義では、自分の体にだけ身体術を施して投げる対象には何もしていなかった。


投擲術のギフトでそうなのか、またはギフト持ちが子孫に継承できなかったのか、どちらか分からないが、弓術の講師の初代が偉大だったのだろう。


・・・ただ、この遠隔で身体術を使う技術、俺が使うと『強過ぎる』のがネックか。

高速移動と同様に、当面の間は表向きには封印しておく必要があるな。



武術系の講義はどれも俺にとって有用だった。

武術系の講義はどれも継続して参加し、その術理も含めてしっかり学んでいくつもりだ。



生産系の講義にもいくつか参加してみた。


こちらは、講師もギフト持ちで、そのギフトに関する講義がメインのようだった。


違うギフトでも生産系であれば類似点もあり、どのように応用していくかというのが主眼のようで、なかなかいい内容の講義だと思った。


生産系以外のギフト持ちが参加することは珍しいようで目立ってしまった。


だが、エルン村で学んだ農業ギフトや鍛冶ギフトの能力とそこから応用した技術について、外部にオープンにできる内容を伝えると、かなり盛り上がり、同じ講義に参加している学生だけでなく、講師本人とも交流が深まった。


武術系の講義で一緒の学生よりも仲良くなったかもしれない。

武術系の講義では講師とばかり話しているからかもしれないが。



思っていたよりも学生生活を満喫しているし、得るものも多い。


在籍している間は、可能な限り学んで吸収していこう。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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