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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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賊の襲撃②

襲撃の実行責任者を気絶させてから、グローフィル子爵にこれまで襲撃のようなことがあったかどうかを確認する。


まあ、そんなことがあれば護衛2人だけでこの距離を旅したりはしないだろうが。



案の定、一度もその気配すらも感じたことがなかった、とのことだった。


随分と緊張しながらの回答だ。


賊の襲撃がショックだったのか、その襲撃をすぐに制圧したからか、眼の前の尋問の様子にひいたのか、まだ落ち着かないようだ。



グローフィル子爵たちが全く警戒していなかった様子と、襲撃時の驚きようで、襲撃時点でうっすらとローゼルスタッド侯爵家らの大貴族が絡んでそうな予感はあった。

大当たりだったな。


自分たちが企画したスタンピードを阻止された挙句、複数の草や斥候のギフト持ちまで失ったからか。


それにしても、今まで手を付けたことがなかった王都の使者もまとめて殺そうなんてのは、随分と乱暴な話だな。

先方も焦っているのか?


・・・あり得るかもしれない。

今まで定型作業でうまくいき続けていた辺境開拓地域潰しが、そのリソース、仕える人材を含めて喪失し、失敗した。


それまで辺境開拓地域潰しでローゼルスタッド侯爵家が築いてきた権威、おそらく大貴族間でも通用していたものが揺らげば、そのまま権力基盤の弱化に繋がるだろう。

その恨みをなりふり構わずぶつけてきたとしても、まあ理解できないことはないかな。




考えることを一旦止めて、監視役の尋問を始めた。


監視役は無関係だと白を切ろうとしてきたが、いる場所が不自然すぎた。

そこをついて、最初は『暗闇の牙』の者か確認し、それを否定したら次はローゼルスタッド侯爵家の者かを確認した。


精神魔術も使って大体のところは吐かせた。



監視役はローゼルスタッド侯爵家に代々仕える諜報員の家の者らしい。


監視役本人に聞いても分からなかったが、自分の家の者を監視役に送ったということは、この襲撃はローゼルスタッド侯爵家の独断で他の貴族家が関わっていない可能性があるな。


監視役は成否にかかわらず、襲撃する『暗闇の牙』の者にも気付かれないように結果を見届け、悟られずに帰還するように言いつけられていたそうだ。


唐突に任じられたようで、準備などの時間はなく、同じ家の者や同僚に共有することもなかったらしい。

監視役が知るところでは、襲撃者を処分する、失敗した場合に代わって襲撃するというような次の手段などはないようだ。


監視役が知らないだけで、次の手が用意されている可能性はあるな。

可能性は薄そうだが、警戒はしておこう。



監視役の一通り終了し、監視役を気絶させた。


グローフィル子爵に、暗闇の牙の3名と監視役をどう扱うか確認した。


俺からは、

・全員生かして活用する

・選択して生かし活用する

・全員処分する

の3通りを提示し、有効に活用できる確信がなければ全員処分を勧めた。


グローフィル子爵は首を横に振りながら「活用できる自信はない」と答えたので、4名とも首を切って殺した。



「助かった。それに、全て任せてしまい、申し訳なかった」


グローフィル子爵が気を取り直したようで、俺に声をかけてきた。

2人の護衛もそれに続いて礼を言ってくる。


襲われたショックと眼の前で起こった事を考えると、立ち直りは早い方だろう。

それに、この状況でまず俺に礼を言えるというのは大したものだと思う。



グローフィル子爵ならある程度手の内を明かしても大丈夫だと思い、賊の死体を処理するため、道の脇に少し入ったところに土魔術で穴を掘った。


グローフィル子爵と護衛2人は驚いたようだ。

周りに魔術を使える人間があまりいないのかもしれない。


俺は穴に賊の死体を投げ入れていく。

掘った穴に近い死体は護衛2人が手伝ってくれた。



賊の死体を全て穴に入れ終わったら、穴を埋めて地面を均す。

続いて道の血が飛び散っているところは土をひっくり返して均す。


完全ではないが、ある程度痕跡は消せただろう。



また目を見開いて呆然としている3人に、俺の強さと魔術を扱えることは内密にしてほしいと依頼した。

俺が戦場に行くまでは秘しておきたいと、内密にしてほしい期限についても伝えた。


敵が明らかになり、つい先程襲われたこともあり、3人とも内密にする理由を理解し、承諾してくれた。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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