王都への道行き③
翌朝、朝食をもらい、泊まった部屋を出て馬車のところへ案内され、護衛2人と雑談している内に、グローフィル子爵も案内されてきた。
「護衛たちと仲を深めたようだな」
案内してきた執事が去ったところで、グローフィル子爵が穏やかな顔で話しかけてきた。
「ええ。2人にはよくしてもらっています。護衛の仕事の話や王都の話なども聞かせてもらいました」
「ふむ。それは何よりだ。だが、それにしては随分と打ち解けているな?」
正直に話していいものか、俺は迷ってサンチェスとゴバロに視線を送る。
「まあ、お館様の話も少し、ね。2年前のアルトの年齢鑑定の話などは盛り上がりましたよ」
サンチェスがためらいもなく本人の話題を挙げる。
「あれか・・・まあ、今もだが、アルトは年齢よりも、その、な?」
言葉を濁されても困る。
「南東辺境開拓地域でも、自分は体も大きく、顔も厳つい方でしたからね。まあ、滅多に使われないという宝玉まで使われるほど疑われるとは思ってもみませんでしたが」
「あー、いやー、すまんすまん。そう言えば、その後のギフト鑑定の結果の驚きで、そのことを謝罪もしていなかったな。失礼をして、申し訳なかった」
少し踏み込んで茶化してみると、真面目な謝罪が返ってきて驚く。
護衛が少々ふざけても問題にせず、目下の者にも誠実に謝罪する。
なかなか器の大きい人かもしれない。
俺が気にしていないことと、エルン村長一家がそのことで大爆笑だったことなども話し、またその場の皆で笑い合った後、馬車に乗り込み、サストガード邸を出て、サストガードの街を出た。
元よりそれほど固い雰囲気ではなかったが、更に壁がなくなったようで、グローフィル子爵とはより打ち解けて話ができるようになった。
王都の話を中心に、いろんな話を聞くことができた。
できればエルン村長にほとんど聞けなかった、貴族の事情や派閥などについても聞いてみたかったが、さすがにそこまで突っ込んだ話はできない。
王都の町割りや暮らしの様子などを中心に聞いている。
サストガードの街では城壁内にも畑があり、ある程度自給体制が整っていたが、王都は食料に関しては完全な消費都市らしい。
王家直轄領で収穫され、税として徴収された食料などが王都に集まり、食料や王都で生産される商品を取り扱う商人が集まる。
人が集まれば人を相手としたサービス業も成立する。
アルトの記憶では王都のごく一部しか見ていないものの、辺境とは違って近世のヨーロッパくらいには発展していたと思う。
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