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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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王都へ

年が明け、俺が12歳になってから3ヶ月経ち、今年も王都の使者が来た。



この使者とともに、俺は王都に行くことになる。




今年はイリナがギフト鑑定と戸籍登録を受けることになる。



昨年はオレグが土魔法のギフトの鑑定を受けて、その前年に引き続き、いやそれ以上に王都の使者のテンションが上っていた。


魔法士という存在が、それだけアクチュア王国の中で大きいのだろう。


オレグを王都に連れて行こうとする使者に諦めさせるのが結構面倒だった。



今年も面倒なことになりそうだ・・・




王都の使者が天幕を張り、イリナが呼ばれて入っていく。


「ふおおおおおお! また魔法士! なんてことだ!」



また取りすがる使者に諦めさせることに苦労したが、一昨年、昨年と続いているからか、今年は諦めるまでが早かった。



南東辺境開拓地域への使者を担当する者は、エルン村長が開拓を初めて以来、一度も変わっていないらしい。


そして、3年前までは、淡々と仕事をこなし、さっと立ち去る、よく言えば冷静沈着、まあ実際には無関心というところだったと思われる。



一昨年、俺に年齢詐称疑惑をかけて、俺のユニークギフトで騒いだ辺りからキャラが変わってしまっているようだが、仮面をかぶれなくなって素が出ているというだけなのだろうか。



まあ、面倒な人ではあるが、面白いなとも思える人ではある。


王都までの長旅の道連れになるんだ。

面白い人物の方がいいか。




いよいよ、出発だ。



俺はついに、エルン村を出ることになる。



わかっていたことだが、正直なところ、寂しく思う気持ちがある。


そして、ステージが替わる、次のステージで新たな動きをしていくことに、気持ちが引き締まる。



エルン村長一家、もうレフ兄さんは王都に行ってしまっているから、エルン村長、アデリナさん、キリル兄さん、オレグの4人と、イリナと、別れの挨拶を交わす。



イリナは泣いて、アデリナさんに抱きついた。

イリナをよろしくお願いします、と俺は礼をした。



来年はオレグが12歳になるが、オレグがエルン村を出るときには、イリナも一緒に出る予定になっている。


魔法士はアクチュア王国で特別扱いされる存在だが、それだけに制約も大きい。


2人セットで動いてもらうことで、障害を乗り越えてもらい、そして2人一緒に俺と合流してもらうつもりだ。



名残惜しいが、王都の使者の馬車に乗り込む。



馬車が動き出した。



エルン村長たちは手を振ってくれている。

イリナも顔を上げて、泣き顔のままだが手を振っている。



俺も、みんなが見えなくなるまで、手を振り続けていた。



いつのまにか、知らぬ間に俺は涙を流していた。

理由は自分でもよく分からない。




こうして俺は、エルン村を出て、王都に向けて旅立った。


第一部はここまでとなります。


第二部は書き溜め終えてから投稿を開始します。

お待たせしてしまいますが、第二部もまたよろしくお願いします。



この作品を読んでいただきありがとうございます!


もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。

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