アルト10歳の年 ギフト鑑定とその前に
いろんなことに手を出して、こなしている内に、年が明け、俺は10歳になった。
もう、後2年経てば、俺はエルン村を出ることになるのか。
エルン村でやれることには、一通り手を付けられたかなと思う。
後はそれぞれを定着させ、底上げして、向上させていくことだ。
焦らず急ぐ。
100%を越えて無理をするような焦りではなく、100%に近い水準で全力を出して急ぐとするか。
年が明けて3ヶ月経った頃、王都からの使者が来た。
アルトがエルン村に来た頃は4ヶ月や5ヶ月経った頃に来ていたような気がするが、外部介入の問題を対処したくらいから早まった気がするな。
ついに、俺のギフトの鑑定か。
王都の使者が張った天幕から入るように声がしたので、中に入る。
「この年に10歳になったのはそなた?のみか」
ん?なんで疑問形?
「そなた・・・本当に今年10歳になったのか?よそから流れてきて歳を偽っているのではないのか?」
本気で疑われているのか・・・
「もし歳を偽っているのであれば、罪に問われることとなる。また、偽りを通すことなどできぬと知れ」
王都の使者が厳しい顔をしながら、鑑定の宝玉よりも小さな宝玉を取り出した。
「滅多に使うことはないのじゃが、年齢を測定する宝玉じゃ。神具を偽ることなどできぬぞ」
そんなものがあったんだな。
そしてめったに使われることのない神具を使われる俺・・・
統合した有仁の精神年齢で測定されるようなことはないだろうか。
真のギフトで精査すると、肉体年齢を表示させる機能しかないようだから、大丈夫か。
俺がその宝玉に触れると『10』という数字が宝玉に表示された。
王都の使者は本気で驚いてる。
「なんと!まことに10歳であったのか・・・・・・すまぬの」
偽ることのできない神具に触らせておいて、まだ納得のいかない表情をしてやがる。
まあ、10歳で身長が160cmを超え、何より、顔が厳ついから、10歳には全く見えないらしい。
鑑定の宝玉を誤魔化せるか、ちょっと緊張しながら待っていたんだが、その前にとんだ茶番だぜ。
台においてある鑑定の宝玉に触れるように指示されたので、真のギフトで機能を欺瞞したうえで触る。
鑑定の宝玉が強く光り出し、『大力』と表示された。
「なんと! ギフト持ちである上に、今まで記録されたことのない『大力』というギフトとな!」
このオッサン、一人で騒ぎまくってるな。
王都の使者は一騒ぎした後に落ち着いて、それから今年の王都行きを熱心に勧めてきた。
ユニークギフトを早く連れていけば、何か報奨がでたり昇進に繋がったりするのだろうか。
付き合う義理はないので「12歳になってから参ります」と伝え、使者の天幕をを去った。
さっと鑑定してもらうだけのイベントのつもりが、何だか疲れた気がするな。
その後、天幕の外にいたエルン村長一家とイリナに何があったのかを聞かれ、そのまま話すと大ウケして笑っていた。
エルン村長、アデリナさん、キリル兄さんが口を抑えながら涙を流していたのが印象的だったよ。
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