魔法を交えた戦闘訓練
俺が自由に動ける時間を増やしてもらったけれど、やはりいろいろとやることも増えている。
俺の中で重要で優先度の高い課題、それはオレグとイリナの強化だ。
2人に身体術を身につけてもらって、魔法と身体術を駆使した戦闘法を仕込んでいる。
それと、魔法士がギフトに甘えた場合にできる弱点、その克服も課題として取り組んでもらっている。
俺は今、オレグとエルン村の広場で向き合っているところだ。
オレグは身体術も使えるようになって、身体術だけでもそれなりの戦い方ができるようになった。
俺がオレグの出方を待っていると、オレグが俺に向かって直進し、すぐに飛び上がった。
そして剣を上段に構えて振り下ろすと同時に、俺の背後の地面で土魔法により尖った柱が20本ほど俺に向かって伸びてきた。
俺は背後から伸びてきた柱に向けて後ろ向けに飛び、強固な足場を築いて柱を防ぎながらオレグに向かって飛び、オレグの振るう剣に向けて剣を振るう。
オレグが打ち負けて後ろに吹き飛ぶが、後転して地面に着地する。
オレグが地面に着地した瞬間に、俺が降り立った地面の周囲で土魔法により全方向で尖った柱を伸ばそうとする。
俺は俺の周囲に伸びたオレグの魔力を、俺の魔力で阻害した。
オレグの魔法は効果を表さず、不発になる。
俺はオレグに向かって走る。
オレグは俺との間に土魔法で壁を生み出そうとするが、俺は魔力でその発動を阻害する。
オレグは魔法の発動に集中していて剣を動かせず、俺が首筋に剣を当てる。
「俺の勝ちだな」
オレグに告げると、「くそー」と悔しがっている。
「俺の近くで魔法を発動としている時、魔力による制御が足りていなかったな。相手に近い距離で発動する時はもっと魔力を込めないとな。それと、俺が正面から向かった時も焦って魔力制御が甘くなっていたぞ」
「うー。分かってるよー」
まあ、分かっていてもできるかどうかは別だよな。
今は緊張感のある状態での魔力制御とその成否の経験を積んでいければそれでいい。
「最初の身体術を使った剣術による攻めと、土魔法の柱で挟んだ攻撃はよかったな。ああいった攻撃が自在に出せるように強くなれるだろう」
自分で戦闘におけるアイデアを出して実行できているんだ。
オレグはもう、自分の意志で強くなっていくことができるだろう。
「私もやるー!」
そうそう、イリナもな。
オレグとイリナに自分の考えでどう戦うかを決めさせて、かつ俺が魔法を妨害しつつ相手をする訓練が終わると、次は俺の考えたことを実行できるかを試してもらう訓練だ。
オレグとイリナに、長さ10mの剣を振ってもらうことを考えている。
身体術だけではまだしばらくは無理だろう。
なので、それぞれ土魔法、水魔法も駆使してもらう。
オレグには土魔法で長さ10mの剣を作り、土魔法でその剣を動かす方法で試してもらっている。
10mの大剣を空中で動かしてもらうことはすぐにできたんだが、それをオレグが持って、振るっているように体の動きと一致して動かすことはまだできていない。
大剣に体を動かされているように見えるか、剣の振りがしょぼくなるか、どちらかに寄ってしまうんだよな。
身体術も使って、身体の強化も重ねてやっているが、まだまだ練習が必要そうだ。
イリナには、土魔術で長さ10mの剣、の形をした鞘のようなものをつくってもらい、その中を水魔法で生み出した水で埋めて、水を動かすことで大剣を動かす練習をしてもらっている。
こちらは、土魔術で生み出した部分を身体術で強化しながら動かさないと、身体術が切れた時点で剣の部分がボロボロになるので、オレグにやらせていることよりも難易度が高くなっている。
イリナが振るっているように見せられる段階ではなくて、水魔法で動かす部分と土魔術で生み出した空洞ありの大剣を維持することで精一杯、というか、そこもまだ短時間しかできない。
オレグとイリナにやってもらっている10mの大剣を扱う練習は、大森林探索で使う予定はなく、戦場で使ってもらうことになる予定だ。
時間をかけて練習を続けてもらうしかないな。
幸い、難しいからこそ挑みがいがあるようで、楽しんで練習しているみたいだしな。
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